一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

片山事件

2018-06-10 00:14:22 | プライベート
5月30日に行われたゴルフのプロアマ戦で、片山晋呉選手のとった行動が騒動になっている。詳細がよく分からないのだが、片山選手と組んだアマ選手3人が、片山選手の行動に激怒。そのままプレイを放棄する事態になった。日本ゴルフツアー機構(青木功会長)はこの「事件」を公表し、石川遼選手会長はスポンサーとファンに謝罪した。
私はゴルフをしないのでよく分からないのだが、どうもこれ、プロのアマに対する接待戦だったようである。将棋にたとえれば、指導対局&懇親会となろうか。
そこでプロが自分勝手な態度を取ったから、気難しいアマが怒った、という感じらしい。
実は私もそれに近い経験をしたことがある。2011年11月、LPSA芝浦サロンで石橋幸緒女流四段(当時)に指導対局を受けた際、石橋女流四段が頻繁に席を外すので、イライラしたのだ。この詳細は、2015年の当ブログにも書いている。
石橋女流四段は忙しかったのだろうが、こちらはお金を払って指導対局の時間を買っている。それゆえプロ側にも、それなりの応接をしてもらいたかった。
もっとも、プロがアマに将棋を教えたって、プロ側にうま味はほとんどない。指導対局料は微々たるものだし、プロがアマに学ぶところはまったくない。アマのために貴重な時間を消費しているわけで、どこかぞんざいな扱いになるのも無理はないのである。
片山選手も、アマ選手と回ったって、何も得るものはない。だからアマ選手に接待せず、マイペースで好きなことをやってしまった。
だが片山選手は、アマ選手の背後にスポンサーがいるのを軽視した。これはいかにもまずい。
片山選手は何度も賞金王に輝いているから、トーナメント戦だけでも食べていける。
だがレッスンプロはそうではない。アマ・スポンサーの理解が必要である。だからアマ選手を怒らせてはいけないのだ。
片山選手の軽率な行動が、ほかのレッスンプロまで影響を波及させる。コトは片山選手一人だけの問題ではないのである。彼はそこまで頭が回らなかった。
そこへ行くと、将棋界のプロはとても腰が低い。私たち一般人に対しても、丁寧に接してくれる。それはつねにスポンサーの目を意識しているからだろう。
それに考えようによっては、私たちだってスポンサーともいえる。
日本将棋連盟のスポンサーには新聞社が多い。対局料は新聞社が出しているが、そのお金は私たちの新聞購読料から出ている。つまり私たちの背後には新聞社がいるのだ。
それとSNS全盛の時代、アマを怒らせたら、文句がすぐにネットにアップされる。プロも必然的に腰が低くなってしまうのだ。
話を戻して、片山選手はそんなにアマとのプレイが嫌なら、プロアマ戦は辞退すればよかった。自分の腕一本で食べていく自信があるなら、無理してアマにゴマをする必要はない。それでも片山選手を応援する人はするし、しない人はしないだろう。
私は個人的に、誰にも媚びず、孤高に生きるプロが好きである。片山選手は今後も徹底して、そちらの方向で生きて行けばいいと思う。
コメント (2)
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