4局目はYaj氏と戦う。棋力は三段で、一応私が後手だ。
Yaj氏が早く飛車先の歩を決めてきたので、私は向かい飛車に振る。その後、7~8筋方面で戦いが起こったのだが、私はと金を2枚作り、負けない態勢。ではあるのだが、この類は結着がつくまで先が長いのだ。
事実Yaj氏は詰み上がりまで指すタイプのようで、妙に進行が遅い。
やっと最終盤になったが、傍らでKun氏が観戦していたため、光速の寄せを見せてくれるワと詰ましにいったが詰まず、面倒なことになった。
ただし勝敗に影響はなく、私の勝ち。これでイーブンになった。
辺りを見回すと、今年は一昨年ほどの大盛況ではないが、昨年並みの入りだ。しかしどこか景色が違う。
よく考えたら、幹事はA氏のほかに、Mo氏、Hak氏の姿がない。Was氏の姿もないが、氏は現在「将棋ペン倶楽部」の編集で忙しい、とさっき聞いた。私は無職だから、彼の多忙が羨ましい。
会員では、関西のHa氏、Sig氏の姿がない。また長野県のHige氏もいない。
その代わりといってはなんだが、今年は女性の参加が多い。ここにも将棋ブームの余波が現れている。
現在Osa氏とNi氏が戦っている。星のつぶし合いで、結構長い戦いだ。対局会は勝数のみの争いになるので、ここで時間を使ってくれたほうがいい。
縁側で、軽食のおにぎりを頬張る。将棋会館で将棋を指し、腹が減れば満たす。将棋ファンにとって至福の時間である。
5局目はTak三段と指す。私の後手で、相居飛車となった。Tak氏が▲3四飛と横歩を取った手に対し、私は△8八角成▲同銀△2八歩▲同銀△4五角。いわゆる△4五角戦法だ。
ここでメジャーな定跡は▲2四飛といったん寄るのだが、Tak氏は▲7七角。これで分からなくなってしまった。

第1図以下の指し手。△8八飛成▲同角△3四角▲1一角成△3三桂▲3六香△6七角成▲同金△7九飛(第2図)
△8八飛成から△3三桂までは当然の進行。ここで▲8四飛なら△2五角で後手よし、と石橋幸緒さんに教わったことがあるが、Tak氏は▲3六香。もし▲2四飛△2三歩の交換が入っていれば角が4五にいるので、△3六同角▲同歩△5四香と進めるのだが、これでは角を切れない。
とはいえこの進行なら後手が得になっているはず。しかし正着が分からず、私は角切りから△7九飛と強襲した。

第2図以下の指し手。▲6九飛△同飛成▲同玉△8八飛▲7八角△8七銀▲同角△8九飛成▲5八玉△8七竜▲3三香成△6九角▲4八玉△6七竜▲3二成香△4六桂(第3図)
飛車の王手にTak氏は▲6九飛と合わせたが、▲6九歩でよかったと思う。
私は△8八飛。もはや攻め続けるしかないのだが、これが正着とも思えない。▲7八角にはいったん△8九飛成と桂を取ってから、△8七竜。これで少し盛り返したと思った。
Tak氏は待望の▲3三香成だが、ここはもう一手我慢し、▲6八歩と金取りを受けて先手が十分だったと思う。
本譜は私が金を取り、△4六桂が必殺手だった。

第3図以下の指し手。▲3六歩(途中1図)

△5八竜(途中2図)

▲3七玉△4七竜▲2六玉△3六竜(投了図)
まで、一公の勝ち。
ここでTak氏が大長考に沈む。第3図で▲4六同歩は△4七金▲3九玉△3八歩▲同金△同金▲同玉△6八竜(参考1図)。そこでA▲2七玉は△2六歩が最後の1歩の好打で、a▲2六同玉は△2八竜▲3五玉△2五竜、b▲1八玉も△2八竜▲同玉△2七銀▲3九玉△3八金まで詰む。またB▲4八桂は△同竜▲同玉△4七金▲3九玉に△3八歩と、ここでも最後の1歩が利き、詰む。

よってC▲5八桂合だが、これも△5八同竜▲2七玉△2八竜▲同玉△2七歩(参考2図)▲同玉△3五桂以下詰む(つまりA▲2七玉には、すぐ△2八竜でも詰む)。

つまり必至級と認識していたのだが、Tak氏が▲3六歩と逃げ道を開けたのが、なかなかの粘りだった。
勝ちは我にあるはずなのだが、決め手が見つからぬ。しかし逸って指して寄せ損ね、Ni戦の二の舞になるのはごめんである。
そこで△5八竜が閃いた。
指してしばらくすると、「竜ノコですか」とTak氏はつぶやいた。
これを▲5八同金は、△3八金▲5九玉△5八桂成まで。よって▲3七玉と逃げることになるが、竜をタコ糸のように使って詰む。本譜は△3六竜まで、Tak氏の投了となった。この詰み筋があるから、△6八竜でなくジカづけの△5八竜が正着なのだ。

感想戦。第2図の△7九飛にはやはり▲6九歩がよかったようで、以下△8九飛成▲3三香成△5五桂なら、▲4二成香(参考3図・Tak氏の指摘)△同銀▲5五馬のような手もあって、先手が有望だった。

本局、中盤までは冴えなかったが、最後はうまくまとまった。こういうギリギリの勝負を制すると、自信になる。
これで3勝2敗。ついに貯金1である。
(22日につづく)
Yaj氏が早く飛車先の歩を決めてきたので、私は向かい飛車に振る。その後、7~8筋方面で戦いが起こったのだが、私はと金を2枚作り、負けない態勢。ではあるのだが、この類は結着がつくまで先が長いのだ。
事実Yaj氏は詰み上がりまで指すタイプのようで、妙に進行が遅い。
やっと最終盤になったが、傍らでKun氏が観戦していたため、光速の寄せを見せてくれるワと詰ましにいったが詰まず、面倒なことになった。
ただし勝敗に影響はなく、私の勝ち。これでイーブンになった。
辺りを見回すと、今年は一昨年ほどの大盛況ではないが、昨年並みの入りだ。しかしどこか景色が違う。
よく考えたら、幹事はA氏のほかに、Mo氏、Hak氏の姿がない。Was氏の姿もないが、氏は現在「将棋ペン倶楽部」の編集で忙しい、とさっき聞いた。私は無職だから、彼の多忙が羨ましい。
会員では、関西のHa氏、Sig氏の姿がない。また長野県のHige氏もいない。
その代わりといってはなんだが、今年は女性の参加が多い。ここにも将棋ブームの余波が現れている。
現在Osa氏とNi氏が戦っている。星のつぶし合いで、結構長い戦いだ。対局会は勝数のみの争いになるので、ここで時間を使ってくれたほうがいい。
縁側で、軽食のおにぎりを頬張る。将棋会館で将棋を指し、腹が減れば満たす。将棋ファンにとって至福の時間である。
5局目はTak三段と指す。私の後手で、相居飛車となった。Tak氏が▲3四飛と横歩を取った手に対し、私は△8八角成▲同銀△2八歩▲同銀△4五角。いわゆる△4五角戦法だ。
ここでメジャーな定跡は▲2四飛といったん寄るのだが、Tak氏は▲7七角。これで分からなくなってしまった。

第1図以下の指し手。△8八飛成▲同角△3四角▲1一角成△3三桂▲3六香△6七角成▲同金△7九飛(第2図)
△8八飛成から△3三桂までは当然の進行。ここで▲8四飛なら△2五角で後手よし、と石橋幸緒さんに教わったことがあるが、Tak氏は▲3六香。もし▲2四飛△2三歩の交換が入っていれば角が4五にいるので、△3六同角▲同歩△5四香と進めるのだが、これでは角を切れない。
とはいえこの進行なら後手が得になっているはず。しかし正着が分からず、私は角切りから△7九飛と強襲した。

第2図以下の指し手。▲6九飛△同飛成▲同玉△8八飛▲7八角△8七銀▲同角△8九飛成▲5八玉△8七竜▲3三香成△6九角▲4八玉△6七竜▲3二成香△4六桂(第3図)
飛車の王手にTak氏は▲6九飛と合わせたが、▲6九歩でよかったと思う。
私は△8八飛。もはや攻め続けるしかないのだが、これが正着とも思えない。▲7八角にはいったん△8九飛成と桂を取ってから、△8七竜。これで少し盛り返したと思った。
Tak氏は待望の▲3三香成だが、ここはもう一手我慢し、▲6八歩と金取りを受けて先手が十分だったと思う。
本譜は私が金を取り、△4六桂が必殺手だった。

第3図以下の指し手。▲3六歩(途中1図)

△5八竜(途中2図)

▲3七玉△4七竜▲2六玉△3六竜(投了図)
まで、一公の勝ち。
ここでTak氏が大長考に沈む。第3図で▲4六同歩は△4七金▲3九玉△3八歩▲同金△同金▲同玉△6八竜(参考1図)。そこでA▲2七玉は△2六歩が最後の1歩の好打で、a▲2六同玉は△2八竜▲3五玉△2五竜、b▲1八玉も△2八竜▲同玉△2七銀▲3九玉△3八金まで詰む。またB▲4八桂は△同竜▲同玉△4七金▲3九玉に△3八歩と、ここでも最後の1歩が利き、詰む。

よってC▲5八桂合だが、これも△5八同竜▲2七玉△2八竜▲同玉△2七歩(参考2図)▲同玉△3五桂以下詰む(つまりA▲2七玉には、すぐ△2八竜でも詰む)。

つまり必至級と認識していたのだが、Tak氏が▲3六歩と逃げ道を開けたのが、なかなかの粘りだった。
勝ちは我にあるはずなのだが、決め手が見つからぬ。しかし逸って指して寄せ損ね、Ni戦の二の舞になるのはごめんである。
そこで△5八竜が閃いた。
指してしばらくすると、「竜ノコですか」とTak氏はつぶやいた。
これを▲5八同金は、△3八金▲5九玉△5八桂成まで。よって▲3七玉と逃げることになるが、竜をタコ糸のように使って詰む。本譜は△3六竜まで、Tak氏の投了となった。この詰み筋があるから、△6八竜でなくジカづけの△5八竜が正着なのだ。

感想戦。第2図の△7九飛にはやはり▲6九歩がよかったようで、以下△8九飛成▲3三香成△5五桂なら、▲4二成香(参考3図・Tak氏の指摘)△同銀▲5五馬のような手もあって、先手が有望だった。

本局、中盤までは冴えなかったが、最後はうまくまとまった。こういうギリギリの勝負を制すると、自信になる。
これで3勝2敗。ついに貯金1である。
(22日につづく)