一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

半年ぶりの愛(1)

2019-10-23 12:26:17 | 女流棋士の指導対局会
22日は「即位礼正殿の儀」があり、私は1日家で拝見するつもりだった。しかし大野教室で飯野愛女流初段の指導対局会もあり、迷った末、11時の回に申し込んだ。
また午後からは和光市で「第3回大いちょう寄席」もあり、こちらにも顔を出したい。結局、いつもと変わらぬ休日になりそうだった。
朝、京浜東北線に乗る。昼間に乗ると山手線から京浜東北線に乗り換えねばならないが、朝はそれがないからラクだ。
大野教室に入る。前回お邪魔したのは8月10日の加藤桃子女流三段の回で、その間、誰とも指していない。これでは、趣味が将棋とは言い難い。
飯野女流初段は所定の席につき、記念写真を撮ったりしていた。いまは棋士と写真を撮るのもお金が要る時代だが、大野教室にはこのサービスがあり、うれしい。もっとも私は、それを利用したことは一度もない。女流棋士とツーショットで撮るほど、私は自分に自信がないからだ。
私は参加費を払い、飯野女流初段の色紙を受け取る(2,000円)。「愛」としたためてあり、この文字は私が事前にリクエストしたもの。細身の筆で書かれたそれは流麗で、字の美しい女性は、それだけで評価が3割アップする。
私は空いている席に座ったが、知り合いの常連氏が怪訝な顔をする。どうも彼の席に座ってしまったようだ。
奥の席が空いており、そこに移動する。まだツーショット撮影は続いている。飯野女流初段はいつもの美形で、小顔だ。先日のNHK杯では髪型を変えたぽかったが、実際はどうなのだろう。
撮影が一段落したが、大野七段が私にもツーショットを促した。固辞すると、飯野女流初段がじきじきに私の隣に来てくれた。大野七段がスマホで撮ったが、それは大野七段のものなので、私はあまり関係なかった。ともあれ、飯野女流初段のお気遣いに感謝した。
さて、対局である。飯野女流初段に対局をお願いするのは4月27日以来。6月16日の女流棋士発足45年記念パーティーでもお話はしなかったので、丸々半年ぶりだ。一将棋ファンが特定の女流棋士と接することは、それだけ難しいということだ。
今回も6面指しで対局開始となった。

初手からの指し手。▲7六歩△3四歩▲9六歩△9四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲5六歩△6二玉▲6八玉△7二銀▲7八玉△7一玉▲5八金右△3二銀▲5七銀△3二銀(第1図)

▲7六歩△3四歩に、▲9六歩。1%くらい△8四歩を期待したが、それなら私は飛車を振るつもりだった。本譜は△9四歩だったので、居飛車を明示した。
各自の手合いは私から右にTag氏・角、某A氏・飛香、Kur氏・金桂、某B氏・不明、常連氏・香だった。Kur氏は相変わらず変則的な手合いで、以前は「銀桂」もあった。「でも銀桂の手合い期間は短かったよねえ」とW氏がまぜっ返し、マニアックな会話に私はついていけない。
某B氏はこれから出張で、12時10分にはここを出なければならないという。それでも寸暇を割いて女流棋士に会いにくる。将棋ファンはありがたきかな。
さて私の将棋は、1手指すごとに飯野女流初段は隣に移ってしまうので、何となく進行が遅くなっている。まあ、やがてほかのみんなに追い付くだろう。
▲5七銀が趣向の一手。いつもは急戦を狙うのだが、今日は別の作戦を考えていた。

第1図以下の指し手。▲8六歩△4三銀▲8七玉△6四歩▲7八銀△7四歩▲2五歩△3三角▲3六歩△8四歩▲4六銀△3二飛▲3八飛(第2図)

私は▲8六歩。天守閣美濃の狙いで、温故知新で指してみたくなった。
と、Kur氏の将棋で異変が起こった。この手合いに指し慣れない飯野女流初段がポカをやったらしく、しばらく唸っていた飯野女流初段が、投了してしまったのだ。
時に11時14分。「もう1回お願いします!」と、2局目の開始となった。
和やかな雰囲気なので、おしゃべりが入る。坂東香菜子女流初段の話題が出る。坂東女流初段は飯野健二八段門下だったそう。飯野門下は美形揃いではないか。
ただし飯野女流初段がプロになった時は、板東女流初段はもう休場していたので、交流はなかったようだ。坂東女流初段が現役を続けていればイベントに引っ張りだこだったのに、引退は惜しいことだった。
大野七段が
「○○はああして、××はこうして、△5三銀と上がるのがいいと思います」
と、飯野女流初段にアドバイスする。大野七段はこの時間指導対局がなく、手スキだったのだ。プロがプロに肩入れしたんじゃアマの立場がないが、確かに金桂落ちは指し方が分からない。
私は▲3六歩と突く。四枚美濃にはせず、右銀は攻めに繰り出す予定だ。
飯野女流初段は△3二飛。△7一玉形での待機もそうだが、飯野女流初段の術中に陥っている気がした。

第2図以下の指し手。△4五歩▲3三角成△同桂▲5五銀△6三金▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲2一角△4二飛▲4三角成△同飛▲3五飛△5四歩(第3図)

飯野女流初段は△4五歩と反発した。私が逆を持ったら指せない手で、これが振り飛車党の手といえる。
私は▲3三角成△同桂に▲5五銀。こう出られるのがミソで、この銀が生きているうちに一仕事したい。
とはいえここで下手の攻め方が分からなかった。▲2八飛と寄り、△5四歩なら▲6四銀△同金▲5三角を考えたが、これは独善であろう。ああ、時間があればいくらでも考えたい。
飯野女流初段がこちらを向いたので▲2四歩と突いた。が、これは微妙。上手に1歩を渡すし、△2五桂も生じたからだ。
そしてこうなった以上、私は攻めるしかない。若干無理と思ったが、駒損の攻めを敢行した。
△5四歩にはどうするか。

(つづく)
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