2016年11月23日、大野教室の特別企画で、「女流棋士の指導対局会」が始まった。同企画は毎月続き、私は翌2017年3月11日に初めて指導を受けた。相手は渡部愛女流初段だった。以後、7名の女流棋士から指導を受けたが、女流棋士はおしなべて緩めるのがうまく、私も何度か勝たせてもらっている。
ことに、上手が下手に詰めろを掛けて来たところで上手玉を詰ますのが心地よい。今日はその場面を再掲しよう。
まずは2017年6月10日の渡部女流初段戦。A図は渡部女流初段が△6八竜と香を取った局面。下手の持駒は豊富なので、これは詰まさなければならない。
A図以下の指し手。▲8四桂△8二玉▲7二飛△同金▲同桂成△同玉▲8四桂△同歩▲8三銀△同玉▲8四馬△同玉▲7五金△8三玉▲8四香(A投了図)
まで、一公の勝ち。
桂馬はあると便利な駒で、どんなに持駒があっても、A図で桂馬がなければ全然詰まない。
本譜は意外と簡単な詰み。
B図は2017年12月9日の中村真梨花女流三段戦。▲7四桂の王手に△9二玉と逃げた局面である。
この前に「▲7三桂成△同銀上▲7四桂△9二玉」の4手が入っているのだが、この時点では上手玉に詰みがあるとは思わなかった。
どうも自陣に思わしい受けがなく、仕方なく詰ますことを考えたら、奇跡的な詰みが見えたのである。
B図以下の指し手。▲8三銀△同玉▲7二銀△同玉▲8二金△6一玉▲5一香成△同玉▲5二歩△同玉▲4二飛△5一玉▲5二歩(B投了図)
まで、一公の勝ち。
終局後、中村女流三段が「詰みがあったんですね」と放心したのが印象に残っている。大野教室の女流棋士指導対局会で、最も印象に残っている将棋である。
C図は2018年3月31日、飯野愛女流1級との一戦。まずは詰み手順をご覧いただく。
C図以下の指し手。△7二同玉▲6二香成△同玉▲6三銀△5三玉▲5四銀上(C投了図)
まで、一公の勝ち。
▲7二金は詰ましにいったのではない。△5二玉なら詰まなかったのだが、飯野女流1級はヒョイと△7二同玉と取ってしまった。以下は▲6五銀が働いて、詰みである。
指導対局では時間の関係で上手がほとんど考えないので、こういう事態はまま起こる。
なお飯野女流1級はこの翌日、女流初段に昇段した。
D図は2018年9月30日、山根ことみ女流初段との一戦。
D図以下の指し手。▲8三香成△同銀▲同馬△同玉▲7五桂△7二玉▲6三銀△同金▲8三銀△6二玉▲6三桂成△5一玉▲3一飛△4一香▲3三角(D投了図)
まで、一公の勝ち。
山根女流初段は先日の白瀧あゆみ杯で、加藤桃子女流三段を破って優勝した。YAMADA女流チャレンジ杯に続いての優勝である。
自分が勝たせていただいた先生が活躍するのは嬉しいものである。
E図は2019年4月27日、飯野女流初段との一戦。
E図以下の指し手。▲7一角△同金▲同銀不成△同玉▲6二金△8二玉▲7二金(E投了図)
まで、一公の勝ち。
これは平易な詰みだった。
F図は2019年8月10日、加藤女流三段との香落ち戦。元奨励会初段には、とても平手で太刀打ちできないと判断し、異例の駒落ち戦となった。
将棋は私がつねに非勢だったが、加藤女流三段の見落としもあって逆転した。
F図以下の指し手。▲7一銀△同玉▲6二竜△同玉▲5一角△7一玉▲6二金△8二玉▲7二金△同玉▲6四桂△同歩▲6二角成(F投了図)
まで、一公の勝ち。
別の詰まし方もあったが、本譜は加藤女流三段が「綺麗な詰みですね」とつぶやいてくれた。
やはり即詰みは気分がいい。その意味で、大きな後悔があるのが次の一局である。
2017年11月23日、憧れの室谷由紀女流二段に教えていただいた一局。終盤で私が優勢になったのだが決め手を欠き紛れた。しかし私が残していたようで、最後は私の玉に詰みがなく、室谷女流二段が投げてくれた。
しかし私は途中で大野八一雄七段から、「詰みがあるときは詰まさなきゃ」とつぶやかれていた。
G図で私は▲5二桂成△同玉▲2五角(王手竜)と指したが、緩手。ここは▲5四桂(G参考図)が好手で、綺麗に詰んでいた。
この手順で終わっていたら、室谷女流二段の私を見る目が変わったと思う。
ところが室谷女流二段はこの4ヶ月後電撃結婚し、名字も変えてしまった。谷口女流二段は私のファンランキングから消え、この将棋も意味がなくなってしまった。
以上、ここまで12局指して、私の8勝4敗(●○●●●○○○○○○○)である。求職中に白星が集まるとは、何の因果か。
現在も女流棋士の指導対局会は毎月続いており、素晴らしい。
そして22日(火・祝)は、大野教室で飯野女流初段の指導対局会がある。当日は家で即位の礼を拝見するつもりだったが、飯野女流初段の魅力のほうが優った。つまり参加させていただく。
当日はいい将棋を指したいと思う。
ことに、上手が下手に詰めろを掛けて来たところで上手玉を詰ますのが心地よい。今日はその場面を再掲しよう。
まずは2017年6月10日の渡部女流初段戦。A図は渡部女流初段が△6八竜と香を取った局面。下手の持駒は豊富なので、これは詰まさなければならない。
A図以下の指し手。▲8四桂△8二玉▲7二飛△同金▲同桂成△同玉▲8四桂△同歩▲8三銀△同玉▲8四馬△同玉▲7五金△8三玉▲8四香(A投了図)
まで、一公の勝ち。
桂馬はあると便利な駒で、どんなに持駒があっても、A図で桂馬がなければ全然詰まない。
本譜は意外と簡単な詰み。
B図は2017年12月9日の中村真梨花女流三段戦。▲7四桂の王手に△9二玉と逃げた局面である。
この前に「▲7三桂成△同銀上▲7四桂△9二玉」の4手が入っているのだが、この時点では上手玉に詰みがあるとは思わなかった。
どうも自陣に思わしい受けがなく、仕方なく詰ますことを考えたら、奇跡的な詰みが見えたのである。
B図以下の指し手。▲8三銀△同玉▲7二銀△同玉▲8二金△6一玉▲5一香成△同玉▲5二歩△同玉▲4二飛△5一玉▲5二歩(B投了図)
まで、一公の勝ち。
終局後、中村女流三段が「詰みがあったんですね」と放心したのが印象に残っている。大野教室の女流棋士指導対局会で、最も印象に残っている将棋である。
C図は2018年3月31日、飯野愛女流1級との一戦。まずは詰み手順をご覧いただく。
C図以下の指し手。△7二同玉▲6二香成△同玉▲6三銀△5三玉▲5四銀上(C投了図)
まで、一公の勝ち。
▲7二金は詰ましにいったのではない。△5二玉なら詰まなかったのだが、飯野女流1級はヒョイと△7二同玉と取ってしまった。以下は▲6五銀が働いて、詰みである。
指導対局では時間の関係で上手がほとんど考えないので、こういう事態はまま起こる。
なお飯野女流1級はこの翌日、女流初段に昇段した。
D図は2018年9月30日、山根ことみ女流初段との一戦。
D図以下の指し手。▲8三香成△同銀▲同馬△同玉▲7五桂△7二玉▲6三銀△同金▲8三銀△6二玉▲6三桂成△5一玉▲3一飛△4一香▲3三角(D投了図)
まで、一公の勝ち。
山根女流初段は先日の白瀧あゆみ杯で、加藤桃子女流三段を破って優勝した。YAMADA女流チャレンジ杯に続いての優勝である。
自分が勝たせていただいた先生が活躍するのは嬉しいものである。
E図は2019年4月27日、飯野女流初段との一戦。
E図以下の指し手。▲7一角△同金▲同銀不成△同玉▲6二金△8二玉▲7二金(E投了図)
まで、一公の勝ち。
これは平易な詰みだった。
F図は2019年8月10日、加藤女流三段との香落ち戦。元奨励会初段には、とても平手で太刀打ちできないと判断し、異例の駒落ち戦となった。
将棋は私がつねに非勢だったが、加藤女流三段の見落としもあって逆転した。
F図以下の指し手。▲7一銀△同玉▲6二竜△同玉▲5一角△7一玉▲6二金△8二玉▲7二金△同玉▲6四桂△同歩▲6二角成(F投了図)
まで、一公の勝ち。
別の詰まし方もあったが、本譜は加藤女流三段が「綺麗な詰みですね」とつぶやいてくれた。
やはり即詰みは気分がいい。その意味で、大きな後悔があるのが次の一局である。
2017年11月23日、憧れの室谷由紀女流二段に教えていただいた一局。終盤で私が優勢になったのだが決め手を欠き紛れた。しかし私が残していたようで、最後は私の玉に詰みがなく、室谷女流二段が投げてくれた。
しかし私は途中で大野八一雄七段から、「詰みがあるときは詰まさなきゃ」とつぶやかれていた。
G図で私は▲5二桂成△同玉▲2五角(王手竜)と指したが、緩手。ここは▲5四桂(G参考図)が好手で、綺麗に詰んでいた。
この手順で終わっていたら、室谷女流二段の私を見る目が変わったと思う。
ところが室谷女流二段はこの4ヶ月後電撃結婚し、名字も変えてしまった。谷口女流二段は私のファンランキングから消え、この将棋も意味がなくなってしまった。
以上、ここまで12局指して、私の8勝4敗(●○●●●○○○○○○○)である。求職中に白星が集まるとは、何の因果か。
現在も女流棋士の指導対局会は毎月続いており、素晴らしい。
そして22日(火・祝)は、大野教室で飯野女流初段の指導対局会がある。当日は家で即位の礼を拝見するつもりだったが、飯野女流初段の魅力のほうが優った。つまり参加させていただく。
当日はいい将棋を指したいと思う。