きのう6日(日)は新潟市にて、第47期棋王戦第3局が行われた。いつもながら、週末でのタイトル戦開催はありがたい。勝敗はここまで渡辺明棋王の2勝、永瀬拓矢王座の0勝。永瀬王座は必勝あるのみだ。
将棋は永瀬王座の先手で、角換わり腰掛け銀になった。
40手目、渡辺棋王がガッチャン、と△6五銀。永瀬王座は▲5五銀と躱し、曲線的な戦いになった。
そして64手目△3八銀(図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/6b/ae5b93d1f3d5df92ccb86495b030acab.png)
私たちレベルの戦いなら、これで後手優勢というところ。こうなるのがイヤだから、私たちはこの局面になるのを避けて、その前にゴチャゴチャやる。そして悪くなる。
しかしプロは違うのだ。実戦は▲4四銀△2九銀不成▲4三角となって、先手の攻めが筋に入った。
「両取り逃げるべからず」とはよく言ったもので、△3八銀に黙って▲4四銀が好手。後手は△2九銀不成と取るしかないが、この瞬間の銀がタコだ。後手は飛車を取っても銀を投資しているので、意外に得はしていない。ないものねだりをしても詮無いが、△3八Xは角がベストなのだ。
以下は永瀬王座が手堅くまとめ、1勝を返した。棋王戦で「○○●」という並びになったのは12度目だが、参考までに、その結果を記しておこう。
第4期 米長邦雄八段 ○○●●○ 加藤一二三棋王
第6期 米長邦雄九段 ○○●○ 中原誠棋王
第13期 谷川浩司王位 ○○持●●○ 高橋道雄棋王
第14期 谷川浩司棋王 ○○●●● 南芳一王将
第16期 羽生善治前竜王 ○○●○ 南芳一棋王
第23期 羽生善治棋王 ○○●○ 郷田真隆六段
第26期 羽生善治棋王 ○○●○ 久保利明六段
第28期 羽生善治棋王 ○○●●● 丸山忠久九段
第31期 森内俊之名人 ○○●○ 羽生善治棋王
第34期 久保利明八段 ○○●●○ 佐藤康光棋王
第44期 渡辺明棋王 ○○●○ 広瀬章人竜王
第48期 渡辺明棋王 ○○●? 永瀬拓矢王座
過去11回のうち、2勝側が勝ったのが6回、1勝側が勝ったのが5回(第14期は、第3局の持将棋を1局と数えないで集計している)。
そして最終局は、先に2勝した側が勝ったのが3回、後に2勝した側が勝ったのが2回である。つまり、2連勝3連敗(2連敗3連勝)は2回あったということだ。
さすがに短期決戦の五番勝負である。1勝1敗から2勝目を挙げると「突き放した」感じがするが、2勝0敗から1勝を返されると、もう追いつかれた気分になる。第4局以降の勝敗はほぼ五分だ。渡辺棋王も、イヤな流れになったと思っているだろう。
第4局は20日(日)。好勝負を期待したい。
将棋は永瀬王座の先手で、角換わり腰掛け銀になった。
40手目、渡辺棋王がガッチャン、と△6五銀。永瀬王座は▲5五銀と躱し、曲線的な戦いになった。
そして64手目△3八銀(図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/6b/ae5b93d1f3d5df92ccb86495b030acab.png)
私たちレベルの戦いなら、これで後手優勢というところ。こうなるのがイヤだから、私たちはこの局面になるのを避けて、その前にゴチャゴチャやる。そして悪くなる。
しかしプロは違うのだ。実戦は▲4四銀△2九銀不成▲4三角となって、先手の攻めが筋に入った。
「両取り逃げるべからず」とはよく言ったもので、△3八銀に黙って▲4四銀が好手。後手は△2九銀不成と取るしかないが、この瞬間の銀がタコだ。後手は飛車を取っても銀を投資しているので、意外に得はしていない。ないものねだりをしても詮無いが、△3八Xは角がベストなのだ。
以下は永瀬王座が手堅くまとめ、1勝を返した。棋王戦で「○○●」という並びになったのは12度目だが、参考までに、その結果を記しておこう。
第4期 米長邦雄八段 ○○●●○ 加藤一二三棋王
第6期 米長邦雄九段 ○○●○ 中原誠棋王
第13期 谷川浩司王位 ○○持●●○ 高橋道雄棋王
第14期 谷川浩司棋王 ○○●●● 南芳一王将
第16期 羽生善治前竜王 ○○●○ 南芳一棋王
第23期 羽生善治棋王 ○○●○ 郷田真隆六段
第26期 羽生善治棋王 ○○●○ 久保利明六段
第28期 羽生善治棋王 ○○●●● 丸山忠久九段
第31期 森内俊之名人 ○○●○ 羽生善治棋王
第34期 久保利明八段 ○○●●○ 佐藤康光棋王
第44期 渡辺明棋王 ○○●○ 広瀬章人竜王
第48期 渡辺明棋王 ○○●? 永瀬拓矢王座
過去11回のうち、2勝側が勝ったのが6回、1勝側が勝ったのが5回(第14期は、第3局の持将棋を1局と数えないで集計している)。
そして最終局は、先に2勝した側が勝ったのが3回、後に2勝した側が勝ったのが2回である。つまり、2連勝3連敗(2連敗3連勝)は2回あったということだ。
さすがに短期決戦の五番勝負である。1勝1敗から2勝目を挙げると「突き放した」感じがするが、2勝0敗から1勝を返されると、もう追いつかれた気分になる。第4局以降の勝敗はほぼ五分だ。渡辺棋王も、イヤな流れになったと思っているだろう。
第4局は20日(日)。好勝負を期待したい。