一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

落胆した話

2022-03-16 23:35:38 | プライベート
拙宅の庭の桃の木が数年前に疫病に罹り、瀕死の重体であることは以前述べた。
当時は、オフクロが枝を伐採しすぎて幹が弱ったものと考えていたが、枝の枯れ方を見ると、それだけでは説明できない。むろん伐採も原因のひとつだろうが、何かの疫病に罹ったとみるのが自然だ。
未婚で子供のいない私は、桃の成長が生活のハリのひとつだった。だが桃の木が重体になってからは、桃に目をやることがなくなった。枯れた枝を見るのが辛いからである。
だがこの前たまたま、ヒョイと桃の木に目をやると、わずかに残っていた健康な部分に新たな枝が生え、その節々に花のつぼみが視認できた。
私は樹木の生命力に感動し、すこぶる幸せな気分になったのである。それからは、毎日が楽しかった気がする。いま思えば。
ところが今日、家を出る時にあらためて枝を見ると、花のつぼみはことごとく黒ずみ、枯れていることが確認できた。
何のことはない、昨年以上に、枯れた範囲が広がっただけだった。
そして今日一日は、気分がどんよりしていた。それまでは桃の木が生き返ったとうれしい気分だっただけに、よけい落ち込んだ。道行く人に、綺麗な桃の花をお店でできなくなったのが口惜しい。夏になって、桃の実の香りをお届けできなくなったのが無念だ。
なんだか、本当に生きる張りあいがなくなってしまった。気力、体力、どちらも大事だが、気力の減退はすべてのヤル気をなくす。生き甲斐のない未婚者の平均寿命が短いのも、分かる気がする。もう、どうでもいいという感じである。
私は四季の中で、桃の花が咲く、春がいちばん好きだった。
しかしここ数年は、春がいちばん嫌いである。
コメント (2)
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