一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「Number 1044」を読む

2022-06-14 23:33:05 | 将棋雑記
9日、必要に迫られ、東京駅前の丸善に行った。将棋コーナーに行くと、「読む将棋2022」「Number 1044」が平積みされており、迷ったがどちらも購入した。
「Number」は、昨年秋の「将棋ペンクラブ大賞贈呈式」リモート放送のとき、編集部氏が「将棋はスポーツです」の名言を放ったものだ。そのとき、将棋の最新特集号を2022年春ごろに発行するとも語っていた。あれはどうなったのだろう。
「1044号」は「藤井聡太と最強の一手」だ。私の場合、というか大抵の人がそうだと思うのだが、面白そうな記事から読んでいく。
1044号は、渡辺明名人の「負けていたら、今の自分はない。」が出色だった。2008年12月17・18日に指された第21期竜王戦第7局のことで、渡辺竜王は羽生善治名人に勝ち、3連敗4連勝で、初代永世竜王に輝いた。これを負けていたら、棋士人生が変わっていたかも……というわけだ。
これは私もそう思う。この勝敗が入れ替わっていたら、渡辺名人はもちろん羽生九段も、棋士人生が何度か変わったと思う。ことに羽生九段においては、とっくにタイトル100期を達成していただろう。
ほかは、西山朋佳女流二冠の写真もよい。Numberはその判型から、機内誌を読んでいる気分にもなるが、とにかく写真が美しい。
むろん「将棋世界」での写真もいいが、対局姿に限られるのがやや難点だ。Numberはその点、「棋士」というより、「人間」を撮っている気がする。
そういえば、大野教室の某氏が西山女流二冠のファンだった。当時私は室谷由紀一本だったから同意はしかねたが、確かに西山女流二冠には、ゾクッとくる妖しい魅力がある。いまとなっては、某氏の慧眼に脱帽するのである。
中面は大山康晴十五世名人の記事だ。1992年3月9日、第50期順位戦A級プレーオフ・大山十五世名人VS高橋道雄九段の一戦が行われたが、これを当の高橋九段が振り返る。
この将棋、大山十五世名人が詰め上がりの局面まで指して投了したことで有名だが、世間的には「必勝の将棋を負けにし、悔しくて投げ切れなかった」が定説になっている。事実私もその見解で、その投書が「将棋マガジン」に載ったものだ。
だが高橋九段は、「(詰み上がってしまったのは、大山十五世名人の)うっかりだったんです」と述べた。これは貴重な新証言と思う。
なお、このページは白黒反転の文字が使われていたが、「▲△」の表記がそれぞれ「▲△」だった。つまり反転されておらず、その瑕疵だけが残念だった。
ところで、このNumberは、いつの発行なのだろう。よく見たら、2月3日号だった。ああ、これが2022年春の特集号だったのだ。
雑誌は長期販売をしないが、将棋特集号につき大量増刷を行い、将棋コーナーに陳列したと思われる。次回の将棋特集号も期待したい。
コメント
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