きょうビックリした将棋ニュースは、渡辺明名人のコロナ罹患ではなく、千田翔太七段の反則負けだった。きょうはB級1組順位戦の10回戦があったが、その千田七段VS近藤誠也七段戦で、後手の千田七段が初手を先に指し、即負けになったというのだ。
この反則はむかし某棋士がやったことがあるし、女流棋界も同様のケースがあったと記憶する。
AI同士の対局では絶対に起こり得ず、人間同士の対局だから起こった……とは簡単には片づけられない。人間同士の対局だって、まず起こらない。それがきょう、起こってしまった。しかもその当事者が、AI将棋の申し子のような千田七段だから、余計驚いた。
たとえば、初手から長考をする棋士がいる―我が心の師・真部一男九段は初手から熟考することが多かった―。長考をいぶかる後手番の棋士が、「オレが先手か?」と先に指すことはあるかもしれない。
が、千田七段は「この対局が先手だと思っていて、事前に研究してきた」と吐露したらしい。
それじゃあしょうがないが、対局開始時は、記録係が「○○七段の先手でお願いします」とか言わないのだろうか。先後が決まっている将棋では、あえて言わないのだろうか。
まあ私たちレベルの将棋では、先後を間違えても「ごめん」でやり直しが利くが、「公式戦」ではそうはいかない。それはたとえば社団戦である。この公式ルールは、着手して手を離しても、チェスクロックを押していなければ指し手を完了していない……だったかどうかは忘れたが、そんなトラブルを防ぐために、私は先後の確認はしっかりする。それがプロの千田七段にどうしてできなかったのだろう。
今回の対局、主催者も両対局者も後味が悪く、いちばん得をしたのは、お手当が1局ぶん出る、記録係だったのではあるまいか。
千田七段にはまことに痛い敗戦だったが、私たちは千田七段の新たな面を見ることができ、いままで以上に応援したくなった。きょうの反則負けが、笑い話に昇華することを願う。
この反則はむかし某棋士がやったことがあるし、女流棋界も同様のケースがあったと記憶する。
AI同士の対局では絶対に起こり得ず、人間同士の対局だから起こった……とは簡単には片づけられない。人間同士の対局だって、まず起こらない。それがきょう、起こってしまった。しかもその当事者が、AI将棋の申し子のような千田七段だから、余計驚いた。
たとえば、初手から長考をする棋士がいる―我が心の師・真部一男九段は初手から熟考することが多かった―。長考をいぶかる後手番の棋士が、「オレが先手か?」と先に指すことはあるかもしれない。
が、千田七段は「この対局が先手だと思っていて、事前に研究してきた」と吐露したらしい。
それじゃあしょうがないが、対局開始時は、記録係が「○○七段の先手でお願いします」とか言わないのだろうか。先後が決まっている将棋では、あえて言わないのだろうか。
まあ私たちレベルの将棋では、先後を間違えても「ごめん」でやり直しが利くが、「公式戦」ではそうはいかない。それはたとえば社団戦である。この公式ルールは、着手して手を離しても、チェスクロックを押していなければ指し手を完了していない……だったかどうかは忘れたが、そんなトラブルを防ぐために、私は先後の確認はしっかりする。それがプロの千田七段にどうしてできなかったのだろう。
今回の対局、主催者も両対局者も後味が悪く、いちばん得をしたのは、お手当が1局ぶん出る、記録係だったのではあるまいか。
千田七段にはまことに痛い敗戦だったが、私たちは千田七段の新たな面を見ることができ、いままで以上に応援したくなった。きょうの反則負けが、笑い話に昇華することを願う。