一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第3期白玲戦第5局

2023-10-15 22:07:42 | 女流棋戦
里見香奈白玲に西山朋佳女流三冠が挑戦する第3期白玲戦第5局は14日、京都市で行われた。
ここまで西山女流三冠の3勝1敗。第5局で勝てば大差で奪取だが、負けると3勝2敗で、シーソーゲームの星になる。カド番の里見白玲はもちろん、優位の西山女流三冠にも、そこまで余裕はないのだった。
将棋は西山女流三冠の初手三間飛車でスタート。同じ先手番の第1局、第3局と同じで、もはやこれしかない、という感じである。対して里見白玲も三間飛車に振る。第1局は向かい飛車、第3局は三間飛車で応じたが、やはり里見白玲は振り飛車がよく似合う。
里見白玲は金無双でガッチリと玉を囲う。対して西山女流三冠は、美濃囲いに組みそうだが、いったん突いた3筋の歩をひとつ低く謝らされて、これは面白くなかったのではないか。
さらに数手進んで西山女流三冠は右矢倉を構築したが、肝心の玉がまだ4八である。プロ的にはどうか知らぬが、これだと当たりがキツいのではないか。西山女流三冠はいつもこの中途半端な囲いで敗れている気がするが、どうなのだろう。
数手進んで、西山女流三冠は7筋に底歩を打つ。私には一生かかっても浮かばない手だが、こんなところに歩を打って、幸せになった人はいないと思う。
そこから数手進んだが、先手陣はバラバラで、とてもまとめきれない。ここは里見白玲、自身が最善手を続ければ勝ち切れると確信しただろう。
西山女流三冠、飛車角交換ののち、その角で飛銀両取り。そこで里見白玲が、当たりの銀をグイッと出たのが味わい深い手だった。格言に「両取り逃げるべからず」があるが、逃げるのがいいこともあるのだ。
西山女流三冠はこの銀を取るしかないが、里見白玲は結果的に飛車銀を捌き、西山女流三冠の攻めを不発に終わらせた。これは里見白玲、優勢である。
以下も里見白玲は西山女流三冠の攻めに的確に応じ、勝勢を築いた。以下、西山玉を即詰みに討ち取り、勝ち。
5局終わって、第6局は負けている里見白玲が先手だから、七番勝負としては、これ以上ない展開である。ちょっと気になるのが西山女流三冠の負け方で、西山女流三冠は負けのとき、「惨敗」が多い気がするのだが、気のせいだろうか。
まあここまで来たら、調子どうこうは関係ないだろう。第6局は21日(土)、秋の札幌である。
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