さて、第36期竜王戦第2局である。11日の王座戦第4局では藤井聡太竜王が歴史的大逆転を演じ、夢の八冠王を達成した。藤井竜王としては、これで八冠協奏曲の煩わしさから解放され、竜王戦に専念ことが大きいと思う。
第1局は藤井竜王の快勝で、挑戦者の伊藤匠七段はもう後がない。第2局は必勝あるのみである。
将棋は藤井竜王の先手で、角換わりになった。最近は相掛かりが多かった気がするので、角換わりが新鮮に映る。
藤井竜王、伊藤七段とも白の羽織で、すがすがしい。伊藤七段はタイトル戦初登場だから分かるが、藤井竜王も八冠王になって、ここからまっさらな気持ちで戦う、の意思表示かもしれない。
と、伊藤七段が右金を斜めに上がった。令和のこんにちではまっすぐ立つのが定跡だ。
すると、藤井竜王までが右金を斜めに上がった。
その後伊藤七段は右金を寄り、飛車を引く例の形にした。AIの研究によると、角換わりは1000いくつのパターンに分類され、先手必勝だという。藤井竜王は「全部覚えられない」と苦笑していたらしいが、自分が旧式、相手が「令和形」の場合、形勢はどう映っているのだろう。
しかも藤井竜王は、その形のまま仕掛ける。最近の仕掛けは単騎の桂跳ねとかもあるが、今回は結果的に、歩をいくつか好き捨てた。
この日のABEMAの大盤解説の聞き手は中倉宏美女流二段。LPSAでは渡部愛女流三段が聞き手を務めたことはあるが、それ以外のLPSA女流棋士は記憶にない。もはや女流棋士の所属先に神経を尖らせる時代ではないのかもしれないが、LPSAファンの私としては、スポンサーの英断に頭を下げるのみである。
以下、お互いに桂頭を攻め合う。形勢は微差ながら先手よしで、ちょっと意外だった。だが、人間的にはまったくの互角だろう。
さらに意外なのは、長考派の藤井竜王が持ち時間を必要以上に使わず、むしろ伊藤七段が多く使っていることだ。
だが、藤井竜王は1時間38分の大長考をし、結局はいい勝負になった。
そして封じ手となった。前局では伊藤七段が大方の予想を裏切り意表の手を指したが、あまりよくなかった。
本局は、藤井竜王に▲3六金とされてはまずいから、桂を取る一手だろう。それには藤井竜王もと金を取り返す一手だから、実質はお互い、その次の手を考えることになる。
(つづく)
第1局は藤井竜王の快勝で、挑戦者の伊藤匠七段はもう後がない。第2局は必勝あるのみである。
将棋は藤井竜王の先手で、角換わりになった。最近は相掛かりが多かった気がするので、角換わりが新鮮に映る。
藤井竜王、伊藤七段とも白の羽織で、すがすがしい。伊藤七段はタイトル戦初登場だから分かるが、藤井竜王も八冠王になって、ここからまっさらな気持ちで戦う、の意思表示かもしれない。
と、伊藤七段が右金を斜めに上がった。令和のこんにちではまっすぐ立つのが定跡だ。
すると、藤井竜王までが右金を斜めに上がった。
その後伊藤七段は右金を寄り、飛車を引く例の形にした。AIの研究によると、角換わりは1000いくつのパターンに分類され、先手必勝だという。藤井竜王は「全部覚えられない」と苦笑していたらしいが、自分が旧式、相手が「令和形」の場合、形勢はどう映っているのだろう。
しかも藤井竜王は、その形のまま仕掛ける。最近の仕掛けは単騎の桂跳ねとかもあるが、今回は結果的に、歩をいくつか好き捨てた。
この日のABEMAの大盤解説の聞き手は中倉宏美女流二段。LPSAでは渡部愛女流三段が聞き手を務めたことはあるが、それ以外のLPSA女流棋士は記憶にない。もはや女流棋士の所属先に神経を尖らせる時代ではないのかもしれないが、LPSAファンの私としては、スポンサーの英断に頭を下げるのみである。
以下、お互いに桂頭を攻め合う。形勢は微差ながら先手よしで、ちょっと意外だった。だが、人間的にはまったくの互角だろう。
さらに意外なのは、長考派の藤井竜王が持ち時間を必要以上に使わず、むしろ伊藤七段が多く使っていることだ。
だが、藤井竜王は1時間38分の大長考をし、結局はいい勝負になった。
そして封じ手となった。前局では伊藤七段が大方の予想を裏切り意表の手を指したが、あまりよくなかった。
本局は、藤井竜王に▲3六金とされてはまずいから、桂を取る一手だろう。それには藤井竜王もと金を取り返す一手だから、実質はお互い、その次の手を考えることになる。
(つづく)