一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

社団戦2023最終日・4

2023-10-29 00:08:51 | 社団戦

第4図以下の指し手。△8六歩▲6六角△8七歩成▲8二飛△7七と▲同角△9三桂▲4七金△8五飛▲同飛成△同桂▲6六角(第5図)

右では早々に決着がつき、将棋ペンクラブ側が勝ち名乗り。私はずいぶん気がラクになった。
私は指す手が分からず、△8六歩。どう応じられても先手が悪いが、私自身、この応手が分からなかった。
先手氏は▲6六角と引いたが私は歩を成り、結果的に桂得となった。
さらに△9三桂が、我ながら冷静だった。そこで先手氏は▲4六の歩を持ったが、▲4七金と上がった。これは美濃囲いが固くなったとは思えず、ありがたかった。そこで私の△8五飛が連続の冷静手で、▲同飛成△同桂と、桂得を保ったまま先手が取れては、思ったほど悪くないのかと思った。
よって▲4七金では、▲8一飛成がよかった。これに△8五飛なら▲9一竜で、先手有利が続いたと思う。

第5図以下の指し手。△8七飛▲5八銀△7七桂成▲4五歩△7六成桂▲5七角△4五歩▲2六歩△4二角▲2五歩△同歩▲2四歩△2二玉▲1七桂(第6図)

私は△8七飛と打った。これには▲7八銀がイヤだが△8六飛成で、▲8七歩にも△7六竜があるので、この飛車は死なない。
よって先手氏は▲5八銀だが、私は△7七桂成とし、いくらなんでも私のほうがいいと思った。
▲4五歩には△7六成桂が幸便で、歩切れを解消して一石二鳥だ。▲5七角にはじっと△4五歩とする。さっきからバカにうまく展開している。
しかし▲2六歩が油断ならない手で、さすがにイヤなところを突いてきた。
私は△4二角と応接した。ここでの折衝を収めれば、私が優勢になる。
先手氏は▲1七桂と跳んだが、これは▲2五桂と跳ばれても脅威ではない。私は狙いの手を指した。

第6図以下の指し手。△6六歩▲2五桂△6七歩成▲同銀△同成桂▲7九角△6八歩▲6四歩△同銀▲7一飛△2四角▲9七角△8六歩▲9一飛成(第7図)

△6六歩の垂らしで優勢になったと思った。4手後銀得を果たし、数手後の▲7九角に△6八歩。これで先手の角が半分死んだ。
先手氏の▲6四歩~▲7一飛は懸命の手作りだが、私は△2四角と目障りな歩を取り、万全を期す。
▲9七角に△8六歩も、△6八歩からの継承だ。

第7図以下の指し手。△2六歩▲6一竜△5三銀▲6四歩△3五桂▲4八金引△2七銀▲1七玉△5七成桂▲6三歩成△4八成桂▲同金(第8図)

ころはよしと、△2六歩。しかしここは緩んだ。△2七歩と叩き、▲同銀△3五桂で急攻すべきだった。
▲6四歩に△6二歩は二歩で負ける。いまは反則だけ気をつければよい。私はスピード勝ちを狙い、△3五桂と増強した。
△2七銀に▲3九玉は、△9七飛成▲同香△2八角以下詰み。後手は9七角が質駒になっているのが心強い。
▲4八同金に次の手は。

第8図以下の指し手。△9七飛成▲同香△3九角▲2六玉△4八角成▲5三と△3六金▲1七玉△2六金打(投了図)
まで、一公の勝ち。

やはり△9七飛成があった。以下△4八角成まで、後手必勝である。以下、勝ち切った。
感想戦では、第4図から△8六歩への応接をやった。こちらはどう応じられても悪いと思っているから、気がラクである。▲8三飛でもいいし、▲8八歩でもいい。また▲6六角△8七歩成に▲8五桂と跳んでも、先手が十分だったようだ。
「形勢がよくなってふるえました。何をやってるんだか」
と先手氏。私は僥倖の勝利だった。

ほっとしてほかの対局を回ると、アントン氏が勝ち、私と合わせて3勝。しかしほかの将棋はいずれも悪い。山野氏が敗れ、3勝1敗。
ちょっと気になるのが、打ち上げ場所だ。店は浅草駅前の「つぼ八」だとは思うのだが、予約係のA氏が来ていない。そこで、Akuさんにお願いした。
将棋は阿部氏、藤原息子君が敗れ、3勝3敗になった。
お、ここでA氏が来た。私も苦しい生活をしている毎日で、A氏と屈託のないおしゃべりをするのが癒しとなっているのだ。
「大沢さん、例のもの持ってきましたよ」
「おお」
「店でお渡しします」

さあ残る一局は山本氏だ。苦しい将棋だったが遊び駒をうまく活用し、いまは優勢になっている。最後は勝ち切り、チーム4勝3敗となった。
私は近くにいるアントン氏、バルク氏と握手をする。しかしどうも、様子がおかしい。
あらためて勝敗を確認すると、勝ったのは私、アントン氏、山本氏の3名だけだった。そうだ、木村晋介会長も負けていたんだ。あれ!? あ、そうか! 最初に勝った人と、アントン氏が同一人物だったのだ。何を私は勘違いしているのだ!
結局今年の将棋ペンクラブは、10勝5敗で終了。16チーム中5位は、大健闘といえる。来年も7部だが、6部にもう1チームできた場合、調整で将棋ペンクラブが編入される。
私個人は、第1日目2-2、第3日目1-1、最終日2-0の、5勝3敗。可もなく不可もない戦績だが、1日目、六郷の青空1戦で、私が敗れて3-4で負けたのが悔やまれる。
△6五銀のブッツケが大悪手で、▲7七銀と引かれて万事休した。自戒のため、その局面を再掲しておく。

ぼーっとしていたら、大野教室の生徒さんらに呼ばれた。見覚えのある若奥様に挨拶された。しかし、どなたの母親だったか。
「ほら、T君」
と誰かが言う。彼は見覚えがないが、彼が成長しすぎたらしい。
その彼が将棋が強いというので、「じゃあこれからどうするの? 奨励会に入る? アマ名人を目指す?」と言ったが、若干話が噛み合わなかった。あとで考えたら、彼は元奨励会のT君だった。大野教室にはだいぶご無沙汰しているので、記憶がほとんど失せてしまった。
最終日は片付けの当番だったので、みんなで頑張る。でも、準備のときより数倍大変だった。
すべて片付けが終わり、ようやく打ち上げとなる。Akuさんはつぼ八に午後5時入店の予約をしたが、20分くらい遅れてしまった。しかしこっちは客だからいいのである。
店に入ると木村会長とA氏が先乗りしていて、もうここが将棋バカというか、将棋を指していた。
私はA氏の右に座る。と、A氏が紙袋を取り出し、私に寄越した。
「これ、さっき言った大沢さんへのプレゼントです」
(つづく)
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