一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

熊坂五段の順位戦復帰の目を考える・9

2014-12-26 12:35:58 | 目を考える
きのうの王位戦・熊坂学五段対佐々木勇気五段は、佐々木五段の勝ち。熊坂五段はクリスマス決戦を勝利で飾れなかった。
下馬評では熊坂五段の不利。それでも一縷の望みをかけたが、叶わなかった。この負けはあまりにも痛く、私は呆けてしまったのである。
今回の連戦は1勝1敗。この時期の指し分けは「後退」に等しいが、今それをいっても詮ない。とりあえず、ここまでの戦績を確認しておこう。

・2013年度
2月25日 ○…NHK杯予選1回戦 北島忠雄六段
2月25日 ○…NHK杯予選2回戦 窪田義行六段
2月25日 ○…NHK杯予選決勝 村山慈明六段
・2014年度
4月10日 ○…王将戦一次予選1回戦 土佐浩司七段
5月21日 ●…王将戦一次予選2回戦 戸辺誠六段
5月22日 ●…竜王ランキング戦5組残留決定戦 川上猛六段
8月3日放送 ○…NHK杯本戦1回戦 香川愛生女流王将
8月13日 ●…棋聖戦一次予選1回戦 瀬川晶司五段
8月14日 ○…銀河戦予選1回戦 伊藤能六段
8月14日 ●…銀河戦予選決勝 北島忠雄六段
9月3日 ○…朝日杯一次予選1回戦 上野裕和五段
9月3日 ○…朝日杯一次予選2回戦 島朗九段
9月4日 ○…王座戦一次予選1回戦 渡辺大夢四段
10月7日 ○…王座戦一次予選2回戦 宮田利男七段
10月9日 ○…朝日杯一次予選 3回戦 大島映二七段
10月16日 ○…王位戦予選1回戦 藤森哲也四段
10月20日 ●…NHK杯本戦2回戦 畠山鎮七段
10月22日 ○…王位戦予選2回戦 森内俊之竜王
11月19日 ●…朝日杯一次予選決勝 塚田泰明九段
11月20日 ○…王座戦一次予選3回戦 千葉幸生六段
12月3日 ○…王位戦予選3回戦 佐藤慎一四段
12月4日 ●…棋王戦予選1回戦 藤倉勇樹五段
12月24日 ○…王座戦一次予選4回戦 堀口一史座七段
12月25日 ●…王位戦予選4回戦 佐々木勇気五段

以上、本年度は13勝8敗。昨年度からの良いところ取りで16勝8敗。
続いて、今年度の残り対局予定を記そう。

第63期王座戦一次予選決勝 三枚堂達也四段
第65期王将戦一次予選1回戦 中田宏樹八段
第28期竜王ランキング戦6組2回戦 伊藤能六段or渡辺大夢四段
第65回NHK杯将棋トーナメント予選

続いて、順位戦復帰のおもな規定を記しておこう。

1.年度に「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、勝率6割以上。
2.良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上。
3.年度対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。

1.は、計算すると「17勝11敗(.607)」などとなる。よって来年3月末日までに「あと4勝3敗で終了する」ことが絶対である。「4勝4敗」では勝率6割を切るのでダメだ。
2.は「20勝10敗」「21勝11敗」など。このあとを「4勝2敗」「5勝3敗」で乗り切る必要がある。
3.は、計算すると30局以上となるので、今年度中にあと9局指す必要がある。

今回の王位戦の敗退により、熊坂五段の残りの敗退数は「最大5」になった。
これを踏まえて整理すると、以下のパターンが考えられる。
・以後6局を4勝2敗→「2」をクリア。
・4勝3敗で今年度を終了→「1」をクリア。
・4勝4敗で今年度を終了→引退。
・以後8局を5勝3敗→「2」をクリア。
・4勝5敗で今年度を終了→「3」をクリア。
・5勝4敗で今年度を終了→「1」「3」をクリア。

いずれにしても、「あと4つは絶対に勝たなければならない」。残りの対戦相手を考えるとこれでも困難だが、今年度当初の蜘蛛の糸のごとき細さから、現在はタコ糸の太さのごとき可能性になったのだ。これだけを取っても、大健闘である。
とにかく、泣いても笑っても、年明けの3か月ですべてが決まる。私は何もできないけれど、ひたすら熊坂五段の勝利を祈ります。
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熊坂五段の順位戦復帰の目を考える・8

2014-12-25 12:43:37 | 目を考える
熊坂学五段は、24日と25日に連戦で対局が組まれた。24日は王座戦で対堀口一史座七段、25日は王位戦で対佐々木勇気五段である。
持ち時間は王座戦が5時間、王位戦が4時間。前回もそうだったが、長時間対局でなぜ連戦にするのかよく分からない。せめて中1日空かないものだろうか。
いずれにしても、クリスマスの慌ただしい時期に対局が組まれるのは、棋士冥利に尽きるともいえる。熊坂五段、ここが最後の正念場である。
24 日の結果に注目したが、スマホで確認するも、日本将棋連盟のサイトは一向に更新がない。ネットではすでに話題が出ていて、熊坂五段の勝ちであった!! しかしスマホでは現在も更新がなく、スマホは繋がりにくいのかもしれない。
それはともかく、第一関門を突破し、とりあえずホッとした。
ではここで、戦績を確認しておこう。

・今年度成績 ○●●○●○●○○○○○○●○●○○●○ 13勝7敗
・昨年度からの成績 2013年度……○○○ 2014年度○●●○●○●○○○○○○●○●○○●○ 良いところ取りで16勝7敗

続いて、今年度の残り対局予定を記そう。

第56期王位戦予選4回戦 佐々木勇気五段(本日対局)
第63期王座戦一次予選決勝 三枚堂達也四段
第28期竜王ランキング戦6組2回戦 伊藤能六段or渡辺大夢四段
第65期王将戦一次予選
第65回NHK杯将棋トーナメント予選

続いて、順位戦復帰のおもな規定を記しておこう。
1.年度に「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、勝率6割以上。
2.良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上。
3.年度対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。

1.は、計算すると「17勝11敗(.607)」となる。よって来年3月末日までに「あと4勝4敗で終了する」ことが絶対である。「4勝5敗」では勝率6割を切るのでダメだ。
2.は「20勝10敗」など。よって「あと4勝3敗」で乗り切ることが必要である。
3.は、計算すると30局以上となるので、今年度中にあと10局指す必要がある。

さて、現在熊坂五段は、王位戦で佐々木五段と対局中である。この対局はかなり重要で、これに勝てば次はリーグ入りの一番で、反対側の山では真田圭一七段が待っている。てっきり丸山忠久九段が出てくると思ったので、これはうれしい?誤算である。
もしリーグに入れば、年度末までに2局は対局が保証される。これがとてつもなく大きいのである。「対局数30」に勝率は関係ないので、うまくいけば「16勝14敗」ぐらいの星でも、規定がクリアできる。
佐々木五段も強敵ではあるが、森内九段を破った熊坂五段である。何も恐れることはない。精一杯戦ってほしいと思う。
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今年最後の大野・植山教室(中編)

2014-12-24 00:08:43 | 大野・植山教室
E氏との飛車落ち戦。初手より△3四歩▲7六歩△4四歩▲4六歩△3二金▲4八飛△4二銀▲3八銀△4三銀▲4七銀△5四歩▲5六銀△6二玉▲4五歩△同歩▲2二角成△同金と進み、上手がヤバイことになった。
しかしここでE氏の指し手は▲3一角。以下△3二金▲8六角成△3三桂と進み、上手は危機を脱した。上手は馬を作られたが、遊び金を寄り1歩ドクをして、4五の位を確保した。これがとてつもなく大きいのである。馬の威力など物の数ではなく、大袈裟にいえば、これで勝利を確信した。
▲3一角では、俗に▲4五銀と出て下手勝勢。これで上手は指しようがなかった。
本譜は私が巧妙にごまかし、制勝した。
次局まで間があるので、ほうぼうを見て回る。Kaz氏は奨励会M君の胸を借りている。相懸かり系の手将棋になっていた。
私は大野八一雄七段に教えていただくことになったが、角落ち戦で△5四歩▲7六歩△6二銀▲2六歩と進んだところで、3時休みになった。
きょうは人が多いので、表へ新鮮な空気を吸いに行きたいが、その余裕がなかった。
3時休みが終わったが、後の人の都合で、植山悦行七段に教えていただくことになった。ここはHon氏が飛車落ちで教わっていたが、私やHanaちゃんなど「濃いキャラ」が加わって、植山七段も苦笑いというところ。
手合いは植山七段の希望?で、平手戦になった。
私は三間飛車に振る。植山七段は△5四銀と腰掛けてから、穴熊に組んだ。「腰掛け銀+穴熊」は、小堀清一九段が理想とするものだった。
左のHanaちゃんは、いま勉強中の戦法があるということで、石田流三間飛車に組んだ。ゴキゲン中飛車と同じく攻める振り飛車ではあるが、徐々にレパートリーを増やせば、勝率も上がってくるだろう。
私は▲7五歩と突いたが、工夫になっていない。△7四歩▲同歩△7二飛が当然ながら機敏で、以下どう読んでも振り飛車がわるい。
私は勝手にせいと▲4七金と上がったが、△7四飛に▲7六歩と謝るようでは冴えなかった。先日のあきちゃんではないが、ここで▲7六歩と打つくらいなら、最初から▲7五歩と突くなということである。▲4七金では▲7八飛ぐらいが相場だったろうが、それでも振り飛車に苦労が多い将棋だ。
本譜は居飛車にいいように捌かれ、△7六歩と桂取りに打たれたところで、戦意喪失で投了した。
プロ棋士と平手戦は、私に力が及ばず、程遠いという感じである。
後方では、奨励会のM君とKaz氏が指している。相居飛車の手将棋で、玄人好みだ。
4局目は、大野七段戦に戻る。先日のOg氏の教えを受け、今回は矢倉を目指した。上手かは△7四金から△6五歩~△5五歩と立て続けに歩交換に来るが、私も▲7五歩から▲7六銀と銀立ち矢倉に出て、反抗する。
Shin氏も指導を受けているが、Shin氏が飛車を成りこみ、圧倒的優勢だ。しかも手合いを見ると、どうも平手のようである。これはどういうことなのだろう。
こちらの局面。△4六歩に▲4八歩と凹まされたのは失点だが、私は△8五の歩を取り、△8六歩の垂らしも取り切り、歩得でまずまずだと思っていた。

以下の指し手。▲5五歩△同銀▲同銀△同金▲5六歩△6六歩▲5五歩△6七歩成▲同玉△5六歩▲同玉△4四銀▲7四歩△5四歩▲2一銀△3三玉▲3二金△同飛▲同銀成△同玉
▲3一飛△2二玉▲8一飛成△3二金▲2四歩△同歩▲2三歩△3三玉▲6七玉△5五銀▲7八玉△6六金▲6七銀△7六銀▲同銀△同金▲3一角成△8七銀
まで、大野七段の勝ち。

私は▲5五歩から決戦に出る。以下金銀を捌いたが△5六歩で玉を引っ張り出されては面白くなかった。
私は▲7四歩で角道を通す。上手はビビってくれるだろうと思ったら、△5三歩ではなく△5四歩。私はありがたく▲2一銀と放ち、たちまち勝負になった。
しかし、▲3一飛の次の▲8一飛成がトロかった。もちろん▲3一竜を見せたわけだが、△3二金とガッチリ受けられては、下手の劣勢がハッキリしてしまった。
感想戦では出なかったが、▲8一飛成では▲2四歩と合わせるのだった。
これにA△3二銀は▲2三歩成△同銀▲2一飛成で寄り。したがってB△2四同歩だが、▲2三歩△同玉▲2一飛成△2二銀▲3一角成で、上手の受けが見えない。
▲2四歩は見えていたのだが、それほど厳しいとは思わなかった。このくらいはしっかり読み切らないとダメである。
感想戦では、▲5五歩からの決戦を疑問視された。
「せっかくガッチリ位を取っているのに、自らそれを崩す手を指してはダメですよ」
代わる手として、▲5八金から▲4七歩、あるいは▲7四歩~▲5五歩~▲6四歩を組み合わせた、上から押しつぶす手を推奨された。
なるほどこれが位取りの極意か。目からウロコが落ちて、大いに参考になった。
この対局中、和田あき女流初段が見えた。きょうはほかにMinamiちゃんも来たが、現役女子高生の来訪は、座がパッと明るくなる。
その和田女流初段は、Kaz氏と対局していた。別の盤では、M君がOg氏相手に将棋の検討をしている。よく見ると対Kaz戦で、どうもM君は先ほどの将棋、Kaz氏に負けたらしい。
私も以前、奨励会3級に平手で緩めてもらったことがあるが、M君は1級である。私の殊勲が霞んでしまい、面白くない。
私はHanaちゃんと指す。振り駒でHanaちゃんの先手。戦法はやはり、石田流だった。
私はいつものごとく、△4五の位を取り、△4四角と出る。Hanaちゃんは4筋から反抗に出る手もあったが、頃はよしと▲6五歩と仕掛けてきた。△同歩▲同銀△7七角成▲同飛△6五銀は前も出てきた進行だが、私はあまり自信はなかった。
以下、Hanaちゃんは6筋、私は2~3筋を攻める。どちらが早いか、の展開になった。

以下の指し手。△3九銀▲5二飛△2三玉▲3五桂△同金▲同馬

私は△3九銀とミエミエの詰めろをかける。Hanaちゃんはもちろん▲5二飛。以下△2三玉▲3五桂に△1三玉と逃げようとして、▲3一馬があるのに気付き、飛び上がった。以下どうも詰みそうなので、私は泣く泣く△3五同金と取る。Hanaちゃんは▲同馬。
たちまち先手の上部が厚くなり、いつもの私ならここで投了するところだが、まだ持ち時間が残っている。それで、未練がましく先手玉の詰み筋を読んでみた。
(27日につづく)
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今年最後の大野・植山教室(前編)

2014-12-23 13:05:58 | 大野・植山教室
21日(日)は、埼玉県川口市で「大野・植山教室」がある。年48回行われる教室も、今年はこれが最後。私は今年もあまり通えなかったが、今回は放課後に忘年会があるので、昼からお邪魔することにした。
午後1時20分ごろ教室の戸を開けると、三和土と下駄箱は靴でいっぱいである。私と同様、今回は参加しようという人がいるのかもしれない。
中に入ると案の定いっぱいで、スタッフのFuj氏が歓迎してくれた。大野八一雄七段、植山悦行七段とももちろん指導対局中だが、大野七段のところはひとつ盤が空いていた。
ところがFuj氏は指示を出さない。これから教室に来る予定の人がいるので、そこで改めて対戦カードを決めたいらしい。
Fuj氏はパソコンの画面を眺めている。きょうはLPSA主催の、女子アマ王位戦全国大会が行われているのだ。Fuj氏ピックアップの将棋を鑑賞し、ふたりで大いに感心した。
20分くらい待って、まずはKo君とリーグ戦。Ko君とFuj氏は以前対戦していて、Fuj氏が飛車香を落として、負けたらしい。
聞いてみたらKo君の棋力は二段とのことで、それなら三段の私とは平手の手合いだが、Ko君とFuj氏の希望は私の飛車落ちで、意味がよく分からなかった。
だいたいLPSA駒込サロンのときから、ここの駒落ちは上手に厳しい。もっとも、それでも上手の勝率がバカ高いのがよく分からないのだが、駒落ちはそういう不思議なところがある。
対局開始。Ko君は▲5七銀~▲7七角とやるので怪訝に思ったら、向かい飛車に振ってきた。いつもと勝手が違うが、私は落ち着いて駒組を進める。
私は△7三桂と跳ねて次の両取りを狙うが、Ko君は我関せず、▲8四の飛車を8八に引く(引いたと思う)。桂の両取りが見えているだけに不可解だが、いま考えたら次に上手は△8五歩~△8三銀と飛車の捕獲があり、仕方なかったようだ。

以下の指し手。△6五桂▲6八角△5七桂成▲同角△7三金▲3八銀△8三歩▲7七桂△4五歩▲6六角△同角▲同歩△6七角▲5五桂△5二銀▲8五桂△8四金▲7五歩△8五角成▲同飛
△同金▲7四歩△6二銀▲4三角△同銀▲同桂成△同金▲5二角△6一角▲8一銀△同玉▲6一角成△7一銀打▲4三馬

私は△6五桂と跳ねる。銀桂交換になったはいいが、次に▲5五桂があるので私は△7三金と寄る。しかしこれは危険で、ここで▲8五桂と打たれたら、△6三金▲8三歩△同銀▲9三桂成で上手崩壊だった。
本譜は△8三歩で小康を保ち、△4五歩から△6二銀まで、上手十分の形勢になった。
Ko君はやぶれかぶれ?で▲4三角。私はさして考えず△同銀だが、▲同桂成△同金に▲5二角と打たれ飛び上がった。とりあえずは△4三金取りだが、これを受けると▲7三歩成から▲8五角成がある。また、先に▲6一銀もあり、上手は一遍に忙しくなった。
私は混乱した頭で△6一角だが、▲8一銀が痛打。以下▲4三馬まで駒損を回復され、私はショート寸前になった。
戻って▲5二角の局面、局後にFuj氏に聞くと、△7六角と受ける手があったらしい。
たしかにこれでも上手が残しているが、△4二金と引いてもよかったと思う。これに▲6一銀(疑問手)なら△7一玉▲7三歩成△同銀右▲8五角成に△6一玉で頑張る。
いやそもそも、先の▲4三角に△同銀と取ったのが大悪手で、ここは△同金▲同桂成△同銀で上手必勝だった。下手は角、金の持駒では迫りようがない。

本譜は仕切り直しとなった。私は△5七桂で金を1枚はがし再び上手が指しやすくなったが、数手後の▲5八金打が粘り強かった。
もっともこの金も、と金攻めで剥がしたのだが、この金をソッポで使ったりして、私の指し手もいささかよれていた。
△5七歩に▲4七角と打たせて、まだ上手がよかったのだが、ここから私がふるえまくる。
△6七竜に▲6九香と打たれたが、これに△9七竜と逃げたのが精神的敗着。ここは当然△6八歩と香取りに打つべきだった。これだと▲7七金(▲1一に馬がいる)を警戒したのだが、こんなところに金を使ってくれるのなら、上手が相当ラクになる。
以後も私は腑抜けの手を連発し、最後は下手に受け潰された。これではどっちが上手だか分からず、恥ずかしい負け方になった。
途中必勝の局面があっただけに、この敗戦は痛かった。誇張でも何でもなく、頭から湯気が出た。
これでリーグ戦は6勝4敗か…とリーグ表を見ると、私の星は5勝4敗になっている。私の計算違いだったか…?
リーグ戦といえば、私は前回のリーグ戦で、幸運にも優勝した。本日大野七段から、賞品の「2015年日本将棋連盟カレンダー」をいただいた。来年1年、大事に使いたいと思う。
2局目はE氏と飛車落ち戦。E氏は勉強熱心で、教室の出席率も高い。
対局開始。室内の気温が高く、大野七段がたまらず「冷房」を入れた。言うまでもなく私が「沸騰」しているからで、こういうとき私は尻抜けの手を指しやすい。気を引き締めたつもりだったのだが…。
初手から△3四歩▲7六歩△4四歩▲4六歩△3二金▲4八飛△4二銀▲3八銀△4三銀▲4七銀△5四歩▲5六銀△6二玉▲4五歩△同歩▲2二角成△同金と進んだ。
手順中△6二玉が危機感のない手で、当然△3三桂と跳ねるところ。飛車落ち定跡では▲4七銀~▲5六銀~▲4八飛が手順なのだが、銀の進出が後だったので、うっかりしてしまった。
本譜、次に▲4五銀と出られたら、上手は早くも指す手がない。
(つづく)
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大野七段VS和田あき女流初段の公開対局(後編)

2014-12-22 00:18:14 | 将棋イベント
第二部の指導対局は、和田あき女流初段に4人ついた。私は大野八一雄七段に申し込み、ほかにはSak氏が挑んだ。植山悦行七段は六寸盤でFuj氏と対局。この二人は仲がよすぎて、まるで親子みたいだ。
私たちは角落ち。しかし和田女流初段と同じ手合いとは、考えてみたら不可解ではある。
大野七段の△5四歩から始まり、私は2筋の歩を換えたあと、早速▲3六歩~▲3五歩と伸ばす。大野七段は怒って?△4四銀。以下▲3八飛△5五歩▲2八銀と進み、数手後の△8五歩が分岐点となった。
以前同じような局面で、「3筋で位を張ってるんだから、欲張らずに飛車先の歩の交換は甘受すべき」と教わったが、今回は▲7七角でも下手が指せるのではないかと思った。
それでそう指したが、大野七段に△5四金~△6五金と出られてみると、もう下手息苦しい。
右のSak氏は中飛車に振り、大野七段も飛車を振っている。あちらはじっくりした戦いだ。
私は、▲7六歩を守る▲4六飛。しかし△5六歩と突かれ、▲同歩に△7六金が実現してしまった。以下上手にいいように指され、最後は下手の居玉も祟って、見るも無残な負けとなった。
感想戦。序盤の▲7七角がやはり疑問で、ここは▲7八金だったらしい。以下△8六歩▲同歩△同飛は、上手も中央へ立ち遅れているので、下手が▲4六歩~▲4五歩を目指して十分となる。
本譜の進行は下手が将棋を指した感じがせず、せっかくの指導対局をもったいないことをした。
局後Og氏から、「なぜ矢倉を目指さないのか。こう指せば下手十分なのに…。居玉の急戦はあぶない。上手を持っていると、こういう戦いは大歓迎」と言われた。
たしかにそうなのだが、どうも角落ちだと、冒険したくなってしまうのだ。
傍らでは、Miy-Kaz戦の自由対局が行われている。LPSA駒込サロンの新旧対決で、これが初顔合わせだ。矢倉系の将棋になっていたが、Miy氏が攻め、Kaz氏が受けているようだ。
表の空気を吸いに出て、戻ってくると、「近代将棋」元編集長の中野隆義氏の姿があった。近くまで来たので寄ったらしいが、こういう配慮がありがたい。
和田女流初段はコの字型のテーブルの中で指している。Hon氏、Ok氏、S君らが挑んでいて、手合いは平手から飛車落ちまで、さまざま。和田女流初段の手つきはやさしいが、指し手は厳しい。プロデビュー8か月だが、指導姿がすっかり板についている。
Miy-Kaz戦が終わったようで、Miy氏の勝ち。簡単に感想を述べ合ったあと、Miy氏がサッと席を立った。ちょっと、カッコイイ。
面白くないのはKaz氏で、高勝率を誇るKaz氏、まさか彼に屈するとは思わなかったろう。
「ずぅっと攻められっ放しで、面白くなかった。最後は受け切ったと思ったのに、攻めを繋がれました」
まさにそうで、この感想がMiy氏の将棋のすべてを表している。序盤は大したことはないが(失礼)、中盤以降に妙な手をひねり出し、悪い将棋をひっくり返すのだ。
「……それがMiyさんの持ち味なんだよ。でもKazさんのほうが強いよ」
最後はKaz氏を慰めるために言ったのだが、振り返るとMiy氏がいたので、飛び上がった。
私はときどきこのパターンの失敗をする。人の悪口を言わないよう気をつけていればこういうチョンボはないのだが、この癖、どうにも直らない。
私は慌ててMiy氏に話を振る。Miy氏が「いまの、聞いたよ」とでも返してくれれば私も救われるのだが、Miy氏はふつうにしているので弁解のしようがない。
私はとにかく、Miy氏を持ち上げる。…というか、実際Miy氏は強いのだ。
和田女流初段の指導対局は徐々に終わっていく。いずれも和田女流初段の勝ちで、さすがにプロの壁は厚く、高い。
最後の挑戦者が敗れ、和田女流初段の全勝となった。

時刻は9時近くになり、これにてきょうのイベントは終了。初めてにしては、つつがなく進行したと思う。
席主に礼を言い、有志で遅い夕食に出る。サロン近くの中華料理屋に入り、私のテーブルには、W氏とKaz氏がついた。
W氏は今回のプロデューサーで、準備には相当の苦労があったようだ。珍しく「疲れた」を連発した。私もサラリーマン時代に似た仕事をしていたので、W氏の気持ちはよく分かる。
こうしたイベントは、場所代、対局者・解説者への謝礼などを考えると、相応の客が入らないと赤字になる。今回は17人の観戦だったが、これは微妙な数字である。次回同じ企画を行うなら、告知の徹底が必要であろう。
楽しくおしゃべりをして、11時半すぎに散会。サロン企画の第二弾を楽しみにしている。

あ…。和田女流初段との食事会の話を詰めるのを、忘れた…。
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