一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大野七段VS和田あき女流初段の公開対局(後編)

2014-12-22 00:18:14 | 将棋イベント
第二部の指導対局は、和田あき女流初段に4人ついた。私は大野八一雄七段に申し込み、ほかにはSak氏が挑んだ。植山悦行七段は六寸盤でFuj氏と対局。この二人は仲がよすぎて、まるで親子みたいだ。
私たちは角落ち。しかし和田女流初段と同じ手合いとは、考えてみたら不可解ではある。
大野七段の△5四歩から始まり、私は2筋の歩を換えたあと、早速▲3六歩~▲3五歩と伸ばす。大野七段は怒って?△4四銀。以下▲3八飛△5五歩▲2八銀と進み、数手後の△8五歩が分岐点となった。
以前同じような局面で、「3筋で位を張ってるんだから、欲張らずに飛車先の歩の交換は甘受すべき」と教わったが、今回は▲7七角でも下手が指せるのではないかと思った。
それでそう指したが、大野七段に△5四金~△6五金と出られてみると、もう下手息苦しい。
右のSak氏は中飛車に振り、大野七段も飛車を振っている。あちらはじっくりした戦いだ。
私は、▲7六歩を守る▲4六飛。しかし△5六歩と突かれ、▲同歩に△7六金が実現してしまった。以下上手にいいように指され、最後は下手の居玉も祟って、見るも無残な負けとなった。
感想戦。序盤の▲7七角がやはり疑問で、ここは▲7八金だったらしい。以下△8六歩▲同歩△同飛は、上手も中央へ立ち遅れているので、下手が▲4六歩~▲4五歩を目指して十分となる。
本譜の進行は下手が将棋を指した感じがせず、せっかくの指導対局をもったいないことをした。
局後Og氏から、「なぜ矢倉を目指さないのか。こう指せば下手十分なのに…。居玉の急戦はあぶない。上手を持っていると、こういう戦いは大歓迎」と言われた。
たしかにそうなのだが、どうも角落ちだと、冒険したくなってしまうのだ。
傍らでは、Miy-Kaz戦の自由対局が行われている。LPSA駒込サロンの新旧対決で、これが初顔合わせだ。矢倉系の将棋になっていたが、Miy氏が攻め、Kaz氏が受けているようだ。
表の空気を吸いに出て、戻ってくると、「近代将棋」元編集長の中野隆義氏の姿があった。近くまで来たので寄ったらしいが、こういう配慮がありがたい。
和田女流初段はコの字型のテーブルの中で指している。Hon氏、Ok氏、S君らが挑んでいて、手合いは平手から飛車落ちまで、さまざま。和田女流初段の手つきはやさしいが、指し手は厳しい。プロデビュー8か月だが、指導姿がすっかり板についている。
Miy-Kaz戦が終わったようで、Miy氏の勝ち。簡単に感想を述べ合ったあと、Miy氏がサッと席を立った。ちょっと、カッコイイ。
面白くないのはKaz氏で、高勝率を誇るKaz氏、まさか彼に屈するとは思わなかったろう。
「ずぅっと攻められっ放しで、面白くなかった。最後は受け切ったと思ったのに、攻めを繋がれました」
まさにそうで、この感想がMiy氏の将棋のすべてを表している。序盤は大したことはないが(失礼)、中盤以降に妙な手をひねり出し、悪い将棋をひっくり返すのだ。
「……それがMiyさんの持ち味なんだよ。でもKazさんのほうが強いよ」
最後はKaz氏を慰めるために言ったのだが、振り返るとMiy氏がいたので、飛び上がった。
私はときどきこのパターンの失敗をする。人の悪口を言わないよう気をつけていればこういうチョンボはないのだが、この癖、どうにも直らない。
私は慌ててMiy氏に話を振る。Miy氏が「いまの、聞いたよ」とでも返してくれれば私も救われるのだが、Miy氏はふつうにしているので弁解のしようがない。
私はとにかく、Miy氏を持ち上げる。…というか、実際Miy氏は強いのだ。
和田女流初段の指導対局は徐々に終わっていく。いずれも和田女流初段の勝ちで、さすがにプロの壁は厚く、高い。
最後の挑戦者が敗れ、和田女流初段の全勝となった。

時刻は9時近くになり、これにてきょうのイベントは終了。初めてにしては、つつがなく進行したと思う。
席主に礼を言い、有志で遅い夕食に出る。サロン近くの中華料理屋に入り、私のテーブルには、W氏とKaz氏がついた。
W氏は今回のプロデューサーで、準備には相当の苦労があったようだ。珍しく「疲れた」を連発した。私もサラリーマン時代に似た仕事をしていたので、W氏の気持ちはよく分かる。
こうしたイベントは、場所代、対局者・解説者への謝礼などを考えると、相応の客が入らないと赤字になる。今回は17人の観戦だったが、これは微妙な数字である。次回同じ企画を行うなら、告知の徹底が必要であろう。
楽しくおしゃべりをして、11時半すぎに散会。サロン企画の第二弾を楽しみにしている。

あ…。和田女流初段との食事会の話を詰めるのを、忘れた…。
コメント
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