付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ストーカー」 アルカジイ&ボリス・ストルガツキー

2007-09-04 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
 ストルガツキー兄弟の小説を先に読んでいるものですから、始めて新聞紙上で「ストーカー」なる単語を見たときは意味不明でしたね。まあ、確かに「忍び寄るもの」という意味ですから間違いじゃないでしょうが、なんにせよカッコイイ言葉で誤魔化しているようで好きになれないねえ。
 さて、小説の方は、異星人がやってきて勝手に閉鎖空間を作ったあげく、いつの間にかいなくなっちゃったけど、その跡地にいろいろあるんで、国際的な研究機関も調べているけれど盗掘者も勝手に忍び込んでやってるよーんという連作短編。ひとくちでいうと、異星人のピクニックの跡に群がる蟻の話。

「人間に金が必要なのは、金のことを心配しなくてもすむようになるためだからな」
 リチャード・ヌーナンの言葉。

 こういう特殊空間であれこれやるというのも、異世界探検というジャンルの一部みたいなもんですが、もともと普通の空間だったのが突然物理法則すら変わる空間になっちゃうってとこがキモです。

【ストーカー】【アルカジイ&ボリス・ストルガツキー】【ハヤカワ文庫SF】【路傍のピクニック】【ストルガツキー兄弟】【トレジャーハンター】【ストルガツキー兄弟】
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「黒龍とお茶を」 R・A・マカヴォイ

2007-09-04 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「捜しているものというのは、必ず最後に探ったところに見つかるものさ」
 メイランド・ロングの言葉。

 ニューヨークからサン・フランシスコにやって来たマーサは、一人の教養あふれる中国系の紳士と知り合います。
 高級ホテルに住む初老の紳士の名前はメイランド・ロング。マーサと親しくなったロングは、自分のことを能力を失った黒龍なのだよと打ち明けます。しかし、その真偽を確かめる暇もなく、マーサとロングはマーサの娘リズの失踪事件に巻き込まれてしまうのですが……。

 初老のカップルが犯罪者相手に大立ち回りする、ほんわかテイストの洒落た現代ファンタジー。誇大妄想の男と騙されやすい女の話と読もうと思えば読めるのだけれど、そのあたりのさじ加減が魅力です。
 5本指の龍がいちばんエライのは、筆を持てるからなんですね。

【黒龍とお茶を】【R・A・マカヴォイ】【ハヤカワ文庫FT】【モダン・ファンタジー】【龍】【ハイテク犯罪】
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「アトムの子ら」 ウィルマー・H・シラス

2007-09-04 | 超能力・超人・サイボーグ
「(大人には)分別のある人が非常に少ないし、分別があるとしても、それを外に出す人は非常に少ないと思うんです」
 ティモシー・ポールの言葉。いくら頭が良かろうと、子供にこんなことをいわれては、大人には立つ瀬がない。

 原子力研究所で起こった事故の後に生まれた子供たちは、いずれも天才児であった。しかし彼らは子供であるがゆえに、精神病患者扱いされたり、自らの能力を隠して生きることを余儀なくされていた。
 精神病医のピーター・ウェルズが出会った少年ティモシーもまた天才児の1人だった……。

 なんか放射能万歳な話に理解してしまうのは日本人だから。
 ジュブナイル版で読んで面白かった記憶があったけれど、文庫版にはそれほど感銘を受けなかったのは似たような後続作品を読みすぎたせいかもしれません。

【アトムの子ら】【ウィルマー・H・シラス】【ハヤカワ文庫SF】【新人類】【超能力】
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『ワールドコン~Nippon2007』 後日談

2007-09-04 | イベント・コンベンション
 他の参加者の友人諸氏から聞いたりしたことなど、補足しておきましょう。

 加藤直之やボブ・エグルトンらによる合作イラストは、オークション落札価格が1万7千ドルに届いたとか。やっぱ、あのラインナップでは100万円札を束で持っていかないと買い物もできやしない。無理だけど……。

 星雲賞の海外長編部門はフィリップ・リーヴの『移動都市』。ちょうど次にいちぽんに読ませようと、出かける前に机の上に置いてきたところ。ナイスタイミングなのか遅いのか。まあ、いいか。

 来年のワールドコン、デンバーの「ゴースト・オブ・オナー」は、ロバート・A・ハインライン!!
 うーん。ちょっと前に、今回のワールドコンのゲストに誰をという話がある掲示板でされていたときに、つい「ハインライン!」と提案してしまい、「故人ですよ」と真面目な反論くらって沈んでしまった自分を思い出しました。やっぱアメリカ人はシャレが分かるぜ(わかりづらい冗談はヤメましょう)。

 ディーラーのブロンズドラゴン。小さいので30万円くらい。大きいのだと120万円くらいという話だったそうです。やっぱ100万円束かいっ!?

 お土産に買って帰った不気味社のCD。1枚目はいちぽんが選んだ「豪快百」。百人一首を朗々と読み上げるだけのもの。おまけがついて100以上あるけどね。2枚目は「桃色淑女結成三十周年記念盤~豪快P」。そして3枚目は「豪快な宮内X」、宮内タカユキが豪快に歌い上げるクリスマスソング集。
 うちの嫁さんはクリスチャンではないけれど、曲がりなりにもカトリックの女子校の寄宿舎で3年間を過ごし、賛美歌を歌い続けてきた身。それがトップをねらえだかサンダバードだかジャイアントロボだかスーパー戦隊みたいな伴奏で歌い上げられる唄の数々(替え歌に非ず)に「神を讃える気持ちはこめられてるのかーっ!?」と激高。
 でもぼくは知っている。翌朝、朝食作ったり洗濯しながらフンフンフフンと『ママがサンタにキスをした』を口ずさんでいたのを。

 あとで参加ゲストの中にエリック・コタニがおられたことに気づく。金曜日に会場の片隅ハーバーラウンジ「カフェ・サイファイティーク」での宇宙企画に参加されていたとのこと。あ、不覚! 知っていれば行けた時間帯だけに悔しい。でもハーバーラウンジの位置を確認したのも翌日になってからだったしなあ。
 ちょっと道案内が少ない気がしたし、企画紹介も不親切。飛び込み企画や差し替え企画のアナウンスが足りないねー。

 笑いっ放しで後で考えたら中身の全くない企画も、全員がじっくり話し合う堅い企画も、難しい話をただ真面目に聞くだけの企画も、なんでもあるのがSF大会。この懐の深さが好きです。みんなそれぞれに楽しいし面白い。
 堅い話ばかりだからつまらないだろうなんて、決めつけるのは狭量だし視野が狭い。堅い話だって「面白い」ものはあるし、自分が面白いと思わなくたって他人が面白いと思うものを否定することはできません。
 くだらない話だって、心の糧になるものはあるし、それで得られるものは少なくありません。そんなジョークや駄話の中から生まれる斬新な発想ってのもあるでしょう。
「ほら、1000年前の蓮の花が咲いたという話もあるじゃないか」
 どんなタイプの企画でも積極的に飛び込んで受け入れられる柔軟な脳と魂は維持し続けたいですね。
コメント (5)
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「有栖川有栖の密室大図鑑」 有栖川有栖

2007-09-04 | ミステリー・推理小説
 『有栖川有栖の密室大図鑑』という本があります。最初ムックで、後に文庫化されました。密室トリックのミステリーについて、イラストレイターが現場のイラストを描き、有栖川有栖のエッセイがついたものです。古今東西の長短ミステリから選りすぐりの密室が登場し、なかなか楽しいです。
 ミステリーには他にも探偵紳士録や推理小説事典みたいなものが幾つもありますし、アンソロジーも盛りだくさん。冬の時代を迎えたといわれていたSFにしても、10年単位で見ていけば、けっこういろんな事典やガイドあるいはアート集みたいなものがあります。ケイブンシャの『怪獣怪人大百科』なんて、実はSF小説や映画のキャラクターが掲載されていたりして、実は『SFモンスター・宇宙人百科』でもありました。特撮作品に登場するコスチュームを集めた『空想流行通信』ってのもあったよねえ。
 で、これだけあれこれライトノベル本が出ていますんで、そのうちライトノベル版『世界の秘密結社100』とか『古代遺跡99の秘密』やら、ひねりまくった冊子も生まれるかも知れないと、ひそかに期待しておるのです。

「有栖川有栖の密室大図鑑」★★★
「怪獣怪人大百科」★★★★
「空想流行通信」★★★

【密室】【大百科】
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『ワールドコン~Nippon2007』 9/1PM (3)

2007-09-04 | イベント・コンベンション
 夜はしんくろーさん主催の食事会。久々に関東圏まで出たので一緒に食事しましょ☆とお誘いを受けたので喜んで。
 場所は中華街の点心食べ放題、「酔龍」。集まったのは、しんくろーさんとか森瀬さんとかカダフィ閣下とか、いつもの週末オンセのメンバーを中心に……というか、88とか蓬莱の同窓会というか、アニメーターやゲームクリエイターや編集者・ライターの集いというか……。「これがうちの一渓です」といちぽんを紹介したら、みんな「なんか初対面とは思えないねえ」とコメント。ほんとだねー。
 閣下は今でも蓬莱キャラ名を諳んじられるんだからスゴイ。ワールドコンにも参加していた閣下は『リージェンシー・ダンスを踊ろう』という企画に参加して、ナイスバデーな金髪のお姉さんとパートナー組んで踊れて至福のひとときだったとか。そうか、興味はあったんだけれど、場所がわからなかったんだよ……。
 さて、けっこう中学生あたりの文系少年の間ではゲーム・クリエイターとかアニメイターって憧れの職業なんですよ。その憧れの職業の面々が、実も蓋もないダメ話を繰り広げる光景は、前途あるいちぽんにはかなり強い印象が残った模様。中でもいちばんインパクトがあったのは、鈴木せいごくんのリアル「アニメがお仕事!」話だったみたい。
 豚の天ぷらとか鶏塩炒めとかバンバンジーとか五目焼きそばとか玉子スープとかマーボ豆腐とか春巻とか、あれやこれや食い尽くし呑み乾しての2時間。最後にしんくろーさんに「例年の88・20周年はどうするんです?」と訊かれ、ちょっと悩み始めちゃったぞ……。

 呑んで食って、店の前で皆さんとお別れ。
 親子でぶらぶらと夜の中華街を抜けてホテルへ帰還。うぃ~。

 本当はここでT-NOTEの岡村さんと会う予定だったのに、子供さんの具合が悪いということで出てこられず。残念ながら電話でちょろっとおしゃべりだけ。ジョージ・タケイのサイン会があったというだけで、かなり羨ましがっていた様子。
 うん。私らの世代でSFといったら、カーク船長で、ミスター・スポックで、ドクター・マッコイで、ミスター・カトウだったんよ。小学生の頃は宇宙大作戦ゴッコで遊んでいましたが、何か?

 このまま寝てしまおうかとも思ったけれど、喉も渇いていたので深夜のコンビニに買い出し。ラフな格好のOLっぽい2人組と、黒のスーツにライオンヘッドの若い男の2人組。それぞれの会話に聞き耳を立てていると、SF大会組はOLの方らしく、ライオンマンはホストかクラブのバーテンらしい。
 うーん。世界はコスプレで満ちている。
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