付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「私闘学園」 朝松健

2007-09-19 | スポーツ・武道
 朝松健という人の作品は、けっこう読んでいると思っていたら、実は傍流みたいなものばかり読んでたのかもしれない……。
 結局、クトゥルフとか伝奇ものではなく、『私闘学園』みたいな格闘技オタク学園ものや『幻獣戦記~ユニコーン作戦』みたいな変化球が好きだってことですね。

 『私闘学園』は机上の空論ばかり頭に詰め込んでいる格闘技オタクやら先祖代々武道家の家系の娘たちが格闘技サークルをつくり、地獄の修行で半死半生になりながらいつの間にか大会で勝ち進めるようになっているという話。もちろん「どこにも行き着かないバス」とか「誰も帰ってこない地下室」とかのホラーっぽいエピソードとか、ヤクザの抗争とか夢枕獏をパクってみましたとか、いくらでもサクサク読める不思議なシリーズ。

【私闘学園】【朝松健】【島本和彦】【ラッシャー木村】【クトゥルフ】【ヤクザ】【格闘技】
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「絢爛舞踏祭 オリジナルドラマ3 慈愛号DISC」 

2007-09-19 | 水の世界・海洋冒険SF
 地球軍による大虐殺を阻止するべく、地球軍の全船力が待ちかまえているのも覚悟の上で、戦闘潜水艦<夜明けの船>は都市船<イスメニウス>へと向かう。
 襲い来る無数とも思われる敵潜水艦隊と雷撃戦を繰り広げ、迫り来る敵RBとの交戦はいつ果てるともなく続いていたが、都市船へ突入する役目を与えられた陸戦隊とその護衛RBのパイロットたちはただ待つしかなかった。
 陸戦隊に所属する高校生オーキ・マイトは女性陣に追い回されていた。モテて困ることはないと他人はいうかもしれないけれど、マイトにはたった1人好きな人がいて、それで十分だったのだ。けれど、マイトが捜し求める少女コムラ・イイコはマイトと同じ世界移動存在であり、互いに反発しあうため同時に同じ世界に存在できないさだめだった。
 そして突入作戦を前にマイトは別の世界へ強制的に転移させられ、入れ替わるよう出現したイイコに、<知恵者>は守り刀を手渡す。それは<知恵者>が組み上げたものの動く気配も見せないRB<慈愛号>。けれども今は動かなくて良いと<知恵者>は言う。守り刀は最後の最後、おのれの誇りを護るために抜くものだと……。


……ドラマCDも、ついに最終巻。艦載詩人にして自発的万年無職の<知恵者>を中心に話は進みます。マイトとイイコのすれ違いに、無芸大食と思われながら底知れぬ男<知恵者>と夜明けの船のメインコンピュータMAKIの駆け引き、都市船で潜入工作している“神の拳”カオリ・サザーランドとアイアンの様子を交えながら、1つの悲しみが打ち砕かれるまでが描写されます。おっと忘れちゃいけない。火星先住民にして恋する相手によって性別の変わるマイケル/ミカと元太陽系総軍のハリー・オコーネル中佐の師弟コンビもなかなかベタで愉しいね。

 だいたいドラマCDとかラジオドラマってのは苦手なのです。登場人物のイメージが自分と違うと拒絶反応が出るし、活字で読んでカッコイイと思ったセリフもいざ声として聞いてみるとやたら恥ずかしくて聞いていられなかったり。
 案の定、同じ芝村系作品群ということで、『ガンパレード・マーチ』のコンプリート・ドラマDVDや『みんなのがんぱれーど・まーち』も買って聞いてみたけれど、あまり面白いとももう1回聞きたいとも思わなかったんですよ。でも、『絢爛舞踏祭』は何度でも聞いてしまいます。カーナビ付属のハードディスクに放り込んで運転中も聞いていたりして。「靴しか見えない下を見るのを止めて上を見る」とか「男は走って逃げるもの」とか「無敵の鉄拳で愛を説くのよ」とか名台詞の数々に心うきうき。
 でも、中学生の長男がウォークマンを聞きながら勉強中、何を聞いているのかと取り上げてみれば「……エリザベス・リアティ!」って、ヒアリングのふりして絢爛舞踏祭聞くのはやめんかいっ!

【絢爛舞踏祭 オリジナルドラマ3 慈愛号DISC】【WTG】【グレートワイズマン】【セプテントリオン】
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「絢爛舞踏祭 オリジナルドラマ2 希望号DISC」 

2007-09-19 | 水の世界・海洋冒険SF
 太陽系の知的生命体が「知類」と呼ばれ、人間以外にもイルカやネコが言葉を交わし、共に生活をしている時代。惑星表面の大半を水が覆い尽くした火星で独立運動が勃発した。仕事を、パンを求め、独立運動が激しくなる各都市船を地球軍は弾圧し、運動を叩きつぶそうとする。
 しかし圧倒的な戦力を投入しているにもかかわらず、地球は独立運動を完全に鎮圧することはできなかった。送り込まれては次々に撃破されていく地球軍。その火星独立軍の強さに、他惑星の人々は火星には強力な武器を持った無数の火星軍が存在すると信じていた。しかし、火星独立軍とは、たった1隻の通商破壊艦でしかなかった。たった1隻の戦闘潜水艦<夜明けの船>がいかなる攻撃も退け、独立闘争の中核として戦い続けているに過ぎなかったのだ。
 業を煮やした地球軍はついに最後の手段を選択した。都市船<イスメニウス>での反乱軍兵士数百名の公開処刑を決定したのだ。
 <夜明けの船>は罠を承知で<イスメニウス>をめざし、地球軍はその行く手に全戦力を投入するのだった……。


 ……ということで、ドラマCDの2枚目は、<夜明けの船>の捕虜となっている地球大統領ジョージ・タフトと孫娘エノラを中心に話は進み、これにラウンドバックラー(RB)希望号を操る希望の戦士らパイロットや懸命の整備作業を続ける機関室のニャンコポンやイカナ・イカンたちが絡みつつ、意外な親子関係や愛憎が明らかになっていきます。
 希望の戦士を中心にヤガミ-タキガワ-エノラがどろどろと愛憎を垂れ流してみたり、第4異星人イカナ・イカンとジョージ・タフトのかみ合っているのかいないのか今ひとつ確信が持てない会話とか、飛行長ノギと母親との言葉のやりとりとか聞き応えは十分。
 ゲームはプレイしていないし、テレビアニメもほとんど見てないし(そもそも全然違うし)、小説は1回飛ばし読みしただけなのですが、それでもこのドラマCDは面白く聞けました。そもそもドラマCDっものがこっ恥ずかしくて聞けないことが多いのですけれどね。
 とりあえず、人とBALLSが共に手を取り合い、RB隊が撃墜記録を更新しながら敵陣を突破していくところでおしまい。

【絢爛舞踏祭 オリジナルドラマ2 希望号DISC】【シブースト】【未来の私】【BALLS】
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「絢爛舞踏祭 オリジナルドラマ1 武勇号DISC」 

2007-09-19 | 水の世界・海洋冒険SF
 太陽系の知的生命体が「知類」と呼ばれ、人間以外にもイルカやネコが言葉を交わし、共に生活をしている時代。惑星表面の大半を水が覆い尽くした火星で独立運動が勃発した。仕事を、パンを求め、独立運動が激しくなる各都市船を地球軍は弾圧し、運動を叩きつぶそうとする。
 しかし圧倒的な戦力を投入しているにもかかわらず、地球は独立運動を完全に鎮圧することはできなかった。送り込まれては次々に撃破されていく地球軍。その火星独立軍の強さに、他惑星の人々は火星には強力な武器を持った無数の火星軍が存在すると信じていた。
 しかし、火星独立軍とは、たった1隻の通商破壊艦でしかなかった。たった1隻の戦闘潜水艦<夜明けの船>がいかなる攻撃も退け、独立闘争の中核として戦い続けているに過ぎなかったのだ。


 PS2用シミュレーション・ゲームをベースにしたドラマCDですが、この基本設定さえ押さえていればゲームをプレイしたことが無くても楽しめます。ただPS版ゲーム『ガンパレード・マーチ』などの芝村系作品群に触れていると面白さは増すかも知れません。
 絢爛舞踏祭のドラマCDは全部で3枚。この「武勇号DISC」では主にブリッジ・クルーと民間人を中心に物語が進みます。ネーバルウィッチであるエステルは、艦の中での居場所を失いかけて苦しみ、地球から取材に来たジャーナリスト、ハックマンは火星独立軍がたった1隻の艦に過ぎず、しかもその中心はたった1人の「希望の戦士」と呼ばれる人間でしかないことを知り、恐怖します。あれは妖精か悪魔だと。
 芝村節全開の名台詞の数々に胸躍らせ、ガンパレにつながる設定ににやりとし、尻に敷かれる希望の戦士に大笑いするしかありません。そしてエステル・エイン艦氏族・アストラーダはエステル・夜明けの船氏族・夜明けの船となります。

 さて、業を煮やした地球軍はついに最後の手段を選択しました。都市船<イスメニウス>での反乱軍兵士数百名の公開処刑、虐殺を決定したのです。<夜明けの船>は罠を承知で<イスメニウス>をめざします。しかし<夜明けの船>のエンジンは不調で包囲網を突破することは困難かと思われました。
 そこでついに最古のBALLS(自己複製・自己改良する球形ロボット)の1人である掌帆長グランパは、水雷長クリサリスと共に旧式RB(人型機動兵器)武勇号で出撃することを決意します。正義とは小さな花だ。どこにでも咲いていて、しかし簡単に踏みにじられてしまう小さな花だ。それが咲き誇るさまはさぞ美しかろうと……。


【絢爛舞踏祭 オリジナルドラマ1 武勇号DISC】【正義の女神】【ネーバルウィッチ】【BALLS】【鼻メガネ】
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「邪神帝国」 朝松健

2007-09-19 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「ファシズムは趣味の問題だ」
 スターリンの言葉。

 ナチスといえば、朝松健がナチスと南極とクトゥルフという、三題伽というか魔法使いTaiのサブタイトルみたいなネタの『邪神帝国』なんて連作短編集を書いています。
 ナチスの興亡をクトゥルフ神話絡みで解釈し、構成したやつです。今となっては意外性も何にもないネタですが、なによりも先駆的作品ですし、この作者がしっかり書き込むと腕の違いがはっきり見えてきます。

【邪神帝国】【朝松健】【クトゥルフ】【ナチス】【星智教団】【戦士シンドローム】【祖国遺産協会】【ロンギヌスの槍】【ロンメル将軍】【人工精霊】【クラウス・フォン・シュタウフェンベルク】【ヒトラー暗殺計画】
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