付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」 北村薫・編

2007-09-20 | ミステリー・推理小説
 北村薫による本格ミステリーのアンソロジー。タイトルのままです。
 何を本格と言うかについては、「不思議な出来事に論理で説明がなされる」ということかなあ。いやあ、駄洒落オチから幻想譚までほんとにバリエーションに飛んだラインナップなので、普通のミステリ短編集のつもりでいたらあごが外れました。
 西条八十や吉行淳之介のミステリはまだしも、「ライツヴィル殺人事件」まで収録されてますよ!ダンナっ! バラエティ誌掲載当時に読者から正解を募集したという、あの「ライツヴィル殺人事件」ですよ!! だから出典一覧ではワセダ・ミステリクラブ機関誌『PHOENIX62』となっているけれど、秋山狂一郎作の短編を、新井素子がちゃちゃ入れつつ解説し、吾妻ひでおがイラストを描いてる方のバージョンなのですから、『バラエティ』(83年11月号・84年1月号)とするのが正しいのです。

 しかし、北村薫って、懐広いよなあ……。

「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」★★★★

【密室】【森の石松】【法廷】【江戸川乱歩】
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「バウワウ!」 成田良悟

2007-09-20 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 やはりライトノベルは奥が深い。
 まあ、ライトノベルってのは「ミステリー」とか「時代小説」とかいったジャンルではなく、「若年層を主要ターゲットに、イラストを多用してビジュアル面から強化している書籍」というスタイルですからね。とにかく中高生に売れそうとなれば、ジャンルは「SF」だろうが「ラブコメ」だろうがなんだっていいわけですが、そんな中でも成田良悟の『バウワウ!』は異色の口。

 単純に言ってしまえば、佐渡島と新潟を結ぶ連絡橋工事が中断し、足場として造成半ばで放棄された人工島にできあがった無法地帯が舞台。やっていることは、そこを拠点や足場にしたりしているギャングやチンピラやマフィアの抗争劇。
 ただ、『バッカーノ!』とか『ヴぁんぷ!』の成田良悟ですから、魔法とか超科学とか出てこないくせに人間離れした怪人奇人どもが跳梁跋扈するんですね。片手でチェンソー振り回して飛び回ったり、弾丸くらいは軽く避けたりって、最近のハリウッドとか香港映画では珍しくも何ともないかな……。

「バウワウ!」★★

【抗争】【裏切り】【ラーメン屋】
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