付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「航空母艦」 ディスカバリーチャンネル

2007-09-15 | 戦記・戦史・軍事
 ディスカバリーチャンネルの『航空母艦』DVDを見ました。まるごと空母という作品なので、運用からメカニズムに歴史までひととおりというもの。ミリタリーマニアじゃないんで、普通に感心しながら面白く観てました。
 でも、この作品が製作された段階(2002年発売)で、まだ甲板上の艦載機の配置や整備状況を把握するのに、模型を使っていたのには笑いました。コンピュータで管理してると思ったら違ったのです。昔のままに甲板模型の上に飛行機型のユニットを並べ、それに赤や青に塗ったナットやクギを載せたり下ろしたりして、燃料やミサイルの搭載状況なんかを管理してるんです。
「何年か前に試みたが、コンピュータで管理するには作業工程が複雑すぎた」
 今はコンピュータも使いやすくなっているので、最新鋭のシステムでは切り替わっているかも知れませんが、なんにせよ簡単なのが一番です。

「航空母艦」★★★

【空母】【歴史】
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「星のダンスを見においで」 笹本祐一

2007-09-15 | 宇宙海賊・宇宙商人
 『星のダンスを見においで』は笹本祐一の正統派の宇宙海賊物です。新書で再版されるときに、書き直しと書き足しで2割ほど増量ということですから、旧版を持っている人でも買いです。
 日本のスペースオペラ界にも宇宙海賊が登場する作品は小説なら『敵は海賊』から『クラッシャージョウ』まで、コミックなら『マップス』から『コブラ』まであれこれありますが、これこそ代表作品。海賊というのは夢とロマンと恐怖の存在であって欲しいので(個人的には現代のマラッカ海峡に出没するモーターボートとサブマシンガンの集団だって「海賊」とは呼びたくない)、レジスタンスだったり冒険者だったり犯罪シンジゲートだったりするような存在を宇宙海賊とは呼べません。

 この『星のダンスを見においで』に登場する海賊たちは、皆、自由で、卑劣で、裏切り者で、欲深で、戦いに生き甲斐を感じる乱暴者ばかり。そいつらが活き活きと罵りあいながら、伝説の海賊船長が隠した秘宝を争奪するため、艦対艦から艦隊戦、電子戦、衝角戦、白兵戦に焼き討ちと多彩な戦闘を繰り広げます。そんな海賊や正規艦隊が入り乱れる戦いに巻き込まれた日本の女子高生唯佳の運命や如何に!?
 ただ難点は、文庫2巻の作品に書き足して新書1冊にしたため、やや分厚くて持ちにくくなったことと、2段組になっているのでエピローグ部分の見栄えが悪くなっていること……かな。個人的には海賊船やデンデロベイバー級打撃戦艦の三面図を希望。
 アニメ版『宝島』のフレーバーを漂わせつつ、最後は『お祖母ちゃんと宇宙海賊』かい!?と思ってみたりして読後感も上々。みんなが争って探していた秘宝の正体も「なんだかなー?」あるいは「結局、なんだったの?」という感想になりがちだけれど、まあ、欲にかられた海賊どもの話なんで別に空き缶1つでも「友情・努力・勝利」の紙切れ1枚でもOKな話ではありました。
 海賊物だもんね。

【星のダンスを見においで】【笹本祐一】【宇宙海賊】【女子高生】
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「ナヴァロンの嵐」 アリステア・マクリーン

2007-09-15 | 戦記・戦史・軍事
 今、アマゾンあたりで『ナバロンの要塞』のサントラを探しているのだけれど、なかなかみつかりません。テーマ曲をオリジナルで聴きたいだけなんですが、どれも品切れ絶版で(かといって倍の値を出してまでは欲しくないし)、やっと見つけたと思ったらカリブ音楽のアレンジ版だったりして泣けてきます。まあ、DVD流してりゃいいだけの話ですが……。
 さて『ナヴァロンの要塞』は冒険小説の大家アリステア・マクリーンの傑作。
 この作品はベストセラーとなり、グレゴリー・ペック主演で映画化され、これまた大ヒット。調子に乗ったマクリーンは、映画を元にした設定で続編『ナヴァロンの嵐』を書きます。つまり映画「ナバロンの要塞」は小説「ナヴァロンの要塞」の映像化作品であり、小説「ナヴァロンの嵐」は映画「ナバロンの要塞」の続編ではあるけれど小説「ナバロンの要塞」の続編ではないという話。なんのこっちゃい。
 この作品以後、"ナバロン"は難攻不落の要塞の代名詞となりました。特撮ヒーローものなどにも要塞ナバローンとかナバロン砲とかいう名前がときおり見受けられませんか? そして作者の没後も、続編が書き継がれているというのもミソです。

 マロリー大尉のシリーズは、マクリーンによるものが『ナヴァロンの要塞』と『ナヴァロンの嵐』の2作、作者公認の別作者によるものが『ナヴァロンの風雲』と『ナヴァロンの雷鳴』の2作。ナヴァロン島が登場するのは1作目だけなのに、なんでみんな「ナヴァロン」と付いているかというと、作中の時間ではほとんど一続きの話なのですね。ナヴァロン島に送り込まれ、仲間の半分を失いながらなんとか要塞を破壊したものの帰還途中でそのまま次の任務が与えられ、補充メンバーを加えて今度はユーゴへ送り込まれ、これまた仲間の半分を失いながらもダムを破壊し、ところが帰還して一息つく間もなく今度はフランスへUボート基地破壊に送り込まれ、次はV2ミサイル基地……。つまり最初の「ナヴァロン」は目的地だったけれど、他の「ナヴァロン」は「ナヴァロンからの」という意味なんですね。
 ところで、中心メンバーを固定して補充メンバーが常に入れ替わるシリーズものというのは、もっと多いかと思っていましたが、考えてみればあまり思いつきません(メンバー完全固定というのは多いんですけどね)。リチャード・エイヴァリーの『コンラッド消耗部隊』シリーズくらいですかねえ。

【ナヴァロンの嵐】【アリステア・マクリーン】【レジスタンス】【パルチザン】【特殊部隊】【要塞砲】
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「ナヴァロンの要塞」 アリステア・マクリーン

2007-09-15 | 戦記・戦史・軍事
 大雑把にいうと、役者には2通りいます。役に合わせて演じ分けるタイプと、どんな役でも同じ演技をするタイプと。PBMのPCでいうなら、ゲームごとに善人、悪役、老若男女、小心者、独裁者と演じ分けるのが好きなプレイヤーもいれば、いつでもどこでも同じタイプのキャラしか演じないプレイヤーがいるようなものです。

 さて『ナヴァロンの要塞』という作品があります。冒険小説の大家アリステア・マクリーンの傑作。

 第2次大戦中期、クレタ島に孤立した連合軍将兵は壊滅しようとしていた。彼らを救うには、ドイツ軍の増援が到着する前に海路で脱出させるしかない。だが救援の艦隊は、難攻不落の要塞に行く手を阻まれている。空爆を寄せつけない厚い岩壁と高射砲群に守られたナヴァロン島の要塞は、巨砲とそれに連動したレーダーサイトによって、近づく船舶をことごとく海の藻屑と化しているのだ。
 これを破壊するために連合軍は最後の切り札として、山岳登山の第一人者であるマロリー大尉が指揮する特殊部隊を送り込むことにしたのだが……。

 この作品はベストセラーとなり、グレゴリー・ペック主演で映画化され、これまた大ヒット。調子に乗ったマクリーンは、映画を元にした設定で続編『ナヴァロンの嵐』を書きます。つまり映画「ナバロンの要塞」は小説「ナヴァロンの要塞」の映像化作品であり、小説「ナヴァロンの嵐」は映画「ナバロンの要塞」の続編ではあるけれど小説「ナバロンの要塞」の続編ではないという話。なんのこっちゃい。
 この作品以後、"ナバロン"は難攻不落の要塞の代名詞となりました。特撮ヒーローものなどにも要塞ナバローンとかナバロン砲とかいう名前がときおり見受けられませんか? そして作者の没後も、続編が書き継がれているというのもミソです。

 最初の話に戻ると、映画版『ナバロンの要塞』でミラー伍長を演じるデビッド・ニーブンはまさに後者のタイプの性格俳優。ゴールデングローブ賞を取った『80日間世界一周』もアカデミー賞を取った『旅路』でも、怪盗を演じた『大頭脳』や『ピンク・パンサー』でも、演じるのはちょっとキザな色男の英国紳士。シリアスもコメディも戦争映画もスパイ映画もこれ一本。映画化作品と原作で細部の設定やストーリーが違うのはあたりまえですが、『ナバロンの要塞』の原作でのミラー伍長は通称フケツ(ダスティー)というくらい、身ぎれいにすることに嫌悪感を覚えるタイプ。ところが映画では、こじゃれた大学教授とまったくの正反対になってるんだもんなあ。

 彼はルー・ゲーリッグ病として知られている筋萎縮性側索硬化症にかかり、1983年7月29日に療養先のスイスで他界しましたが、それを報じた当時の新聞によれば、「最後ににやりと笑い親指を立てて見せた……」と。真実か伝説かは知らないけれど、最後の最後まで役柄を貫いた人でした。

【ナヴァロンの要塞】【アリステア・マクリーン】【特殊部隊】【レジスタンス】【要塞砲】
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「さらば愛しき大久保町」 田中哲弥

2007-09-15 | その他フィクション
 作品の質としては賛否両論の『ハリー・ポッター』だけれど、この大ヒットのおかげでファンタジーはパソコンRPGや『指輪物語』みたいな西洋風の剣と魔法と竜の世界……つまりヒロイック・ファンタジーやエピック・ファンタジーばかりじゃないと認識されるようになりました。よかった、よかった。もともと、ホラーや幻想文学までとりこんだ幅広いジャンルですからね。
 派手な魔法すら出てこない、現実の世界をそのまま使いながら、日常とは異なる世界を描き出すのも、またファンタジーです。開発の進む街に現れる古き良き時代の幻影を描く『ゲイルズバークの春を愛す』とか、夜毎に訪れ日ごとに成長していく少女との恋を描いた『ジェニーの肖像』とか、けっこう好きなんです。
 でも考えてみれば、こういう「ちょっと不思議」な話は少女マンガでは以前からありましたし、ライトファンタジーでも最近ではかなり増えてきましたね。

 ライトファンタジーで……というか、それに区分されているレーベルから刊行されている作品で、魔法とかが前面に出てこない作品って、どんな話があるだろうと考えてみます。
 まっさきに思いついたのが、田中哲弥の大久保町シリーズ(よりによってそれかい!?)。明石市近郊の大久保町を舞台にした3部作だけれど、話はまったく別物で登場人物の名前と容姿と性格だけが共通しているというもの(手塚治虫のスターシステムみたいだね)。
 大久保町が西部劇さながらの世界になっている『大久保町の決闘』、ナチスに占領されている大久保町におけるレジスタンスもの『大久保町は燃えているか』、大久保町にやってきた某国のお姫さまをめぐる恋と陰謀の『さらば愛しき大久保町』。大久保町だけが、普通の日本と異質な存在になっていることを「なっちゃったんだから仕方がない」というような思い切りの良さで押し通す強引さがステキ。吉本新喜劇みたいなシチュエーション・ギャグと、どう見たってこいつがいちばんの大嘘つきという地の語りが渾然一体となって、なんともいえぬ良い味わい☆
 もうここまで行くと、ファンタジーとすらいえなくて、ただのホラ話じゃないかという気がしますけれど、ハヤカワJAから復刊されてめでたい限り。とはいえ、電撃文庫版と同じ、気の抜けたイラストはいかがなものか。いや、気合いが入っていたらいたで作品とは合わない気もしますが。

「大久保町の決闘」★★★
「大久保町は燃えているか」★★★★
「さらば愛しき大久保町」★★★★★

【蛸】【明石原人】【国連病院】
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「燃える北極光」 白山宣之

2007-09-15 | 戦記・戦史・軍事
「進さん、やっぱり日本は神国なんだわねェ」
「そうとも大元帥閣下が…」


 連休に大掃除していて古い『バラエティ』誌の切り抜きを発掘。当時は友人と共同出資で購読しており、卒業か何かの機会にコレクションを折半した覚えが……。大友克弘の『饅頭こわい』と新井素子&吾妻ひでおの『愛の交換日記』が主な目的だったんだけれど、もう散逸して大半は行方不明(たぶん廃棄処分)。どれくらい前かというと、『ブレードランナー』がロードショー公開だったりする。
 で、白山宣之のを発見。いちおう、角川書店のアンソロジー集『あはは、まんが』に収録されているらしいけど、こちらも絶版の作品。

 昭和9年、日本海軍の飛行船<北斗>は秘密境捜索のため北極海に向かう。指揮するは日露戦役の英雄、松田中佐。途中、おてんばな松田中佐の娘、早苗が合流し、ついに北極圏に到達するが、そこに北の大国A国の潜水艦<シベリア>が出現。その砲撃に<北斗>は窮地に陥るが……。


 というストーリーが全5頁で過不足なくテンポ良く描き込まれた傑作。昭和初期の冒険小説のように、国威高揚むき出しで「日本良い国、強い国。世界に輝く偉い国」と閉めておき、欄外に小さく「この物語は時空を超えたフィクションです」と注釈づけるところで爆笑。
 好きだなあ……。

【燃える北極光】【白山宣之】【極地探検】【飛行船】【潜水艦】
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「前田建設ファンタジー営業部」 前田建設工業

2007-09-15 | エッセー・人文・科学
 もともとインターネット上の広報企画で、ダムや架橋工事を得意とする大手建設会社が、マジンガーZの格納庫やら銀河鉄道999の発着用高架橋の設計施工を真面目に検討し、試算するというもの。雑誌「ガンダムA」では地球連邦軍本部ジャブロー建設工事の見積をしてましたね。
 あくまで現在の技術と工作機械と建設素材で実現させるという前提なので、「提示された予算と期間さえもらえば造る」と豪語するところがミソ。アニメのビデオや設定書を検討して寸法や構造を解析し、必要に応じてその分野の専門家に相談したり複数の会社に見積らせたりするプロの仕事に脱帽。ふざけた企画は真面目にやるから面白いんです。
 単行本化されたのは、とりあえず『マジンガーZ』編と『銀河鉄道999』編まで。サイト掲載分に加え、その後の各種イベント等での経過報告などが付け加えられ、実際に製作されたプレゼンテーション用模型の図版が泣かせます。

【前田建設ファンタジー営業部】【前田建設工業株式会社】【幻冬舎】【見積もり】
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「果てしなく青い、この空の下で…。」 TOPCAT

2007-09-15 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 時代の流れと共にいちばん変わった気がするパソコンゲームは、アドベンチャー・ゲームかもしれません。今となってはどこまでがアドベンチャー・ゲームといっていいのか難しいくらい、RPGやシミュレーションと融合したりしています。単に絵がきれいになり、動きがつき、声が出る……といった以上の変化です。なにをアドベンチャー・ゲームと呼ぶのかも難しい話。ま、ここではパソコンで観ることができ、選択肢が選べるストーリー作品とでも定義しましょうか。
 確かに、昔ながらの「パソコン紙芝居」みたいなもの(途中に選択肢とかある場合もありますが、基本的に画面に表示される絵と文字を順番に読んでいくだけのもの)も多いかも知れません。でも昔のアドベンチャーって、本当に不条理で不親切なものばかりでした。確実に正解を選び続けない限り、いきなり死亡(バッドエンド)か、選択肢がなくなって前にも後ろにも進めなくなるもの(フリーズ)ばかり。ろくなヒントもなしに壁を叩き破って臼を手に入れないとゲームオーバーってなんですか? しかもストーリーと呼べるほどの中身もありません。どれもこれも「フィールドをうろつきまわりアイテムを全部回収できたらクリア」程度のモノ。今はどれも最低限、短編小説程度のストーリーはありますからね。
 『スターアーサー伝説』とか『デゼニーランド』とか、あれ、なんだったのさ。

 黎明期のクソゲーにまみれたおかげで、ジャンルとしてのアドベンチャー・ゲームへの評価は甘くなり、またその反動でシナリオの好みは五月蠅くなりました。人が絶賛する作品でも「悪くはないよね」程度の評価となってしまいます。
 今はマルチ・シナリオと呼ばれるタイプばかりですが、ぼくの好みは途中でストーリーが分岐しても、それが1つの物語の別々の側面に過ぎないというもの。ロングヒットな『To Heart』やノスタルジックなロケットSF『ロケットの夏』も評判は良いし、ストーリーも悪くないしシステムも上々でしたが、個人的な好みとして満点はあげられない(エラそうに……)。
 結局、自分の好みは「ネットゲーム」であり、「途中でストーリーが分岐しても、それが1つの物語の別々の側面に過ぎず、全部シナリオをクリアして初めてストーリーの全体像が把握できる」という作品なんですよ。

 そんな数少ない好みの作品の1つが、『果てしなく青い、この空の下で…』というノベル形式のアドベンチャーゲーム。来年の廃校が決まった高校を舞台にした1年間の物語です。
 春夏秋冬の4パートに分かれ、春先は牧歌的な田舎の学校ストーリーなのですが、やがて村に伝わる伝承がクローズアップされ始めて夏には伝奇風になり、その過程で学校の用地買収や村の秘密をめぐる組織的な暴力の横行や猟奇画家の存在が重要性を帯びて秋にはバイオレンス性が強くなり、そして冬はそれまでの選択肢の選び方(まあ、もっぱら5人のヒロインの誰に関わってきたか)で、ホラーになったり、猟奇になったり、バイオレンス伝奇ロマンになったりするというものです。
 で、無事にヒロイン5人全員をハッピーエンドでクリアすると、民話風なエピローグが追加され、さらに追加シナリオへ突入するのですが……シナリオの構成がうまいんですよね。1つ1つのストーリーにも起承転結はついているのだけれど、どこか釈然としない部分が残り、それが全部のストーリーを知ることにより、合点がいくという展開(それでもかすかに残る疑問はクリア後に到達できるオフィシャルサイトの隠しページの小説にて確認)。
 こういう物語の場合、シナリオ相互の関係は「舞台と登場人物が共通しているだけの別の話」「物語の中身は変わらずメインの登場人物だけが違う」ことになりがちですが、これは「1つの物語の角度を変えて見ているだけ」なのです。しかも追加シナリオの様子だと、どうやら主人公は実はすべてのシナリオを同時に体験している模様。ハーマイオニーもびっくりです。すべてハッピーエンドを迎えてしまっている5人のヒロインをいかにさばくか、主人公の超人的な奮闘ぶりが泣かせます。
 地味な作品ですが、今でも評価は高い……というか(2000年6月の作品にもかかわらず)取引価格があまり下がっておらず、2002年2月にはプレイステーション用ソフト『どこまでも青く…』としてリメイクされています。

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