付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「うつうつひでお日記DX」 吾妻ひでお

2009-12-13 | エッセー・人文・科学
 吾妻ひでおの私的マンガ日記にメイド喫茶探検記『ひでおのロリアル探検隊』、江口寿史のあとがきマンガを収録した文庫版です。もちろん、あくまで日記なので山もないしオチもありませんが、それで正しいのです。「だめだこの日記って、ただの引きこもりの読書感想文だ!」って、そのとおりなんです。
 ベストセラーとなった『失踪日記』が描き上げられてから、出版してくれるところを探して転々としていた顛末からそれが刊行されての反響までがフォローされているので、そのあたりは要チェック。買ったまま読んだ感想のない本が気になって気になって仕方がありません。
 日記は既に読んでいたけれど『ひでおのロリアル探検隊』が未読だったので、それだけでも十分に得した感じです。

【うつうつひでお日記DX】【吾妻ひでお】【図書館】
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「アクセル・ワールド1」 川原磔

2009-12-13 | VRMMO・ゲーム世界
「だめだ……投げちゃ駄目なんだ。負けるにしても、足掻いて足掻いて、見苦しく負けろ。せめてそれくらいできなきゃ、あの人の駒にすらなれない」

 かっこ悪くてぷよぷよで弱虫。今では当たり前となった仮想空間でのアバターもピンクのブタ。それが中学生ヒロユキだった。
 そんなヒロユキが美貌の生徒会副会長<黒雪姫>から与えられたソフトは、使用者の意識を加速するプログラム<ブレイン・バースト>だった。1000倍に加速された体感時間を利用すれば、試験で好成績を獲得することもスポーツでヒーローになることも夢ではない。
 だが、その<ブレイン・バースト>を使用する条件は、この加速世界でアバターを使って戦い続けることであり、負けてポイントをすべて失えば<ブレイン・バースト>を二度と使えなくなってしまうのだ……。

 誰もが首筋にニューロ・リンカーを装着していて、あたりまえのように仮想空間と現実世界がリンクしている未来。言ってしまえば『電脳コイル』みたいな時代。そして<ブレイン・バースト>を使用できる第一条件が「生まれたときからニューロ・リンカーを装着していること」であり、その開発から10数年しか経っていないのでトッププレイヤーといっても中坊。それゆえにトッププレイヤー集団が現状維持で満足してしまい、ゲーム世界が停滞してしまったという状況に、ゲームをするならクリアをめざせ!と殴りこみをかけた姫と騎士たちの物語。

 パッとしないいじめられっ子がある日突然美少女に見初められて力を与えられて……というので単なる願望充足小説かと思ったら、お話としてきちんと面白かったので続きも読みましょうと決意。世界設定としてはうえお久光の『シフト』と似ているかな。負けたら二度と戻れないゲーム世界でクリアをめざす話というあたり。
 面白くて絵も好きだけれど、表紙イラストの脚の付け根が気になって仕方がありません。

【アクセル・ワールド】【黒雪姫の帰還】【川原磔】【HIMA】【電撃文庫】【アバター】【リアル割れ】
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