付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「暴風ガールズファイト」 佐々原史緒

2011-08-11 | スポーツ・武道
「誰かに叶えてもらおうなんて思う時点で、その願い事はもう間違っているのよ」
 生まれながらの“委員長”、麻生広海の言葉。

 広海は生まれながらの頼られ気質。初等部の頃から中等部を卒業するまで、常に学級委員長だったし、高等部に進学してもやはり委員長。
 そんな彼女の前に現れたのはアメリカ帰りの編入生、五十嵐千果。小さな身体にあふれるパワー。彼女の目的は聖ヴェリタス女学院のラクロス部を日本一にすることだというのだが、誰もラクロス部どころかラクロスという競技そのものを知らない。
 でも、入学案内のパンフレットには、ちゃんと「ラクロス部」の名前が掲載されていたのだ……。

 廃部寸前だったマイナー競技のサークルを、元気娘たちが集まって「日本一」を目標に建て直していく話。『里見八犬伝』でも『七人の侍』でも、こういう話は最初のメンバーが集まるまでが最初の山場なんで、ここが面白く書けていたら傑作は保証されたようなもの。そして、確かに面白かったのです。
 部活小説を総チェックしていて見つけた掘り出し物。掘り出し物というのが哀しいくらい面白い話で、素直にヒットしたのを「こんな話が!」といって見つけたかった。一般レーベルの小説でも、学生スポーツをテーマにした作品は多くはないけれどちょこちょこあって、メディア・ミックスでヒットしてたりするけれど、それらと比較しても遜色なし。

 マリア様が見守るカソリックの女子高(スール制度なし)を舞台にした、美少女スポーツ根性もの。
 いやいや参加しつつも陥れられてぷっつん切れ、ダークサイドに本領を発揮しはじめる委員長とか、コンクールの優勝常連の合唱部の元部長で「優勝するとわかっていることをやってもつまらない」と参加してくるお嬢様の負けず嫌いぶりとか(妖精さん付き)とか、良いキャラがそろってます。
 無理ムチャ無鉄砲でノーテンキ元気娘の千果は普通にスポ根もののヒロインなんで、彼女ではなく委員長を主人公に持ってきて正解。

【暴風ガールズファイト】【佐々原史緒】【倉藤倖】【ラクロス】【マリア様がみている】【ふたりはプリキュア】【妖精さん】【フィールドの格闘技】
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「角川映画主題歌集」 EMI

2011-08-11 | その他フィクション
 角川映画の35周年記念版として発売された、映画主題歌集。
 といっても、角川春樹時代の前半、1980年代なかばまでの代表作しか収録されていないのだけれど、だからこそ自分たちの世代にはドンピシャ。ただ、できれば『蒲田行進曲』とか『天と地と』あたりまでは入れて欲しかったかな。『少年ケニヤ』とか『時の旅人』などのアニメ作品と同様に他でCD化されているから、どうしても聞けないものではないですが。

 角川映画といえば小説とのメディアミックスでヒットを飛ばし、「鵺の鳴く夜は恐ろしい」「母さん、ぼくのあの帽子、どこへ行ったんでしょうね」といったワンフレーズが印象的なキャッチコピーが流行したものですが、仲間内での評価は「予告編は最高っ!」でした。
 豪華な予算をかけ、良い役者や音楽を用意するのだけれど、完成品を観るとどこか冗長。もうちょいテンポ良く編集すればいいのにと素人がバラエティ誌を読みながら勝手な床屋談義をして、あとであらためて予告編を観るとむちゃくちゃカッコイイ。そんな気がしたものです。
 とりあえずローズマリー・バトラーの「光の天使」が安価に聞けるようになったのはありがたいなーと思ったのでした。

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