付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「赤胴鈴之助」 原作:武内つなよし

2011-08-27 | 時代・歴史・武侠小説
 1950年代の少年マンガが原作にあり、そのラジオドラマがあり、映画があり、テレビドラマになり、そしてアニメ化。
 時は江戸時代末期。北辰一刀流・千葉周作の道場に入門した少年剣士、赤胴鈴之助が活躍する冒険活劇で、原作やラジオ番組はいざ知らず、アニメについてはスチームパンク時代劇。
 最初のうちは、謎の怪人一本足やら虚無僧が跋扈し、兄弟子との確執を交えながら幕府転覆を謀る鬼面党との戦いを描いていたけれど、全身が武器の鎧に身を包んだ青銅鬼が登場したあたりからおかしくなり、蝙蝠型の飛行メカに水中を手漕ぎで進む水中竜、果ては鬼面戦車とスペクタクル巨編に。
 そんな冒険活劇を毎週の楽しみにしていたのだけれど、好きだったのは傘張り浪人の波野十蔵。長屋で日がな一日ごろごろしているか傘を作っているという野暮ったい親父なのに、ときどきこっそり出没しては主人公たちの窮地を救う謎の人。
 こういう大人が登場するのがジュブナイル。主役は子供で、彼らが奔放に大活躍していても、どこかで見守っていて、いざというときにはこっそり手助けしてくれる大人の存在が重要なのです……と思うのは、自分が少年探偵団世代でもあるから。かっこつけしいの明智探偵は魅力的ですよ。客観的に見たらひどい大人だけれど。

【赤胴鈴之助】【東京ムービー】【武内つなよし】【北辰一刀流】【荒木伸吾】【金田伊功】【近藤喜文】【宮崎駿】【真空斬り】
コメント (3)
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「ゴールデンタイム3 仮面舞踏会」 竹宮ゆゆこ

2011-08-27 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 未成年なのに呑んで酔っ払ってゲロを吐いたり、自転車泥棒で警察に捕まったりするような女だけれど、多田万里にも彼女ができた。もちろん加賀香子だ。
 けれど、互いに手探りながら男女交際を続けようとする万里に、ちらほらと失われた記憶が戻る兆候が現れる。もう存在しない高校生活、好きだった少女……。

 完全な記憶喪失で、大学入学の前後で別人生になっていることを除けば、万里の日常はありきたりの大学生活。ありえないとはいわないけれど、今も未練が残る“昔好きだった女性との再会”なんか、あまり羨ましいとも思えない。とりあえず足りないのは、雀荘に通ってヤニ臭くなるのと免許とってスクーターや原付自転車を乗り回すくらいかな。
 あらためて考えると、駒都えーじのイラストこそインパクトがあるけれど、ライトノベルというよりは一般文芸的な青春小説になってますね。

【ゴールデンタイム3】【仮面舞踏会】【竹宮ゆゆこ】【駒都えーじ】
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