付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「学園戦記ムリョウ」 監督:佐藤竜雄

2011-08-22 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 体調悪いし、仕事も忙しい時期に、ぽっかり空いた連休なので、買ったまま視てないDVDとか読まないまま本棚1つ分の本に……手を触れないまま、既に何度も読んでいる『マリア様がみてる』を読み返しながら、DVDで購入してこれまたさんざん視ている『学園戦記ムリョウ』全26話を一気視。
 で、前にも書いたけれど『学園戦記ムリョウ』について、もう1回。

「それはウチの息子とその友達だよ。友だちを助けに行くんだ」
 突如地上から飛び立った謎の飛行物体を観測した宇宙開発センターに伝えた村田和夫の言葉。

 湘南地方の天網市、その御統中学2年C組委員長の村田ハジメは、体育館の屋根の上で決闘騒ぎを起こした転校生と生徒会役員を制止しようと飛び込んだことから、1万年に渡る銀河系の戦いに巻き込まれることになる……。

 結局、主人公は生身のまま冥王星軌道くらいまでは飛んでいって宇宙戦艦とつぶし合いができるムリョウくんでもなく、町の地下に眠るシングウの力を引き出して式神を模した巨人に化身し宇宙からの脅威に立ち向かう守山ナユタでもなく、ただ武道の技だけで宇宙人の戦闘兵器を投げ飛ばす峯尾ハルミでもなく……何も知らなければ、何の力もない村田ハジメってとこが、この作品のスタンスを如実に著してます。そういうところが少年ドラマシリーズっぽいです。
 たとえ、主人公の友人たちが宇宙からの侵略者(?)と戦っていようと、裏ではもっと大きな動きがあります。学園祭だ体育祭だと大騒ぎしている学園の外では、地上ルートで侵攻する異星人の歩兵部隊との死闘が続いて日本全国で人知れず死屍累々……というコントラストが良い感じです。
 でも、最後に、誰もが打つ手がなくなったときに、途方に暮れていたり、諦めたりしているときに、最後の手段をみつけて動くのは他の誰でもなく村田ハジメくんってあたりが学園戦記なんです。

 というわけで、連休費やして全話視聴。
 有意義な休みでした。(2009-01-12)

 お盆休みから毎晩1巻ペースで視聴してきた『学園戦記ムリョウ』もこの8巻で決着。
 25話に登場するベルン星人は、ウルトラマン+スペクトルマンといった趣。まだ中学生の少年少女にすごいチカラがあり、それで地球を護って戦うのだけれど、そんな彼らを陰から支え、時には戦いに斃れていく大人たちがいるという、古き良きジュブナイルの文法+90年代のアニメ技法で作られた傑作。
 ライトノベルだと、子供たちが大人たちと対立したり、物語中に大人が登場しなかったりすることが多いのだけれど、「子供たちは、大人の力を借りつつ障害を乗り越え、結果的に大人たちを超えた存在になる」というのがジュブナイルの典型的なストーリー構造で、それゆえに大人はあくまで縁の下の力持ちであり脇役にすぎないのだけれど、彼ら無しでは物語が終わらないのも事実なのです。
 子供の視点で見れば大人は邪魔者にすぎず、大人不在で好き勝手できればサイコーというのは本音だろうけど、大人としては踏み台になって自分たちのその先に送り出してやりたいよね。
 ツイッターで見る限りはファンは多いようだけれど、DVDが売れなかったというのもまた事実。1巻と比較すると8巻のボックスはショボく、よくぞ最後まで出してくれたと感謝するレベル。

【学園戦記ムリョウ】【佐藤竜雄】【NHK】【宇宙人の血】【宇宙外交】【星間大戦】【幼年期の終わり】
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「釣りガール」 山田典枝

2011-08-22 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「釣りに謙遜は禁物。持つべきものは謙虚だけ」
 鮎川光太郎の言葉。

 時代劇で日本語を覚えたという帰国子女、美鈴が入部しようとしたのは「釣り部」だった…….

 魚をさばくことはできないし、エサの虫を付けるのもできないけれど、魚が好きだから釣りというものをやりたいと飛び込んできた少女を、人間ソナーの釣りバカ少年と潔癖性の理論派が四苦八苦して受け入れていく話。

 せっかくの釣り小説なので、イラストなどで釣りの道具やテクニックを解説してくれると分かりやすいのだけれど、そもそも表紙以外はキャラクターのバストショットばかりで、魚といえばメダカみたいなワカサギらしきもの1箇所だけ、道具といえば竿の握り部分しか絵になっていないので、なんの助けにもなってません。残念。釣りキチ三平学園篇みたいなものを期待するとがっかり。
 話は本当にご都合主義かな。予備校の社長さんは、今までやってきていた逆恨みの粘着気質の行動が最後の最後で突然ひっくり返る言動不一致。こんなことで和解するならそもそも10年かけて復讐なんか考えていないって。行方不明の光太郎の姉さんの行動にも説得力なし。今となってはツッコミどころ満載な30年前のテレビドラマを観ているかのよう。

【釣りガール】【山田典枝】【玖条イチソ】【ワカサギ釣り】【ルアーフィッシング】【釣り堀】【金魚釣り】【ヤマメ釣り】
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