付け焼き刃の覚え書き

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「A君(17)の戦争8~うしなうべきすべて」  豪屋大介

2011-08-14 | 異世界転移・召喚
「夏の日の美少女の大イビキ、なんだかムチャクチャ萌えるんスけど」
 MNNのテスト放送波。

 魔王軍はネットワークによる指揮統制システムで少ない部隊を効率的に動かし圧倒的な敵に対応してきたが、ついに魔都ワルキュラが戦場となる。
 ランバルト軍は戦闘兵力25万、兵站支援の軍属25万という、この世界のシステムとしては限界とも言うべき最大規模を達成している。一方の魔王軍とて剛士のカリスマによって20万の志願兵が集結している。
 けれども、徴兵制を導入して国家総動員にしてしまえば、個体の能力としては人間以上の魔族による1000万の軍勢が用意できたはずのだが、あえてその道を選ばなかったのは……。

 国家とは何か……というところから始まる8巻です。
 政治指導者がこまごましたことに口出ししても百害あって一利なし。国民が自分の気持ちを政治に反映させたければ、選挙で投票するとか自分で立候補するとかクーデターを起こせばいいのだという、著者の割り切りには納得。国の指導者は国家を動かすことに専念すればいいのであって、100円200円のカップ麺レベルの問題は眼中になくて良いのだ。

「ギャグは技術です。だからこそパターンに慣れるだけで笑えますし、古くもなります。しかしユーモアは精神的な姿勢です。本質を掴んでいる限り、決して古びません」
 ランバルト軍軍師ナサニア・ゴローズの言葉。人材に恵まれているのは、敵も味方も同じ。『人事ほど理想論から遠いものはない』というけれど、少なくとも魔王領もランバルトもその点はクリアしている。それゆえにその先が悲劇となるのだけれど。

 7巻のあとがきで「本巻より開幕のA君後半戦」といってましたが、すでに8巻で予定より延びているようで……。

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