付け焼き刃の覚え書き

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「デュラララ!!×10」 成田良悟

2011-08-30 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 若者同士のグループが混ざり分かれ、名前を変えて中身を変え、ぶつかりあうのもそろそろ頃合い。さすがに目に余るとヤクザが動き出し、他にも組織がいくつも動き出す……。

 あと3冊かそこらで完結予定ということで、物語が大きく動いたというか、起承転結の転というか、ぐちゃぐちゃのカオス状態になった鍋の中身が土間にぶちまけられたまま派手に流れていくような状態。
 もともと群像劇ではあったのだけれど、メインキャラクターが『易きになじまず、難きにつく』みたいな精神は良いのだけれど、結果的に状況をぐちゃぐちゃにしているだけなので見ていて辛い。若さゆえの過ちというか、バカさゆえの過ちというか、未熟な人間が自分にしか通用しないスジを通そうとしたあげく、周囲を巻き込んでるんだよね。
 そのぶん、ヤクザは(悪い意味で)ヤクザしてるし、警官は(良い意味で)警察してるので一安心。あるべきものが名目通りの場所にはまってくると安心します。

 普通の作者だったら、このまま投げてしまうのだけれど、なんでもかんでも収拾つけて辻褄合わせ、あごが外れるような結末を見せてくれる成田良悟なので、ここは頑張って後を追いましょう。

【デュラララ!!×10】【成田良悟】【ヤスダスズヒト】【電撃文庫】
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