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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

1973年のピンボール

2009-10-10 20:07:13 | 村上春樹
村上春樹 昭和58年講談社文庫版
はい、一昨日、読めもしないのに「純粋理性批判」を買ったことを書きましたが、なぜ私がカントを手に取ったかというと、これです。
この村上春樹の初期の青春三部作とか言われてる(いまや言わねーか誰も?)のの第二弾、1973年のピンボールに出てくる「僕」が、純粋理性批判を読んでるんですね、作中で。
双子の女の子と暮らしながら、スタン・ゲッツを聴いて、カントを読む。
遊んでくれる双子の女の子は周りにいないし、ジャズに興味ないし、私がマネできんのはカントを読んでみることだけだったんで。

んで、この小説のタイトルは「3フリッパーのスペースシップ」というピンボール台が、物語のなかに出てくるからなんですが、それはいいとして、登場人物のピンボール・マニアというひとが、大学の講師という設定になってます。
そのひとのセリフ、「大学でスペイン語を教えています」に続く、「砂漠に水を撒くような仕事です」というフレーズが私はいたく気に入っていて、これを読んだのは高校のころだったんだけど、その後就職して自分の仕事について語るとき、この言葉を使わせてもらったことがあります。
コメント
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