many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

頼むから静かにしてくれ

2009-10-15 20:14:02 | 読んだ本
レイモンド・カーヴァー 村上春樹訳 1991年 中央公論社
きのうのつづき、村上春樹の翻訳といえば、レイモンド・カーヴァーでしょ。
レイモンド・カーヴァー全集、全8巻の第1巻ということだが、私はこれ一冊しか持ってない。
正直いって、村上春樹が傾倒するほどには、私はカーヴァーを読んでも面白いとか思わないんである。
やっぱ、短いなかに起承転結とかオチ(カーヴァー言うところの“チープトリック”)を求めて読書してたガキのころの習性から脱け出せないからかもしれない。
カーヴァーのタイトルを訳すのは難しいと村上春樹は言ってるけど、言われてみて改めて今気づいたんだけど、この短編集でも原題のいわゆる直訳ぢゃないのがいくつかあります。
「They're not your husband」は「ダイエット騒動」
「Why,honey?」は「嘘つき」
「Nobody said anything」は「サマー・スティールヘッド」
サマー・スティールヘッドというのは、何のことか私は知らなかったんだけど、「夏にじます」(魚)のこと。ただのニジマスとどう違うのかは相変わらず知らないままだけど。
ほかにも原題の単語を辞書的意味のまんまぢゃ訳になってないとして苦労したみたいなのに、
「The idea」は「人の考えつくこと」
「Signals」は「合図をしたら」
になってます。
表題作「Will You Please Be Quiet,Please?」は、『僕が電話をかけている場所』のあとがきでは「どうかお静かに」という題で紹介してたんですが、この全集を出すときには変えてきたようです。
「頼むから静かにしてくれ」というタイトルと、
>十八にして初めて親元を離れることになったとき、ラルフ・ワイマンは父親から助言を与えられた。
という書き出し。たしかに、このあとにつづいてくる物語は何なんだろうって、読みたくなってくるってことには異論がないです。
コメント
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