![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/b4/f31611a354c5f059ef32aa0af872a659.jpg)
古本市には、何故か、展覧会のパンフが沢山あって、その内3冊を迷わずGETした。
本書は、その内の一冊。
平山画伯が、1983年に開いたインドをテーマにした展覧会だ。
今から、30年近く前の展覧会で、今でも有名な絵も多いが、インドを旅した時の風景、仏像、人々のスケッチがすばらしい。
私が、カメラでスナップショットをとるような手軽さで、すばらしいスケッチをどんどんされたのではないかと思うほど、多くの絵を描かれている。
私が、行ったところもだんだん多くなってきたが、まだまだ行ってないところの方が多い。
特に、パキスタン、カラコルムハイウェイ、ラダック、カシミールなどは、まだ足を踏み入れたことがないが、画伯は、そこで多くの絵を描かれている。
薬師寺の壁画の中央に、ヒマラヤの絵を据えたが、まさにこの世界最高峰の山々が、仏教や、ヒンドゥ教を生んだ源と考えられたのだろう。
薬師寺の高田好胤さんが序文を書き、梅原猛さんや、山本健吉さんが、評論を書き、後書きでは、奥様が、取材同行記をお書きになっている。
ちょうど薬師寺の西塔が落慶し、玄奘三蔵院が建立され、これから平山画伯が、壁画を書き始めるというタイミングで開かれた展覧会。
ちょっと長くなるが、高田好胤薬師寺管長の言葉を載せさせていただく。
「この玄奘三蔵院の壁画に平山郁夫画伯が、三蔵一代を物語る求法の大精神を絵筆をふるって描きうずめて下さいます。冒頭に述べましたごとく、そこに玄奘三蔵不東の旅を追体験され、ご遺徳顕彰に力を尽くされる画伯の精神も、いうなれば絵の道、画業における不東の精神そのものです。そこに、玄奘三蔵と平山画伯の魂の合体を感じずにはいられません。同時に玄奘三蔵不東の旅、天竺への道、これはこれからの世の人々を励まし導き続けるであろう余りにもい大なる永遠の道であります。また世に人々は、この道をシルクロードと申しますが、私共にとりましては、”仏教伝来の道”であります。合掌」
高田管長は、この壁画の完成を見ることができなかったが、この時書かれたその通りのすばらしい壁画が20世紀の最後の日に完成し、その最後の筆入れを、偶然にも、TVでリアルタイムで、私は、見ることができたという訳だ。