
大原美術館の中に、新渓園と呼ばれる建物があり、何やら行列ができていた。聞いてみると、年に3回しかない、備中神楽を演じる日だという。
これも何かの縁と思い、見てみることにした。
時間が午後3時から夜8時半までかかるということで、残念ながら、前半の前半しか見れなかったが、今まで見た神楽より、ストーリー性が感じられ、エンターテイメントの要素が強められているように感じた。
まずは、導き舞と呼ばれる、猿田彦の命の由来を説明する舞から始まった。

そして猿田彦の舞。猿田彦の命は、天孫降臨の際、皇孫の一行を迎え、筑紫の日向の高千穂のクシフルの峯(たけ)まで道案内した神だ。

そして、国譲りの話が始まる。まずは、大国主との国譲りの交渉のため、経津主(ふつぬし)の命と、武甕槌(たけみかづち)の命の二神が踊る。

そして、中津国の支配権を持つ大国主の命が登場。

大国主の命は、聴衆に福の種とまく。ここで、退席したが、この後、大国主の命は、国譲りを決定することになる。
後半は、大蛇退治の話だったが、さぞ、ダイナミックな場面が繰り広げられただろう。
見られなくて、残念だったが。

こちらが、大国主の命からいだたいた、福の種。
説明書によると、備中神楽は、江戸時代に、旧来の荒神神楽に、天の岩戸、大国主の国譲り、大蛇退治の話を加えて完成したものという。
西日本の神楽は、出雲神話に基づいたものが多いというが、その通りであった。