本書は、知り合いからの紹介で、ゲット。本屋に並んているのは、見てたけど、この手の本は多いし。
シカゴ駐在時代、やはり、GMや、Searsなど、従来の一流企業が凋落していく時期で、その時代も、この手の本を、多く読んだ。
ということで、見送っていたのだが。
Haunted という単語は、あまり使わないが、Haunted Mansion から想像するに、幽霊が出るということか?
とすると、Appleは、もうお化け屋敷になってしまったのか?
邦題を、沈みゆく帝国という。
日系ジャーナリストの岩谷さんが、Steeve Jobs亡き後の、apple社のことを、徹底的に取材し、仕上げた大作だ。
英文の本を、井口氏が邦訳した。
岩谷さんは、日本語も可だが、当然英語の方が得意なのだろう。とにかく大作だ。
内容は、とにかくよく調べてあるという印象。
どこまでがパブリックインフォかわからないが、新聞や、雑誌で、目にしたApple社についての情報が、系統だてて、詳細に、説明してあり、Steeve Jobs亡き後のApple社が、ふつうの会社になりかけていることを、力説する。
Siriや、Mapの、みじめな失敗、数々の泥沼訴訟、疲弊するサプライヤー、低下するiPhoneのシェア、iPad以降、画期的な商品が出ていない現状等を見ると、apple社が変調を来たしているのは、客観的にも明らかなのだが、appleの神話を信じたい信者には耐えられない内容だろう。
ティムクックも名指しで本書を批判したとされるが、それまでもが、本書の宣伝に使われてしまっている。
若かりしころのSONYと、今のSONYとの違いを肌感覚でしっている我々世代には、首肯できる内容だが、Steeve時代のような時代を変えるプロダクツを作れなくても、競争力のあるプロダクツを供給し続けることは、できるばず。
iPhoneの新型についての憶測ニュースが流れているが、騒がれる時代も、だんだん過去のものになっていくのかもしれない。そもそも、あのような画期的な商品、ビジネスモデルがこれからできるのか?
ということで、これからのapple社にも期待したい。
apple社に興味のある人は、マスト。