昨日は、久しぶりに雪が降った。
今日は、午後から、伊豆に行く予定。
いい天気になりそうで、よかった。
しばらく続いた、別冊太陽シリーズもラスト。
本署は、ダ・ヴィンチが亡くなって500年の2019年に出た1冊。
前にも、2019年に出た新書の1冊を紹介したが、こちらは、大判で、ひじょうに効果的に大型の写真が掲載されている。
ダ・ヴィンチというと、天才のイメージがあるが、本書は、彼の人生、成果をポイント毎にまとめ、決して、天才ではなく、自由な発想を持った、マニアックな人物であったと分析する。
例えば、彼が考えた兵器類や、飛行機類など、実用性に欠けるものだったし、絵や彫刻類にしても、完成まで至ったものはそう多くはない。
それに比して、研究メモ、デッサン、論文などは、全部残っているわけではないが、途方もない量のものが残っており、壮大な計画を立て、その資料等も膨大に収集するも、完成に至らなかったものが多いことが明らかだ。
その一つの原因としては、フランスとイタリア諸国との戦争、パトロンの失脚など、彼自身のせいではないものも多く含まれる。
そういう時代だった。
結局、その結果、ダ・ヴィンチは、フランスでその生涯を終えることになり、その結果、ルーブルに名画が残されることになった。
完成した彩色画は、あのフェルメールよりも少なく、幸い、かなりのものをこれまで見ることができた。
中でも、最後の晩餐は、1981年の最初のヨーロッパ旅行の時、タクシーでわざわざ見に行ったのに、足場が組まれており、暗くてよく見えなかったが、直近の旅行では、約40年振りに、修復なった最後の晩餐を、心おきなく見ることができた。
その運命についても、詳しく書かれているが、フレスコ画で描けば、まだよかったものを、遅筆のダ・ヴィンチは、テンペラ画法を用いたため、20年もしたらボロボロになり始めたという。
修復を重ね、戦災をくぐり抜け、今ここで見れるのは、まさに奇跡。
近時のオークションでとんでもない値段で1枚落札されたが、その絵にしても、従来は、ダ・ヴィンチのものとは考えられていなかった。
それほど、ダ・ヴィンチの本物を見分けることは難しい。
洋画ファンであれば、1冊手元に置いておいて、悔いのない1冊。