次回の大河ドラマにちなんだ1冊が、NHK出版から出たので、早速ゲット。
いろいろご縁のある渋沢栄一のドラマなので、久しぶりに見ようと思っている。
番組ガイド的な本かと思ったら、全然違っていて、渋沢栄一のことを知るための、わかりやすいガイドブックという感じだった。
著者が、様々な分野の研究者や、作家で、やや重複感のある寄稿もあったが、結構専門的に書かれている部分もあって、写真も多く、楽しく読めた。
よく語られている内容と、意外と知られていない内容が、交互に出てきて、特に最新研究のコーナーでの、西郷隆盛との交流や、徳川慶喜公伝編集への思い入れの部分など、あまり語られていなかった部分がより興味深かった。
また明治維新の際、幕政時代の処理を、喧々諤々の議論の中で、進めていく様は、渋沢栄一の面目躍如というところ。
明治維新の前に、ヨーロッパの世界を視察する機会を得て、理想とする世界が見えていたからできたことかもしれない。
起業活動が落ち着き、民間外交、平和主義の活動に軸足を移した段階で、日本がそろばんに傾き過ぎる方向に動いていることに気づき、論語=倫理の重要さを再度強調した活動に注力した姿は、今の世界、日本を見ると、極めて興味深い。
若かりし頃のすさまじい体験から生まれた信念を貫いた人だった。
幅広い層に受け入れられるドラマとなるといいのだが。