無事伊豆から帰ってきた。
早めに帰ったので、渋滞も大したことなく。
天気もよく、快適なドライブ。
本書は、昨年8月に出ていた本。
やっと読んだが、今のトルコについて、自分がほとんど何も知らなかったことを知った。
特に、エルドアン政権って、専制的な政治を行っているのではと感じていたが、あくまでも民主的な選挙で選ばれており、民意を反映した政治を行っていると理解した。
著者の考え方が、反映しているとは思うが、著者の内藤氏は、長い間トルコと関わって来た人で、そんなに的外れではないと思われる。
そもそも今のトルコは、オスマントルコとは全く異なる国であることを理解しなければならない。
第一次世界大戦後、オスマントルコが崩壊し、トルコの地は、戦勝国の草刈り場になったが、その中でトルコ革命によって、かろうじて残ったトルコが今のトルコの元になっている。
イスラム国ではあるが、宗教を前面に押し出した政治は行っておらず、むしろ、世俗主義を重視した。
この世俗主義という言葉は難しいが、民主主義に近い言葉と理解した。
しかし、このような国の場合、軍を無視した政治は不可能で、常に軍(クーデター)を意識しながらの綱渡り。
この辺は、初期のインドネシアを想起させる。
話をややこしくしているのが、クルド人問題。
トルコは、難民に寛容だが、イスラム教の困窮者を助ける喜捨の精神がベースになっているという。
イスラム教と言えば、前回のエジプト旅行でも多く見た女性の被り物。
ヨーロッパではよく大きな問題になるが、その覆い隠す部分によって、スカーフ、二カーブ、ヒジャーブ、ブルカなどに分類される。
ただ、イスラム教はただ性的なものを隠すように教えているのみで、女性の髪の毛を隠すよう細かく規定されているわけではなく、そこは地域や、宗派毎の運用の問題なのだという。
それが、命がけの論争になってしまうのが、イスラム教なのだが、トルコはそのイスラム教原理主義とは、一線を画して、世俗主義を前面に出そうとしている。
そしてそれが、永年のEURO加盟問題につながる。
トルコは、中東に位置するが、トルコ共和国以降、ヨーロッパの一員になるよう努力してきた。
EUROに加盟するための様々な基準を満たすため、様々な改革を行い、前進してきた。
日本ですれ、達成できていない改革(死刑廃止など)も、段階を経て達成している。
NATOには、早い段階で加盟できている。
これは、ロシアやウクライナに国境を接するトルコの地政学的な事情が大きいのだろう。
トルコは、常に国境問題でもめて来て、ロシアとは基本的に仲が悪いが、白黒つけずに、ケースバイケースで、泳いでいくというのが歴史から得た知恵。
日本への感情はいいが、これは、明治時代に、遭難したトルコ船を無償で救助した歴史が大きく影響している(喜捨の精神)。
もちろん、日露戦争で、日本が勝利したことも大きいが。
そして、EURO加盟問題であるが、これは、クルド人の問題と、キプロス島領有に関するギリシャとの軋轢の問題が立ちはだかっているのだという。
これは、ヨーロッパ側からは、トルコは、異質の世界と感じていたことによる。
まさに、西と東の狭間。
エルドアンは、イスタンブールの市長として、目を見張る改革を行った。
貧民層への住宅供給や、観光業発展へのテコ入れなど、シンガポールのリー・クワン・ユーを想起させる。
そして、トルコの大統領に昇りつめたが、本書によれば、究極的なリアリストであるようだ。
辛抱強く、EUROの一員となるべく、改革を続けながらも、ロシア、ウクライナなどの隣国とは、トルコの立場からの是々非々の判断を行う。
アメリカに盲目的に追随する日本とは、大きく異なる。
それだけ、厳しい環境にある。
国内は激しいインフルが続くそうだが、国民は、財産を、外貨や、金に換えて、防衛を図る術を身に着けているという。
これも、立派?
近代トルコの歴史は、複雑で、1回読んだだけで理解したとは言い難いが、今のトルコを知る入門書として、最適な一書と思った。
早めに帰ったので、渋滞も大したことなく。
天気もよく、快適なドライブ。
本書は、昨年8月に出ていた本。
やっと読んだが、今のトルコについて、自分がほとんど何も知らなかったことを知った。
特に、エルドアン政権って、専制的な政治を行っているのではと感じていたが、あくまでも民主的な選挙で選ばれており、民意を反映した政治を行っていると理解した。
著者の考え方が、反映しているとは思うが、著者の内藤氏は、長い間トルコと関わって来た人で、そんなに的外れではないと思われる。
そもそも今のトルコは、オスマントルコとは全く異なる国であることを理解しなければならない。
第一次世界大戦後、オスマントルコが崩壊し、トルコの地は、戦勝国の草刈り場になったが、その中でトルコ革命によって、かろうじて残ったトルコが今のトルコの元になっている。
イスラム国ではあるが、宗教を前面に押し出した政治は行っておらず、むしろ、世俗主義を重視した。
この世俗主義という言葉は難しいが、民主主義に近い言葉と理解した。
しかし、このような国の場合、軍を無視した政治は不可能で、常に軍(クーデター)を意識しながらの綱渡り。
この辺は、初期のインドネシアを想起させる。
話をややこしくしているのが、クルド人問題。
トルコは、難民に寛容だが、イスラム教の困窮者を助ける喜捨の精神がベースになっているという。
イスラム教と言えば、前回のエジプト旅行でも多く見た女性の被り物。
ヨーロッパではよく大きな問題になるが、その覆い隠す部分によって、スカーフ、二カーブ、ヒジャーブ、ブルカなどに分類される。
ただ、イスラム教はただ性的なものを隠すように教えているのみで、女性の髪の毛を隠すよう細かく規定されているわけではなく、そこは地域や、宗派毎の運用の問題なのだという。
それが、命がけの論争になってしまうのが、イスラム教なのだが、トルコはそのイスラム教原理主義とは、一線を画して、世俗主義を前面に出そうとしている。
そしてそれが、永年のEURO加盟問題につながる。
トルコは、中東に位置するが、トルコ共和国以降、ヨーロッパの一員になるよう努力してきた。
EUROに加盟するための様々な基準を満たすため、様々な改革を行い、前進してきた。
日本ですれ、達成できていない改革(死刑廃止など)も、段階を経て達成している。
NATOには、早い段階で加盟できている。
これは、ロシアやウクライナに国境を接するトルコの地政学的な事情が大きいのだろう。
トルコは、常に国境問題でもめて来て、ロシアとは基本的に仲が悪いが、白黒つけずに、ケースバイケースで、泳いでいくというのが歴史から得た知恵。
日本への感情はいいが、これは、明治時代に、遭難したトルコ船を無償で救助した歴史が大きく影響している(喜捨の精神)。
もちろん、日露戦争で、日本が勝利したことも大きいが。
そして、EURO加盟問題であるが、これは、クルド人の問題と、キプロス島領有に関するギリシャとの軋轢の問題が立ちはだかっているのだという。
これは、ヨーロッパ側からは、トルコは、異質の世界と感じていたことによる。
まさに、西と東の狭間。
エルドアンは、イスタンブールの市長として、目を見張る改革を行った。
貧民層への住宅供給や、観光業発展へのテコ入れなど、シンガポールのリー・クワン・ユーを想起させる。
そして、トルコの大統領に昇りつめたが、本書によれば、究極的なリアリストであるようだ。
辛抱強く、EUROの一員となるべく、改革を続けながらも、ロシア、ウクライナなどの隣国とは、トルコの立場からの是々非々の判断を行う。
アメリカに盲目的に追随する日本とは、大きく異なる。
それだけ、厳しい環境にある。
国内は激しいインフルが続くそうだが、国民は、財産を、外貨や、金に換えて、防衛を図る術を身に着けているという。
これも、立派?
近代トルコの歴史は、複雑で、1回読んだだけで理解したとは言い難いが、今のトルコを知る入門書として、最適な一書と思った。