かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ビートルズとすき焼き

2009年07月15日 | The Beatles
guitar
加山雄三さんがビートルズの43年前の来日時に、すき焼きをふるまった話は有名だ。
本人もいろんなところで書いたり、しゃべったりしている。
今日は、その話が、写真付きで、日経に出た。お硬い日経の私の履歴書に、これだけしっかりとビートルズのことが書かれたのは、初めてだろう。
コンサート活動に飽き飽きしていた彼らにとって、日本公演の合間のこの一時は、極めて貴重だったのではなかろうか。
ベンチャーズや、プレスリーに会った時のことにも触れられている。
素晴らしい時代を、素晴らしい人々と共に、生き抜いてきた人だ。

ご案内のように、ビートルズのすべてのCDが、9/9にリマスターされ、再発される。モノボックスもだ。もちろん、予約済み。輸入盤を予約したのだが、説明によると、海外発売版も日本製なのだそうだ。ビートルズが、日本でコンサートを行った奇跡の影響は、限りなく大きい。
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Singlish

2009年07月14日 | Singapore・Malaysia・Indonesia



シンガポールの無国籍料理の話の次は、無国籍言語の話。
といっても、シンガポールは、英語、中国語、マレー語、タミール語の四カ国語を公用語とする多言語国家で、無国籍言語国家ではない。
でも、大学などに行く人は、英語が必須で、実質英語が、共通語だ。ところがその英語、どう見てもなまっている。シンガポール訛りというが、そんな単純なものではない。

このSINGLISHの本は、そのシンガポール訛りの語源をわかりやすく解説してくれるエンターテイメント本だ。
もちろん人口の7割以上を占める華人の言語の影響が強いのだが、マレー語、インドネシア語、福建語、潮州語、何でもありだ。

でも誤解することなかれ。シンガポールのエリート層は、完璧なSINGLISHと、ENGLISHを使い分け、平均でも日本人の英語の能力をはるかに上回る。
逆に、中国語、マレー語などの母国語をしゃべれない人が、問題になっているくらいなのだ。

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シンガポール亜細亜美的食堂

2009年07月13日 | Singapore・Malaysia・Indonesia



これは、ブックオフで衝動買いした本なのだが、中身はしっかりしていた。
国籍不明料理の代表格であるシンガポール料理の分析が、よくなされている。
シンガポール在住4年半の私が言うのだから間違いない。
とはいっても、シンガポールのレストランの栄枯盛衰は、著者も言うように、激しいから、常に最新情報という訳にはいかないのだが。

シンガポールは、もともと人口数十人の島だったのだから、伝統料理などはない。それで、これだけ食通の国になったのは、亜細亜各国からいろんな人が移り住んで、みな勝手にシンガポール料理なる無国籍料理を作りあったからだ。
日本でも、シンガポール料理の店ができてきたから、お試しあれ。

その中での代表格は、海南チキンライスだが、それも肝心の海南島にはないと聞いていた。本書に答えが載っていた。海南島の農民が、畑に行く時、茹でた鶏と茹で汁で炊いたご飯を丸めて持っていった弁当だったとのこと。この説は正しそうだ。

シンガポール在住時代ホーカー(屋台の集まったカフェテリアみたいなところ)で、一品一品食べつくそうと思ったが、あまりの種類の多さに断念した。とにかくすごいバリエーションの食が、リーズナブルな値段で、いただける。食通にとっては、シンガポールは天国だ。

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KMさんの話を聞いた

2009年07月12日 | Topics

man今日は、脳科学者のKMさんの話を聞く機会があった。お題目は、M流『読書のすすめ』。

脳科学者のくせして(失礼!)その本好きは、群を抜いている。
夏目さんの大ファンのようで、ほとんど心酔している。何故か『赤毛のアン』についても、異様なレベルで、マニアック。

そんなとどまるところを知らない話の中で、何度も出てきた言葉が、本は息の長いものという言葉だ。
世の中、ぱっと現れぱっと消えていくものであふれているが(このブログなんかそう)、本は(それらとは一線を画す)息の長いものなのだ。

ということで、本の楽しさを再認識させられた話だった。

自ら、文学をクリエートする側に回る経験も重要だという。そこから、文字の表面を耕すために本を読むという習慣が生まれるという。そうだね。そりゃプロの作品には、学ぶべきことが、そして読めば読むほど、ごろごろある。

最後に、日本語のことについて触れられていた。日本語は、マイナー言語だ。不要論すらある。ただ、この素晴らしい言語は、世界の中でもそうはない。守っていくべき貴重な文化だ。
ただ、一方、日本語が壁になって、貴重な日本の思想が、海外には知られない事態になっている。
文系の学者は、”内弁慶”、”ではの守”で、済んでしまう。”ではの守”とは、アメリカでは、イギリスではと、海外の様子を紹介する論文だけで、のうのうとしていられる状況をいう。
KM氏は、それを克服するには、バイリンガルになるしかないと説く。
それはそうなんだけど、あのシンガポールですら、結局英語国家になってしまっている。国民の多くがバイリンガルになれるほど、有能な国民は、そうはいないということなのだろう。
英語の本場であるアメリカにおけるバイリンガル比率は相当低いはずだ。
この辺が、日本文学の、次に乗り越えなければならない壁かな。
コンピューターの力を駆使して、末曹フ数を爆発的に増やしていくということが、解決方法の一つかな。

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ロシアショック

2009年07月11日 | Books
今日は、ゴルフだった。蒸し風呂の中のような悪環境を覚悟していたのだが、ちょうどいい曇り空で、そよ風まで吹いて、この時期としては、最高のコンディションだった。
そのせいか、スコアもまずまず。ボールを変えたせいもあるか。
次回もこのボールを使ってみよう。



大前研一さんが、こんどは、ロシアの本を出している。あれ、中国シンパじゃなかったんだっけ?そんなことを言っている場合ではない。世の中すごいスピードで変わっているのだ。

この本も結構目から鱗である。

たとえば、2007年に株価インデックスが一番上がった国は?2006年は?では、2003年から2007年までの5年間では?
答えは、順番に、ナイジェリア、ペルー、エジプトである。
それだけ、世の中の知らないところで、大きな動きがあるのだ。

大前さんは、メドベーチェフが一期4年大統領と務めた後、プーチンが返り咲いて、また8年大統領をやるのではないかと本書で繰り返し言っている。そうなるかは、神のみぞ知るだが、それだけ、プーチンの存在感は、大きい。

新生ロシアというと、ゴルバチョフの顔が思い浮かぶが、ロシアでの評価は、国をめちゃくちゃにした人というものでしかない。エリツィンにいたっては、ほとんどアル中。
まさにプーチンが今のロシアを作ったと言える。作ったとはどういうことか。明治維新にも近いものがある。
マフィアを退治して地下経済を表の経済に浮上させ、ロシア経済を復調させ、それによって、対外債務を返済し、ロシアを債務国家から、債権国家に転換させ、外向的にも”強いロシア”を復活させたのだ。
環境の変化もあっただろうが、8年間で、これだけの仕事を成し遂げる政治家はそうはいない。

ロシアと比較した場合、中国にないものは人材と資源、インドにないものは資源である。そして中国にもインドにもないものは、ハイテクだ。そこまで言うかという感じだが、教育水準の高さは、群を抜いていいるようだ。昔は、その頭脳が外部流出していたのだが、今は、ロシアの中にとどまっている。

もっと面白い話がある。それは、ロシアの日本好きだ。ロシア人の74%は、日本を非常に好きかまあ好きと答えている。ブラジルは68%、インドは、60%、中国は、21%だ。それに引き替え、日本がロシアに好意をいだいているのは、たったの15%。
すごいGAP。これは、日露の度重なる不幸な歴史によるものだが、ロシア側には、まったくその認識がない。けしからんというのは、勝手だが、不幸な歴史を乗り越えて、今の日米関係、日中関係があるのだ。過去に永遠にとらわれていても、進歩はないだろう。そして、たまたまプーチンは、大の親日家だ。

ロシアとの付き合い方の10カ条が紹介されている。
1、ロシア人と共に、ロシアのために働く。
2、ロシアのルールを尊重しつつも、自分の流儀を忘れない。
3、政府や各種行政機関との関係を構築し、人脈作りに励む。
4、核心に対しては断固たる態度で、枝葉末節には柔軟に対応する。
5、窮地に活路を見いだす術を学べ。
6、腐敗は生活の一部。うまく対処する術を身につけよ。
7、権威主義ではなく、本物のリーダーシップを発揮すべき。
8、権限移譲は難しいが重要。それゆえ段階的に実施すべし。
9、海外企業の個性が強調されたワンカンパニーを確立すべし。
10、早期警戒態勢を敷く。

そして、大前氏は、ロシアが10年後には、EUに加盟している可能性すら指摘する。
それを想像すると、今のヨーロッパと別の姿が見えてくる。

ただ、やはり日本にとっては、北方四島の問題がどうしても頭にある。第二次世界大戦末期のどさくさで領土を取られたという感情だ。最もなのだが、実は、中ロにももっとややこしい国境問題があったという。でも、まさに、互いの譲歩で、今は、国境問題は存在しないのだそうだ。それだけ、両国の関係改善が、両国にとって重要だと認識していたから、できたのだろう。
国連信託統治領にしてもいいのではないかとの意見に触れている。その是非は、別にして、この問題のために失うものの大きさを理解すべきと彼は言いたいのだ。

ロシアに関わりのある人には、是非一読をお勧したい。
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