かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

おとなの仏教入門

2011年12月26日 | Books


本書は、日経おとなのOFFの特別版。近時の仏教、仏像ブームに乗っかっての本かとは、思うが、初心者にも、わかりやすく、かつ幅広く、そして、テーマによっては、ちょっとDEEPに、バランスよく触れられていて、特に信仰を持たない典型的な日本人だけど、行事は、仏式という人にぴったりの書であるように思う。

特に、日本の仏教にかかるコーナーが、興味深い。
例えば、日本における仏教の宗派を、最澄VS.空海、法然VS.親鸞、道元VS.栄西という構図で、わかりやすく説明したり、仏事の歳時記である、正月、節分、涅槃会、彼岸、花祭り、中元、お盆、彼岸、除夜をの期限や、しきたりの由来等を説明。
もやもや感が払拭できる内容となっている。
東大寺ミュージーアム、龍谷ミュージーアム等、今年できた仏教に関連する美術館の紹介もうれしい。

数珠も宗派によって違うことを知ったが、せっかくサールナートで買ってきたこともあり、ここのところは、自分流で。

漠然と、仏教に興味はあるが、まだ、それを知る機会のなかった人に打って付け。ちょっと知っている人の頭の整理にも役立つ本。
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遊行

2011年12月25日 | Culture・Arts



今日は、クリスマス。それと関係あるかないかは別にして、文化的な一日を過ごした。
最初は横浜。
あの旧露亜銀行横浜支店の建物が、結構式場として生まれ変わっていた。”Loa”と名付けられたらしいが、すばらしいプロジェクトだと思う。それにしてもあの崩れかけていたビルがここまで、復活するものか。

今日横浜を訪れたのは、県民ホールで開催された瀬戸内寂聴さんの”遊行”という講演を聞きに行くため。
県民ホールで、ユーミンや、タクローや、ヨースイのコンサートに行ったことはあったが、講演会は初めて。
おばちゃんが7割方を占めるが、見事満員である。今の世相も反映しているのか。

瀬戸内さんは、昨年10月、圧迫骨折で動けなくなった。本も読めなかったという。医者からは、手術しないと直らないと言われたが、それを拒否し、安静にしていたら、震災後段々回復し(自称”原発ショック立ち”)、今は、歩けるまで回復した。2~3回前の講演から、立って話すことにされたという。
数えで90歳とのことだが、凄くお元気である。

話は、51歳で出家したところから。今東光さんの中尊寺で出家し、天台寺の住職になった。徳島生まれだが、それから、東北と、京都もふるさとになった。そこにこの震災。震災後に訪れた野田村での話、宮古での話、印象的だった。

寂聴さんは、行ったところしか小説にしないという。
”土地が記憶している歴史が、足から伝わってくる。”
昨日、同い年のドナルドキーンさんと対談したそうで、キーンさんは、逆なのだそうだ。行ったことがないところの方が、想像力がふくらむ。

寂聴さんは、小説家で僧侶という変わり種だが、死ぬまで遊行するのが、僧侶の義務であると考えている。まさに、お釈迦様もそうだった。
定命(じょうみょう)が尽きるまで死なないのが、人間で、その日まで、遊行を続けるのだ。
キーンさんは、無神論者だそうだが、同じことをおっしゃっていたという。
キーンさんは、古本屋で、安くて、厚い本を探したところ、見つかったのが”源氏物語”の英訳本で、その出会いが、彼の人生を変えた。それから、日本文学の世界で、遊行を続けられているのだろう。

仏教の話でいえば、”犀の角のように独り歩め”という言葉もお好きという。信念を持って生きろということかと思う。最近、仏教に関連する本を読む機会が多いので、お馴染の表現だ。
それから”和顔施(わがんせ)”、つまりにっこりすることを心掛けているという。そうすると、幸せが寄ってくる。
寂聴グッズがたくさんあるらしいが、そこにつけられているマークはこの”和顔施”を、わかりやすく表したものだ。

今日の講演を聞いた人は、みな元気と勇気をもらったのではないか。
それにしても、お元気だ。



その後、みなとみらい線、東横線で渋谷のBUKAMURAに行った。
昨日から、フェルメールからのラブレター展をやっている。
日本で、圧倒的な人気を誇るフェルメールだが、今回3点も来ている。全て手紙にかかるテーマの絵。
若者の街渋谷でこのような展覧会は合わないのか、ゆったり見れた。特にこの絵は修復後の初公開という。ラピスラズリの色も美しい。
同時代の画家の絵も展示されていて、当時の風潮を知ることができるが、絵としては、脇役に徹している感じだ。
いずれにしても、これだけの絵がわざわざ日本に出張してきてくれているのだから、見ない手はないだろう。
やはり光の表現がすごい。



夜は、エンカペラGのクリスマスディナーに行った。エンカペラGさんのショーは3回目だが、毎回、趣向をこらしたステージで楽しませてくれる。
前回は、復興支援が前面に出ていたが、今回はもちろんクリスマスがメインテーマ。
最後は、紅白らしく?”あの鐘を鳴らすのはあなた”で締めくくった。
ビートルズの曲も2曲登場。
アレンジの意外性もいいが、定番となってきたメインボーカルを強調した曲もいい。
今後の活躍も楽しみだ。

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仏陀

2011年12月24日 | Books
今日は、私としては、珍しく、埼玉県でゴルフだった。気温が低くて、どうなることかと思ったが、風がなくて、助かった。防寒グッズの進歩に感謝である。



ひろさちやさんの”釈迦”という本は、読んだ。だぶるかなと思ったけど、そのちょっと前に出た”仏陀”という本も読んでみた。
引き続き、大乗仏教の立場で書かれた本だが、結構小乗仏教に対して、攻撃的な書きぶりの部分もある。
中村元さんの弟子だそうだが、話は、かなり大胆に展開している。

まず、釈迦と仏陀の違いだが、釈迦は、人名で、仏陀は、悟りを開いた救世主とする。大乗仏教と小乗仏教の差は、キリスト教でいう、プロテスタントとカソリック程度の差ではなく、キリスト教とユダヤ経の差に相当するという。大胆な、説明である。でも、それぞれの発展した時代を考えればその通りなのである。

大乗仏教では、仏陀になるために、つまり悟りを開くために、まずは、菩薩となり、無限の距離を歩むのだが、小乗仏教は、阿羅漢になることに甘んじているのではないか。つまり小乗仏教では、人は、仏に、なれてしまうのである。仏になってしまったら、次に何を求めて修業するのか。小乗仏教は、出家した者しか救わないから、けしからんのではなく、人と仏陀との距離が、本来の仏の教えと異なってしまったのではないかとのお考えである。

あの大映映画で悪役だったデーバダッタについても、ユニークな説を展開。彼は、真面目な(より厳格な)修行者であったとする。しかし、反主流派であったため、反逆者扱いされ、抹殺された。デーバダッタを信奉する者は、玄奘の時代にもまだいた。反逆者を1000年も信仰し続ける訳がないということが、第一の根拠になっている。

私も訪れた霊鷲山に、ひろさんは、ニ十回も上ったという。名前の由来も、鷲に似た岩があるからというのは、後からの説らしく(私もそう聞いた)、最初訪れた時は、山全体が、鷲が羽を広げたような姿をしているからと説明されたらしい。鷲が沢山住んでいたからという説もあるらしい。鷲は、見なかったが。

興味深い話が満載。確かに、”釈迦”とのだぶり感はあるが、本書も読む価値十分。

仏になることを求めて永遠に修業を続けるのが、仏教。仏の教え。


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ブッダ

2011年12月23日 | Books


仏陀の生涯をで描いた絵本は、数あるが、本書が一番正統派のように思う。

文は、川西さんという早稲田政経を出て、作家であり、僧侶であり、不思議なキャリアの人。
絵は、長尾さんというこれまた早稲田を出て、無一文のまま世界一周をし、日本初のイラストレーターになった人。

文章は、平易で、わかりやすいし、絵は大胆で、味わい深い。本格的だ。
後書きによると、長尾さんは、80歳で、ブッダ80歳の生涯を80場面を描いたとある。相当研究した上での、渾身の80枚である。

おまけに主要登場人物一覧があり、サンスクリット語、パーリ語、漢訳、登場場面が一覧できる。意外とこういうまとめが貴重だったりする。

中学生以上の広い層にお勧めできる本。絵だけでも、文だけでも、いろんな楽しみ方もできる。
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ミュージック・ライフが見た”元ビートルズ”

2011年12月22日 | Books

animal7パンダが、仙台に来ることになったそうだ。元仙台、特に八木山動物園の近所に住んでいた私としては、うれしい限り。次回、仙台に行った時には、久し振りに行ってみよう。地下鉄は、まだつながってないかな?



またまた、ユニーク本が、シンコーミュージックから出た。
解散後のexビートルズの記事のみを抜粋した本だ。
あのバラカンさんが、シンコーミュージックに勤務していたころ、私も、INGで、exビートルズを体験していたころの記事だ。

結構ユニークな記事が多い。まだ日本がガラパゴスだった時代、独自取材に拘ったシンコーミュージックだからこそなせる技だったろう。

本書でしか見られない写真も多く、記事もユニーク(言い方によっては、偏った)なものが多い。時代と言ってしまえばそれまでだが、情報化が進んでいなかったこの時代、ミステリアスな状況が、exビートルの神格化を一層進めたと言えるかもしれない。

JLの坊主頭、GHのアメリカツアーレポートetc.
PMのUSツアーを見ただけで、堂々と記事になっている。
GHは、パティの件で、スキャンダル賞をもらっているし、もちろんポールの逮捕劇も。
1981年1月号で、ダブルファンタジーの完成を祝福する記事があり、同じく1月号増刊で、JLの悲劇の記事。
あの衝撃は、永遠に忘れられないだろう。

タイムトリップ感を味わいながら、ビートルズを体験したい人には打って付け。オフィシャルな記録?と聞かれたら、日本ドメスティック版と答えざるをえないが。
だからこそのユニークな一冊になっている。

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