かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

青天を衝け

2021年01月26日 | TV Program


次回の大河ドラマにちなんだ1冊が、NHK出版から出たので、早速ゲット。
いろいろご縁のある渋沢栄一のドラマなので、久しぶりに見ようと思っている。

番組ガイド的な本かと思ったら、全然違っていて、渋沢栄一のことを知るための、わかりやすいガイドブックという感じだった。
著者が、様々な分野の研究者や、作家で、やや重複感のある寄稿もあったが、結構専門的に書かれている部分もあって、写真も多く、楽しく読めた。

よく語られている内容と、意外と知られていない内容が、交互に出てきて、特に最新研究のコーナーでの、西郷隆盛との交流や、徳川慶喜公伝編集への思い入れの部分など、あまり語られていなかった部分がより興味深かった。

また明治維新の際、幕政時代の処理を、喧々諤々の議論の中で、進めていく様は、渋沢栄一の面目躍如というところ。
明治維新の前に、ヨーロッパの世界を視察する機会を得て、理想とする世界が見えていたからできたことかもしれない。
起業活動が落ち着き、民間外交、平和主義の活動に軸足を移した段階で、日本がそろばんに傾き過ぎる方向に動いていることに気づき、論語=倫理の重要さを再度強調した活動に注力した姿は、今の世界、日本を見ると、極めて興味深い。

若かりし頃のすさまじい体験から生まれた信念を貫いた人だった。
幅広い層に受け入れられるドラマとなるといいのだが。
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ビートルズの語感

2021年01月25日 | The Beatles


本書は、出たばっかり。
小島智さんの本は、2冊目だと思うが、評価は、やや微妙。
内容云々ではなく、結構知っているネタが多くて、特に、いろんな音源(歌、インタビュー)に残されている4人の声については、様々な分析がなされており、本にもなっているから、ほとんどが知っていた話になってしまう。
ビートルズをあまり知らない人にとっては、面白い話も多く、内容もバランスがよい。

知らなかったのは、ジョンのあだ名のセンスの一部と、4人が飼っていたペットの名前の一部ぐらいか。
The Ruttlesネタも知らないことが多かったが、これは、私の勉強不足。

ビートルズがやって来る ヤァヤァヤァの邦題は、水野氏がThe Beatles Comes Town というニュース映画が公開されると勘違いしてつけたとの情報があり、これは、知らなかった。
確かに、A Hard Day's Nightから、この邦題は出てこないだろう。
ビートルズの語感との、直接の関連はないが。

読了後感じたのは、やはり4人のセンスの良さ。
過激な内容も、ユーモアを交えて、さらっと返す。
歌詞や、題名なども、文法的には、間違ったひらめき言葉を、キャッチーな名曲にしてしまう。
4人寄れば文殊の知恵ではないが、4人とも、それぞれのセンスで、ビートルズの歴史に貢献している。

ややマニアック度は、低かったが、よくまとまっている良書。
一か所、恥ずかしい校正ミスを発見してしまったが、ここでは触れない。

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DOUBLE FANTASY - John & Yoko

2021年01月24日 | The Beatles

まだ朝だが、凍り付くような雨。
これから雪に変わるのだろうか。



延長なったDOUBLE FANTASY展も、もうすぐ終了。
2度お邪魔したが、気合の入ったすばらしい展覧会だった。
グッズも豪華で、欲しいものがたくさんあったのだが、絞り込んで、それでもずいぶん散財した。

図録も豪華。
チケット入手時に、申し込んでいたのだが、制作が間に合わず、後から、宅配で送っていただくことになった。

装丁といい、紙質といい、申し分ないというか、もったいなくて、普通の図録みたいに、ひっくり返せない。

写真、説明が、余裕をもって掲載されており、一つ一つが、芸術作品や、詩という体裁になっており、図録というよりは、写真集と、詩集が合体したものという表現の方が、近いように思う。

ビートルズの4人の出会いも奇跡だが、ジョンとヨーコの出会いも奇跡だったことを、改めて感じる。

宝物の1冊。

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別冊太陽 岡倉天心

2021年01月23日 | Culture・Arts

今日は、冷たい雨。
これから雪に変わるらしい。
楽しみにしていた竹内まりやの4~5月のコンサートがキャンセルになった。
切符はゲットできなかったかもしれないが、リベンジコンサートに期待。



これは、本屋で、他の別冊太陽を探している時に見つけた。
2013年の本だから、結構前。

岡倉天心は、横浜出身で、生誕の地の碑もあるし、東京芸術大学での、岡倉天心展に行ったり、その他の本も読んだりしている。
そういった意味では、いろいろ知っているつもりだったが、本書は、ビジュアルで天心を伝えてくれており、一番だと思う。
岡倉天心展は、何と2007年のことだった。

話は、それるが、これだけブログを長く続けていると、インデックス替わりに仕えて、極めて便利。
これ見たっけ?これ聞いたっけ?と思ったら、まずブログ内で検索してみると、答えが出る。
こういう使い方をしている人、多いのかな?

さて本書、岡倉天心の波乱万丈の人生を、関わった人、美術品、場所などを、厳選された写真付きで、詳説してくれている。
当時、英語がペラペラの人は少なく、その稀有な才能を武器に、世界を飛び回り、東西文化の懸け橋となった。
そのような人材を必要としている、明治初頭というタイミングもあった。

ただ、もっとすごいのがその成果を、日本の芸術の育成に注ぎ、様々な芸術家を生み出したこと。日本画家の有名どころはほとんど天心の門下生と言っても過言ではない。

それからアジアの美術の評価。それまで、アジアの美術を知らなかった西欧人に対し、アジアの美術のすばらしさを、具体的に伝えて、大きく世界を変えていった。
それまで、日本の芸術的のすばらしさに気づいていなかった日本人に対しても、大きな影響を与える。

その他に、漢詩を描いたり、オペラ作りにトライしたり。
自分のやりたいことに制約を設けなかった人であることがよくわかる。

日本の近代の美術の黎明期のことを知りたかったら、最初に手にしてもいい一冊かもしれない。

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別冊太陽 渋沢栄一

2021年01月22日 | Books


何と、本屋で、『別冊太陽 渋沢栄一』を見つけた。
まだ出たばかり。

いろいろ縁の深い渋沢栄一の本が、最近、はまっている別冊太陽から出るなんて、予想だにしていなかった。
どちらかというと美術っぽい企画が多いので、伝記的企画は、そぐわないと思っていたのだが。

読んでみたら、さすがに、文章が多いが、監修者の力か、このサイズにして、最高の編集で、バランスもよく、内容も充実していた。
最後の方に、渋沢栄一を知るためのブックガイドがついているが、コンパクトにまとめた『渋沢栄一 近代日本社会の創造者』を除いて、一番コンパクトで、かつわかりやすくまとまっている1冊ではないかと思われる。

リニューアル前の渋沢記念館の展示や、建築がメインになっているが、それ以外にも、ゆかりの地や、ゆかりの品々、写真類が満載で、説明を読みながら、めくると、渋沢栄一の波乱万丈の生涯、近代日本に対する大きすぎる貢献が伝わってくる。

相当の胆力がないと、これだけのことを成し遂げることはできない。
岩崎弥太郎との確執は、痛快だ。
論語とそろばんを地で行った感じ。

論語だけでは食っていけないわけで、投機を経済発展に資するものと肯定しつつ、自らは、行司役に徹するという清らかさ。
しかしその姿勢が評価され、どんどんと新たなビジネスチャンスが舞い込んで、それが社会の発展に資すると思えば、どんどん受けて立った。
喜寿を過ぎてからは、会社の役員の大半は退任し、貢献活動と、世界の平和活動に徹した。

平和活動は、結局、日本軍の暴走により、実らなかったわけだが、もし、本当の世界平和につながっていたら、ノーベル賞ものだった。実際、候補にも上っていたという。

田園都市構想については、うまくいったものかと思っていたが、本書では、五島慶太の商売に利用されたというとらえ方をしている。
それまで日本になかったコンセプトの街ができたのだから、成果の一つととらえていいような気もするが。

本書を機に、また何冊かゲットしたので、おいおい紹介していきたい。
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