CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【ドラマ】ミワさんになりすます

2023-12-21 20:55:40 | ドラマ映画テレビ感想
NHKよるドラ枠でありました
漫画原作で、また、原作は終わってないらしいので
ドラマオリジナル展開だったと思うんだが、
だいたいすごく面白かった
序盤から、嫌な予感的なものがいっぱいあるのに
結局のところすべてうまくいくという、とても安心して見ていられる
ハラハラはするけど、よかった、みたいな感じで終わる
この精神衛生にとてもよいドラマ展開が
大変よろしかったと思うのである

そこはかとなく、ミステリ味があったり、
サスペンス味があったり、なりすましがバレるかどうか、
その罪はなんだとか、色々考えつつも
結局そういうことはどうでもなくなっていくというのか、
いや、ミワさんのありようが、そのまま受け入れられていく、
なりすましだけど、パーソナリティが許されていく、認められていくというのが
なんとも心地よいと思う内容で、
また気の抜けたような主題歌が非常にマッチしてて、
それが流れると、ああ、安心していいんだといった感じで
まぁ、夜にぴったりのドラマだなと感心してしまったのであった

話しは、無駄に凄いスキルでどうしたというわけでもないが、
ただただ、俳優を好きだという気持ちとそこから紡ぎ出された
ある意味で超人的な映画好き力が好転していくだけという話なんだが、
ミワさんが、ぎりぎりで調子に乗らない、乗れないという塩梅がまたよくて、
なんだかんだ、出てくる登場人物は、みんないいひとだし、
ほのぼのとも異なるが、ぼんやり楽しそうと
そういう空気を提供してくれる稀有なドラマだったように思うのであった

最終回はやや飛躍しすぎているというか、
結局どうなったんだと、思わなくもない感じだけど
まぁ、元に戻ったと、ただそれだけのことで
これはこれで物語の終わりとしては気持ちいいけど、
このドラマのありようから、それは、あまりにも何もなさ過ぎて
ちょっともったいないというか、物足りないと思ったが
人生、そういうほどほどのところで、
いや、十分に楽しんだだろうというところをミワさんはわかって、
また、推す側の人というか、側ではない側へ戻ったという
そういうことかと思えば、納得するのでありました

本物のミワさんの役者さんが、実にいい感じで、
ホラーっぽくもあり、ただの友人でもありと、
絶妙なキャラを演じ切ってくれたのがこれまたよかったと思うのでありました
ともかく、すべてがほどよく優しい、刺激が少ないけど楽しいドラマであった

【映画】隣人X 疑惑の彼女

2023-12-16 20:55:26 | ドラマ映画テレビ感想
ちょっと風変わりな邦画を見ました
Xと呼称される異星人が地球に潜んでいる
Xは人類に危害を加えないし、人間に接触するとそれをコピーして人間そっくりになる
そんなXをアメリカが地球に受け入れると発表した、大変だ
といったことから、日本ではどうなるか
すでにいるんじゃないか、Xを探せと
まあ、そんな感じで、週刊誌とかマスコミとかがXと思しき人をおっかけようとする
その狂騒の中で、貧乏で後のない記者がXではないかという女と接触することにと
まぁ、そんな具合のお話

正直、ストーリーとしては、そんなことねーだろと
思わずツッコミたくなる感じではあったんだが、
まぁ、それはそれとしてと気にしないでいたら、なんだかんだ楽しく見られた気がせんでもなかった
いや、主演二人、上野樹里と林遣都の演技が凄かったおかげだろうと思うのである
設定がSFっぽいけども、別にCGとか、特殊効果とかでどうやらというものではないので
現代劇として楽しめて、それでいて、
Xかもしれない女と、それを追いかける男というのが
お互い惹かれあうような、錯覚とも、恋愛ともわからないふわっとした関係を作っていて
そのあたりの機微というか、会話や仕草が凄いよかったと思うのであった

最終的には、とんでもない結末というか、
その結末もまた、そんなわけあるかよ
いや、色々なところおかしすぎてツッコミ足りないよと、
どう考えても納得いかない状況になるんだが、
まぁ、なったとしたらこうしかないなという感じで物語は終わり
というか、正直、そこはどうでもよかったようで、
そうではない、男女の関係、いや、人間関係というのを描いたと
まぁそう好意的に解釈できそうな内容でありました

もう一人、台湾の女優さんも出ていて、そちらも可愛らしかったんだが
そっちに悪い噂があったり、あれやこれやと盛られていたので
それがどうなるんだと思ってたら、それもまた、
しょーもないというか、そんなわけあるかという展開で片付いてしまって
なんだ、これは、そもそも描こうとしていたものは
週刊誌の取材力の低さだったのか?とかうがってみたくなるような感じだったんだけども
まぁ、女優さん可愛かったしいいかと思ったりしたのであった

信じるとか、愛とか、そういうことに偏見はいけないよと
まぁそういうお話だよなと思って、納得しておくのである
小劇場とかで、演劇として見たらより面白いものなのかもしれないと思った

【ドラマ】パリピ孔明

2023-12-14 20:58:42 | ドラマ映画テレビ感想
面白かった
とてもよくできてた

そんな、簡単な感想だけでも十分じゃないかと思うんだが、
相当に凝ったというか、しっかり作られたドラマで、
色々チープな部分は、それはそれと割り切って、
そうではないディテールと、なんかあふれる愛みたいなものに全力を傾けているのが
大変よろしい出来栄えで、実に素晴らしかった
チープとか言ったけど、多分そんなことなくて、相当つっこんでるなとも思われる衣装と、
何よりも楽曲の数々が素晴らしかった
ここに関しては、演者も含めて完璧に仕上げてきたといった具合で
個人的に、アザリエだけちょっと違うかなと思わなくもなかったんだが、
それよか、本当にちょっとしか出番がなかった、喉が弱いボーカルのロックバンドの曲が
めちゃくちゃ、こんな曲ありそうじゃんという感じが実に素晴らしくて
多分、俺がこう思ったということは90年ロックを思わせるそれだろうかと
思ったりなんだったりだったわけだが、実によかった
あと、カタキ役であるケンジの完全に元ネタというか、役者の本業の方のそれじゃんというのが
これまたよくよくできてて素晴らしかったと思うのであった

そんなわけで、楽曲が主役のドラマだから当たり前だけども、
それにしたって、いい曲と歌手(役者)をそろえたなと
そこをしみじみかみしめられるよさがあった

それでいて、そこ以外というか、
店長とファン一号の二人が、これまた抜群で
原作読んでないからわからんが、ラストシーンのファン一号の感動は、
この感情はすごくよくわかるというか、あのシーンだけで
あらゆる価値があったと、いや、おそらくこのドラマはあのために作られた
そう思わされるほどで、また、そこに至るまでの反則なまでの活躍っぷりが
ギャグだと思ってたけど、なんか、この感動のための助走だった気がして
凄く好きだと思ったのである

そして、店長はもう、その存在だけで十分だなと
これは店長というキャラでもあるが、やっぱり森山未來が上手すぎるなと
真面目な役からそうでもない役まで、なんでもやるし
どれもこれも魅力にあふれているというのが、本当に凄い
この二人の魅力が彩を添えていたと思うのであった

まぁ、そこまで脇役ばっかりほめたけど
主役二人も当然よかったし、思った以上に向井理がはまってるのが凄くて
孔明だったかといわれると、孔明だったかもという説得力とも異なる
あれは、演技とか、そういうレベルでもない
何があたったかわからない、はまり方が見事すぎてよかった
いや、でも、最終回の劉備に出会うシーンの前後とその後の演技は本当に好きだ
表情だけで、凄い魅力的なキャラクタを演じていたと感心したのである

そして、英子の方も、あのほんわかした感じと、
天才編曲家とのやりとりで、乗りツッコミ失敗するくだりとか
あれもまた、彼女にしか出せないテンションとテンポだったなと
ともかくはまり役をまざまざ見せられて、
ああそういや、赤兎馬さんもすごいよかったし、穴掘ってたし
まぁ、なんというか、ともかく全部とてもよかったと書いておこうと思うのであった

モブっぽいところが全部同じ役者さんというのが、演劇っぽくて面白いなとも思ったんだが
まぁ、それはメタ的な楽しさであったのかもしれないが、
そういうチーム感みたいなのが、全体のレベルを上げたのではないかなどとも
思ったりするのであった

【ドラマ】ガラパゴス

2023-12-07 20:55:04 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜ドラマ枠でした
織田裕二がNHKのドラマに出てるのは、
ひょっとすると初めて見たかもしれんと思いつつ
興味深く見たのでありましたが、織田裕二も年食ったなぁと
そっちにまず気を取られたのであった
老眼鏡で字を見る仕草とかの堂に入った感じが、見た目はあんまり変わらないのに
年を取っていると思わせる演技があって、感慨深く見たのであった

刑事物ではあるが、内容としては久しぶりに社会派といっていいのか、
日本の派遣労働について、ひとつ物申す内容になっており
なかなか面白かったのである
結局、手近なところで収まったといった感じだったわけだけども、
このテーマは、かつてハゲタカでも取り扱っていたと記憶するわけだが(映画の方)、
自動車業界の不正というテーマに踏み込んでいけるのは
流石NHKというべきかどうか、でも、こんな事件ないように思うから
もうちょっと他のスキームで見たかったかもと思ったりするのである
最終的に安全性度外視で不良品を出すという判断は、ありえないと思うんだが
また派遣業というものについてとかも、
結構わかりやすく悪者に描きすぎだったので、もうひとつ軽いというか
もうちょっと凝ったもので、もっと踏み込んだ内容で見たかったかもと
偉そうにのたまわってしまうのである

さておき、刑事物としては地味な地どりを続けて、コツコツ証拠を集めていくという
よくあるパターンだったわけだが、そういう地味なのをさして地味ではない織田裕二が演じて
あれで、左遷組というか、そういう刑事というのはちょっと無理がないか、
いや、もしかしたら、「踊る」のその後といった感じで、出世しなかったけど熱いデカというのを期待したけど
織田裕二が、その路線ではない演技で、抑えて抑えてできたともとれるなと
このあたり面白く見たのであります
結果としてというか、ドラマとしても演技としても今回のでよかったなと納得したんだが
派手なバージョンも見たかったようにも思ってしまうのであった

内容としては、派遣労働者の待遇に関する理不尽
それに尽きるわけだったんだが、今となってはそれもまた、
新たな下層である外国人労働者の方に移っているようにも思うと
なんともやるせない、世の悲しみを問うには絶大な内容であったと感じるわけだが
それにしては、もうちょっと何か踏み込みが足らなかったようにも思えて
惜しいと、見終わって思うのでありましたとさ

【映画】首

2023-11-30 21:05:43 | ドラマ映画テレビ感想
北野武主演監督作品でありました
北野作品を映画館で見るの初めてだと思ったんだが
なかなか楽しく見終えたのでありました
思ったよりもコミカルで、もっと血なまぐさいというか、
グロテスクな感じかと思ってたのが、
案外そうではないというところがよかったというか、
肩透かしだったといえるかもしれない

途中セルフオマージュでもないだろうが、座頭市の時にも見たようなギャグというか、
笑いの部分もあったんだが、まぁそれは味というやつだろうと思いつつも
大森南朋の演技が個人的にものすごくツボで、
武扮する秀吉に、兄者兄者とついていくというのが
なんか面白くて癖になる感じがすごくよかった
そして、誰もが切れ者ではないというキャラ造詣が見事というか面白くて
バカバカしいけど、そこにすごみというか、
そういう下で殺し合いが当たり前というのが空恐ろしいようにも感じられて
見ていてぞくぞくしたのでありました
殺すということへの悪意や、怒り憎悪みたいなのがない、
営みの一つみたいな感じでやっちゃうのがよかった

武家の嗜みとしての衆道を一つのキーワードにしていたのが面白いところで、
本能寺をそういう痴情の縺れめいたもののようにも見せつつ
でも、結局は、全員がどっかおかしい、そういう狂ってる中で
突然に天下の重みとか、そんなのが理性のように働くというのが
もう、なんというか、独特の空気だなと笑っていいのか、怖いのか
わからないまま進んでいくという体験をしたのであった

物凄い面白かったというわかりやすい映画ではなかったので
自分にはちゃんと楽しみきれたかわからないけども、
わざとらしい独特のおかしみというのが全体にわたっていて
信長だけ訛ってるという、わけのわからない状態も含めて
とりあえず狂気めいたものを見たような気分になるのであった
しかし、あの名古屋弁酷い、発音が悪いというのもあるが、
多分そういう次元のものを求められない演技だったんだろうと思ったのであるが、
それにしても武家の信長が、あんな名古屋弁喋るはずがにゃーと
思うのでありましたとさ

三つくらい並行して話が進んでいたんだが
どれも面白かったけど、中村獅童の農民役の顛末が印象的でよかった
本当、どいつもこいつも狂ってる
そう思うばかりであるが、世の中案外あんなやつばっかりのようにも思える
利己的なバカというのは、既視感を覚えるのであった

【テレビ】司馬遼太郎 雑談 「昭和」への道

2023-11-23 22:01:32 | ドラマ映画テレビ感想
NHKで、司馬遼太郎さん生誕100年を記念しての再放送でありました
いやー、昭和のテレビはすごいな、作家のおじさんが一人で喋るだけで1時間とか
そんな番組作って、しかも、12回も放映しちゃうとか…
と、そういう感激も含めながら、司馬遼太郎が
まるでその作品のように、話があっちこっちしながらあれこれ語る
思いついたことをしゃべっているというのがとても楽しかったのである

全部見たんだけども、正直何喋っていたかというのはほとんどわかってなくて、
上述の通り、喋っている司馬遼太郎というのが面白いと
それを眺めるだけのBGMとして見てしまったんだが
「統帥権」の話の熱の入りようだけは、それが乗り移ったようで、
ぐいぐい引き込まれて見入ってしまったのでありました
他のも、幕末とか戦国とか、知っている作品に出てきたような話が
さらさら披露されるのが最高によかったんだけども
本当、小説を書くための下地に存在する知識の豊富さ、
そしてそれを自分のものとして、こういう話のこういう部分を担った人と記憶していることが
本当に凄いことで、これが大作家の頭の中なのかと
それを見せてもらったみたいで、とても面白かったのである
ただただ凄いわ

自身の従軍経験も踏まえた上での話もあり、
どこで間違えたかという政治の抽象について、あれこれ持論を語っているので
そういうことに明るい人は、これに触発されてあれこれが産まれそうではあるんだが
残念ながら、そんな高尚な頭脳も知識も持っていないので
ただただ面白いな、そうなんだー、といった感じでしか見てなかったわけで
まさに雑談であるのがよいところでありました
見ている側にも知識や、一定の水準が求められるものだなと
見終わってからしみじみかみしめたわけだが、
まぁ、それはおいといて、日本という一連の歴史文化が
本当に好きだったんだなと思い知らされるようで、とてもよかったのでありました
人間の営みというのを日本人、日本国というものに広げて語るのであるが
そこにある器用さが兵器の発明と保存に繋がりというあたりやら、
そうなのかもと思う日本人らしさのようなものが
愚行のもとになったり、妙な精神論になったりとか
はたしてそれが合っているかどうかはわからないが、そういう想像をした人が
それを小説に書いているんだと思うことができた
そこがすごくよかったと思う番組であった

【ドラマ】遥かなる山の呼び声

2023-11-03 20:55:39 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜ドラマでありました
古いドラマのリメイクだったらしいのですが、
まったくそんなことは知らず、まぁ確かに時代設定はわからんが、
なんとなく流れが古い感じがするなと思っていたんだが、
山田洋二監督作品というだけで、まぁ、そういう味なんだろうと
かみしめるように見ていて、まったく不思議に思っていなかったわけだけども
邦画の中の日本といったらいいのか、
映画の中に存在する日本を見たという満足感があったのでありました
しかし、改めて調べたら、映画の古さはさておき、
このドラマ自体も2018年に放映のを再編集・追加した盤とか、だいぶ古いじゃないかと衝撃だったんだが
面白く見終えたのでありました

役者がというのは、この作品においては脇役なんではないかと
なんとなく見ていて感じたところである
演出がというよりも、展開とセリフ、機微というのが濃厚で、
それをいかに違和感なく演じるかということに役者は腐心しているような
そういう印象があって、それが悪いとかよいとかではなく、
作品を見ているという感想につながったように思うのでありました
もしかすると、原作と呼んでいいのか、
劇場版の一作目というのがあって、それに知らず内近づけようとしてしまった
そういうこともあったのかと勘繰ってしまったんだが、
確かに、高倉健と倍賞千恵子という組み合わせでこれは、
間違いない面白さというか、安定を見られるだろうと思うところ
それと似た雰囲気が出ていたなと感じたのは、
そういう演出であったのかもと思うのである

だからといって、現キャストが悪いとかではまったくなく、
多分芝居を重くするというか、セリフと展開のある種の古臭さを
いかに現代版としてアレンジできるかというのがキモだったんだろうと思うところ
そんな中での役者は、とても大変だったろうなと、本来の良さとは違うのが
出ていたように見えたのでありました
よかったというか、この作品として正しいんだが、
もっと自然な阿部ちゃんや、常盤貴子を見たかったかもなんて贅沢をいうのである
まぁ、そういいながら、高畑さんの安定っぷりたるや、完璧に馴染み切っていたというのは
やはりこれが上手さかと、衝撃を受けるわけだけども
さておいて、楽しんでみたのでありました

藤井隆とか、割と冒険ではないが、話を明るくする要素として投入されて
十分にその役割をまっとうしていたところも好演だったと思うんだが、
阿部ちゃんが、案外こういう感じの方がいい味が出るんだなとも思った次第
上手いとか云々ではなく、はまっているなと感じたわけで、
それでいて、ちょっとコミカルさというか、面白さみたいなのがナチュラルに出ていたのが
結構よいと思いつつ、ラストシーンの知り合い話にかこつけた自分語りの不自然さが
色々あわさって、実にいいシーンになってると感激したのでありました
あれだからこそという感じがしたのであった

映画だから、ドラマだからで片付けてしまうわけだけども、
グラスフェッドは、確かにいい着眼点だけどだいぶ大変で、
このご時世二人でやったとしてはたしてなどと思ってしまうんだが
それは舞台装置にしかすぎないのでどうでもよく、
ただただ、こんな男女の話があった、ただそれだけでいいなと思ったのである

まぁ、でも、ムショ帰りでどうのこうのというのがそもそも
現代にはだいぶ難しいんだなと、こういう話自体は好きだが、ファンタジーではないかなどと
思ってしまう自分が悲しいが、ドラマはすごくよかったと思うのである

【ドラマ】わたしの一番最悪なともだち

2023-10-27 21:08:51 | ドラマ映画テレビ感想
NHKのよるドラでした
ここ数回、低予算すぎやしないかと思う内容だったんだが
まぁ、実際はどうだったかわからんわけだけども、
そこからは一線を画したというか、かなりちゃんとしたドラマで
正直、自分のような年齢男性が見るテーマじゃないとわかりつつも
がっつり見て、ものすごく楽しんだのでありました
ちゃんと作りこんでるドラマは、ただただ、それだけで楽しい

と、作りの話だけではなく、役者も若いのに上手くてと言っていいのか、
その若々しさみたいなのが伝わってくるようなみずみずしさが素晴らしいなと
ゆるい感じの展開なのに、その身の丈、等身大といった感じが
気負いなく出ていて、すごくよかった
朝ドラでも、現代劇やるときはこれくらいの感じでやってほしいと思ってしまうくらいだった

青春ドラマというほどの若さではないのだが、
就活、就職、そしてという話と思わせておいて、
実際は友情の話というのが、実に心地よかった
そして、タイトルの意味に、最終週までずっと気づいていなかったのにショックを受けたというか
当たり前に、「ともだち」が誰のことかを考えていなかったのが
自分のリテラシの低さだなと反省しつつも、感激したのである
すごくおもしろかったわ

就活編、社員編、そしてその後の三つくらいに分かれていたと思うけど
それぞれに良いところもあって、突っ込みどころもあってだったけど
丁寧で、起伏はさほどなく、思いつめていく話なのに暗くならない
でも、重さは残っている
この匙加減の絶妙さは筆舌に尽くしがたいと感じたのでありました
すごいよかった、そして、役者がみんなナチュラルにやっているというか
おどけているのが浮いていない感じというのがまた、とてもよかった

出てきたキャラクタの、それぞれがすごくよかったのだけど
このドラマでは、それはそれとして、描くのは二人だけだと
決めていたような突き放しがすごくよかった
それで正解だし、それ以外のほどほどさがとてもよかった

と、個人的には、二人よりも、もう一人、
一人で劇団していた男のキャラがよくて
カレーに対する、まったく意味のないこだわり、薄っぺらいセリフ、
すべてがいとおしい大学生、阿呆学生そのままの造詣でよかった
さらに、それのやった演目か、別のやつかしらんが、
「ゴリラ対めちゃゴリラ」という素晴らしい演目のフライヤーがしれっと、
誰も触れず、背景の一つとしてあるというのが
このドラマの並々ならぬディテールの良さを表していたように思ったんだが
ただ単に、美術の人が遊んだだけかもしれんな
でも、とてもよかった、あのフライヤーだけで、あの周辺の背景すべてが説明されたみたいで
ものすごい仕事をした小道具だと感じ入ったりしたのであった

と、まぁこんだけ書いて、メインの二人についてまったく書いていないわけだが
この二人の関係と、その機微すべてが丁寧ですごくよかったし
シーンのつくりが本当にいいなと感動したわけで

ともかく、いいドラマだったと書いておくことしかできず
ちゃんと言葉に表せていないし、表してしまうと違うことになる
そういうのがある、とてもよい作品だったと記しておく

最終的に、あの歌が、あの二人のそれだったというのが
メタ的でも、なんというか、とてもよい話だった

【ドラマ】満天のゴール

2023-10-20 20:55:30 | ドラマ映画テレビ感想
NHKのプレミアム再放送だったのかわからんが、
前後編で放映された、やさしいドラマでありました
終末介護の話だったとも思えるが、
そこにある奇縁と二つの訪れる死が主体にすえられて、
そこに触れる様々な人たちの素朴な話なんだけども、
数奇な運命はさておき、最期というもの、誰かに看取られるということについて
物凄く考えさせられる、実に素晴らしい演技に魅入られたのでありました

老人二人の演技が、まずもって素晴らしく
柄本明、風吹ジュンの二人が本当によかった
演技だとわかっていても、こういう年寄りがいて、こういう動きをして、
そして、こうやって死んでいくというのが、ものすごくリアルというか
真に迫っていて、ドラマ全体の引き締めが素晴らしいことこの上なかった

また、その二人が尊いからこそ、若い(さほど若くもない)二人の生きている日々が光るという
とてもわかりやすい構図に、はっきりと命が芽生えたようで、
死に向かう二人を見送る、これからを生きる未来といった感じが
押しつけでも、しつらえでもなく、そうだと思える
世の中は、そうやって、年寄りから若い人に知らず移っていくような
時間や、経過というものを具象化したように見せてくれて
穏やかに楽しむことができたと思うのでありました

嫌な奴が出てきて、どうのこうの
と、まぁそういう役割でなくても、
人間模様というのは描けるんだなと、感情や関係の機微がみてとれて
緩やかに老いていく姿の、リンゴをわずかにも食べられなくなっていくという
その切り取り方が、とてもいいなと思いつつ
自分に迫るものがある内容だったと、感動して見入ったのでありました

身近な人の死と、自身の死について
暗くではなく、考えさせられる内容だったと
勝手に大事としてとらえた一作であった

【映画】グランツーリスモ

2023-10-13 21:06:30 | ドラマ映画テレビ感想
なんかやたら評判よかったので見に行ったわけだが、
これはさすがに映画館で見るやつだなと満足して帰ってきたのでありました
グランツーリスモはおろか、プレステすら触ったことない身分なので、
ゲームはさっぱりわからないけど、レース映画として楽しんでこれた

SONYと日産という日本企業のそれぞれが取り組んだ、
実際にあった話を元にしているというのが驚きなんだけども、
ゲーマーがレーサーになれるというお話
だけど、そこはあんまり重要じゃなくて、もっとシンプルに、
夢を追う若者が、厳しい教官の下で成長して夢をかなえるという
スポ根のそれだったと思うのでありました
そういうストレートな作品が好きだわと感動を素直に受け取ってきたのでありました

しかし、GT-Rがこれでもかと出てきて
ガンガンゲームのようにレースしていくという映像だけで面白いというか、
見ごたえ十分で、レースって面白いなと改めて思い知らされるところでありました
ゲームがうまいから、実車も大丈夫とか、
頭どうかしてると思ったんだが、そのあたりは、主人公の出自にまつわる、
フィジカルエリートっぷりを加味すると、ありうる話で、
まぁ実際にそうなっているということなんだが、
これは、ゲームヲタクがレーサーになったという切り取り方をされているけども、
実際は、レーサーになれる素質がゲームをやっていたという順逆だなと思うのである
まぁ、だからといって、この物語の面白さが損なわれるわけではないからいいんだが
もうちょっと、ゲームとレースの間に親和性というか、
本当にゲームによって培われたものや、得られるものがあったという話を見たかったかもと
思ったりしたのである
レース中に、周りがスローに見えて、自分が走るラインがはっきりと見えるようになるという
ゾーン的な話を教官と語り合うところが、それにあたると思うんだが、
それがゲーム画面とシンクロして、実際に起こるというのがなるほどと思いつつ
なんかパンチが弱いとか感じたのが残念であった
どうしたらよかったかわからんが、もうちょっと演出でなんとかなりそうな惜しいところだと思う

とはいえ、レースゲームが本当によくできていて、
一瞬の判断というものの選択が、つまり、実車のレースでも行われているということが
なんとなしわかって、より面白いと思えたのでありました
しかし、レーサーにしては体が大きすぎるだろうと思ったんだけど
元ネタの人も大きい人なんだろうか
ゲームのいいところは、そのフィジカルを苦にしないところにあるなとも思ったわけだが、
色々とレースの面白さについて考えさせてくれたのであります
映画とほとんど関係ないな

ともかく、GT-Rが、ガンガンとランボやBMWをぶっちぎっていく
その絵面だけでも見る価値があったと思う
大変楽しい娯楽映画でありました

【ドラマ】らんまん

2023-10-06 21:05:13 | ドラマ映画テレビ感想
NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」
視聴完了しました、通して面白いドラマだった
久しぶりの男性主人公の朝ドラだったわけだけども、
ふたを開けてみればというでもないが、かつてのマッサンを思い出すような、
寿衛子夫人との二人を描いた小説で
正直、そんな感じになると思っておらず、牧野先生自体はだいぶヤバい人だから大丈夫かというのを
ぶっちぎって、いい感じの朝ドラに仕上げてきていて、すごくよかったと思うのでありました

ドラマだから当然といえば当然ながら、
牧野先生をだいぶ好意的に描いているのがそもそもよかったところで、
その元ネタとの相違をあれこれあげ連ねても詮無いこと、
でも翻案としてうまく使ってるなと思わされるエピソードも多々あって、
脚本家凄いなと感心したのでありました
特に実家のおねーちゃんのあたりとか、さらっと描いていい話にしているのが
一番凄いところだと感じ入るのでありました
また、そこに幸せを用意したのが、物語として百点すぎるだろうと感涙だった
竹雄というキャラクタが、実際にいたわけではないんだろうけど、
この存在が非常によくて、序盤の高知編から東京序盤までをすごく魅力的に描いていて
役どころと役者が完璧に仕事していたなとほれぼれしたのでありました
今更ながら、すえこが笹だから、竹雄が竹なんだろうか、だからどうしたという話だが
万太郎を支えるのは、イネ科二種で、日本酒が稲からとか、考えすぎというか
もう一つうまくないなと勝手にあれこれ考えたりしたのである

さておいて、竹雄が美男すぎて、その設定をだいぶギャグに落とし込んでいたのが
個人的に楽しかったところで、凱旋した竹雄が村娘にきゃぁきゃぁ言われていたあたりとかが
面白くて仕方なかったんだが、キャラクタの描き方が結構面白くて、
田邊教授と徳永教授が、最初逆の役割かと思ったらというあたり、
それでいながら、各々に好きなものがあって、そこに接点を見る万太郎というのが
物語として非常によくできていて感心したのである
シダが好きだという話もいい部分だと思うし、
短歌が好きだという部分もまたとてもよい、
なんだかんだ、好きなものがあって、それを語るという姿が
キャラクタを好意的に見せるという当たり前のようで、最近の推し活的なそれに連なるものだなと
誰かが何かを好きというのを見るという気持ちよさを
凄く上手に使っていたように感じたところ

そして朝ドラとして決定的によかったのは、
暗いというか、悪い展開というのがありながらも、
そのあとの救いをはっきりと明確に描くし、悪者にも少しばかりの良さを見せる
そんな風になってるのがよかったなと、書いておきながら、
高知の役人だけは全然あかんかったなと、言ってることがおかしいと気づいたが
とりあえず感じたままに書いておくのである

幕末から明治を描きつつも、さほどに政府のあれこれを描かず
その頃の歴史の一部として、市井(といっていいのかどうか)の生活を描いたというのがよくて
十徳長屋のありようとともに、とてもよいドラマを堪能できたと
半年、大変楽しく過ごせたのでありました

【ドラマ】雲霧仁左衛門5

2023-09-29 20:51:46 | ドラマ映画テレビ感想
すっかり定番となったNHK時代劇の雲霧シリーズの第5弾
これでいよいよ終わりかと思ったが、さらに6も現在BSの方でやってるらしいので
その内また見られるかと楽しみにしながらも、
まずは今作であります

狙いは大奥の隠し金というお話で、
そこに至るまでも相当に荒稼ぎしてると思うんだが
まぁ、物語だからそのあたりのつっこみは野暮だと思いつつも
とんでもない額稼いでるよなと思いながらも
新しい火盗が、次々入れ替わっていくのに結構衝撃を受けたのでありました
特に、序盤も序盤で式部の後釜にふさわしいと思った藤巻があっという間にいなくなったのに
だいぶ衝撃を受けたんだが、もうちょっと生かしておいてほしかったようにも思うし
だからこその、のちの展開が生きたともいえるしと
なかなか考えさせられるところでありました

途中何人も失脚していくのは、まぁそういう話だしなと思いつつも
大奥に10年忍んでいたという仕掛けはさすがにやりすぎじゃないかと思ったりしつつも、
なんか勢いで押し切られたように、ぐいぐい引き込まれて
最終的には、割と滝山姉弟かわいそうじゃないかと思ったりしたのでありました
今回は、ちょっと雲霧がかっこいいけどひどくない?とか思ってしまったんだけど
ちゃんと見てなかったからだろうかしら

長期シリーズになったからともいえるけども、
割と諸事情によって退散していくのが目について、
大工小僧がいなくなるし、その話もなんか4の時と同じ感じじゃない?とか
ひねりがないなと、手厳しく見てしまったんだが
考えてみると、雲霧が急ぎ働きをしないんだから、ほいほいと新しい仲間ができてもおかしいし、
さりとてシリーズとして、同じ俳優そんなに囲ってられないしとか、
色々あるんだろうなと、しょーもない裏方目線で見てしまったのがいけないのだけども
なんか、強引というか、もうちょっと深めてほしかったと
全体的に思うシリーズでありました

とはいえ、忍んでいた女中が、滝山に帰ったというのは、
結構いい話だったんじゃとも思ったり、いやいや、いい話なわけねーだろと思ったり
色々ごたまぜの感情を抱いたわけだけども、個人的にはとてもよい終わり方だなと
そこに救いのようなものを雰囲気で押し切られたように思ったのでありました

まぁ、なんだかんだ楽しんでしまっているのでよいのだけども
大工小僧が抜けてしまった以上、仕掛けがどうなるのか、次のシリーズが地上波で放映されるのが
またれるばかりである

【ドラマ】しずかちゃんとパパ

2023-09-22 20:55:27 | ドラマ映画テレビ感想
NHKドラマ10枠で放映されていたけども、
どうやらプレミアムドラマでやってたものの再編集版だそうで、
丁寧なつくりのドラマで、久しぶりにどっぷりと安心できる人情ドラマを見た
そういう気分で見終えたのでありました

ある町の地上げというと、コトになってしまうけども
行政主導のスマートシティ計画が進められ、
その対称土地に住む住人の説得をする役所と、
住人達とのやりとりを描いたドラマではあるんだが、
そこに聾唖の人というキーマンがいて、
そこを中心に街の形を描く物語といった感じだった
作中にも出てくるが、やさしい世界の物語でもある

役者の話にしてしまうと、噺家に聾唖の役をというのが、
うまくもあり面白くもありというところで、
ここが非常に合ってるのもよかったし、
そのキャラクタのおかげで、ちょっと無理というか、物語上重要だが
発達障害っぽい役所の優秀な人と、
聾唖者の娘で社会適応に問題がという人の二人
これを取り巻く優しい世界が、当たり前に近所として生きている姿にしていくのが
物語上そうだなとあっても、説得力のある演技でないとなというあたりが、
パパである鶴瓶の演技が、わざとらしさとか愛嬌とかが、色々と超越している感じなのがよくて
ずっと見てられるように、うまく入っていけたのでありました
でも、合わない人にはまったく響かないかもなぁと思ったのである
どうでもよい心配をしているな

さておいて、ドラマとしては、人情劇であるところと
聾唖者がいる世界、そういう多様性みたいなのが、
説教臭くならないように作られていて、まぁ、とはいえ優しすぎるなと思うところも多々あるんだが、
そういう理想が壊されるという選択肢をどうするか、そこを人情で納めたと
まぁ、そういうお話だったとみていて思ったんだが、
それは解決だったか、そういう受け入れというものを促すとき
そこに人情があるのが理想であるのかとか、色々と考えつつ
そんな難しい話ではなかったはずで、結構どたばたコメディを楽しんだし
露骨な悪いやつが、実はいいやつだったという
物凄い短い間での転換があったり、最近のドラマっぽいなと感じたりしながら
しみじみ見たのでありました

最近、やさしい世界を描いているものに、ただただ弱い

【ドラマ】アストリッドとラファエル3 文書係の事件録

2023-09-15 21:09:55 | ドラマ映画テレビ感想
ああ、終わってしまった
と、そんなわけで、2からすぐに続きで3も放映されて
がっつり見入ってしまったわけだが、大変面白かった
アストリッドが試験をパスできるか、それが真ん中にありつつも、
ちゃんと事件も解決してと、よくできた、そして安定してきた内容が
心地よく見られたのでありました

もうすっかり、デレデレになっているフルニエ先生が可愛らしくてというか、
アストリッドを愛でるように慈しむフルニエ先生のありようが良すぎて、
見ているだけでほのぼのしてしまうんだが、
あの妙な師弟関係ともいえるそれが、癒しのようにも映るけど、
今回のテーマである、試験においても、本当の師匠はフルニエ先生だよなと思わされて
まぁ、なんというか、凄いよかったと思ったのでありました

今シーズンで、とうとうというか、前からそういう節はあったものの、
完全に警視正まで味方になって、最終話のとても嬉しそうに結果を直に伝えたかったとか言いながら、
あれこれと話す警視正もまたすごくよい人に見えて、
でもあの警視正なりの喜びの表現は、その熱意ほどは、アストリッドに絶対通じてないなというのがまた、
横で本人以上に喜んでいるラファエルを見ながら思ったりするのも
このドラマの楽しいところだなと、しみじみ感じたのでありました
なんだろう、事件解決ターンもかなり面白いと思うんだが、
それを積み重ねていった結果でもある、この人間関係の変化や成熟みたいなのが
凄くよいドラマだわ

試験に向けてでもあるし、着々と捜査においてできること、やれることが増えているアストリッドの成長も
見ていて楽しくて仕方なくて、さらには、テツオ・タナカとの関係とかがかなり衝撃的で、
そういう成長が見られたという点でも、とてもよかったと、
フルニエ先生よりも、かなり後方で、彼氏面でもないが、見守っていたと頷きたくなるような内容が
好きで仕方ないわと思うのでありました

自閉症の仲間たちの活躍もあったり、世界観の優しさが、
ややドラマをぬるくしてしまっているようにも思えるのだけど、
この温度感がむしろいいんだなと、安心して見られる楽しいサスペンスといった感じで
次のシーズンが待ち遠しくて仕方ないと思いつつ
今回も、大変楽しんだのでありました
アストリッドという架空の人物に、ものすごく肩入れしている自分に気づくのであった
続きが早く見たくて仕方ない

岡本太郎式特撮活劇 帰ってくれタローマン&おやすみタローマン

2023-08-25 21:05:48 | ドラマ映画テレビ感想
TAROMANシリーズも、とうとう最終回だそうで、
というか、さらに続編作ったんだと驚いてしまったわけだけども、
これは、劇場版にするには頓智がききすぎているし、
税金対策とか、罵詈雑言をNHKが避けたのではとも思ったりしたわけだが
無事、やりきってしまったようで、
大変楽しんだのでありました

当然のごとく、番組としてちゃんとしてたのは
帰ってくれの方だったわけだけども、
なにげに、深夜に放送していた「おやすみ」の方が個人的には好きで、
録画して昼間に見るという荒行をなしたわけだが、
これは、深夜に、それも、大学生くらいの時分に体験したい番組だったなと
しみじみ思ったのである
いや、もしかすると、もっと仕事に疲れたりしていたら、
ただこの映像を見ているだけで、泣くなり、元気がでるなりの作用が出たのかもしれない
とってつけたような郷愁と、さして意味のない動きがえんえんと続くという
タイパがどうしたとかいっているこのご時世に1時間も何やってんだというのが
大変心地よかったのである、
個人的には、TAROMANシリーズで最高傑作だったように思う

と、まぁ、だいぶ頭がキとる感想になってしまうわけだけども、
帰ってくれの方がこれまた、大団円を目指して、それでいて岡本太郎らしくを
なんとか叶えようと精魂尽き果てた感じがよく
最終的に、結局爆発してしまうしかないよなというあたり、
安易なオチお断りのTAROMANあるまじきではないかと、
なんか意味のわからない、厳しい目線で視聴者として糾弾したくなるわけだが、
番組としては座りがよかった=心地よい=ダメだ
というわけで、最終回にぴったりだったのではないだろうか
もう何が正しいのかすらわからないのが、実にTAROMANだと思うのであった

この番組のせいで、休養をよぎなくされたと噂の
サカナクション山口氏も、最後にようやっと歌わせてもらったというか、
むしろ歌いたがったのか、もう何もわからないけども
これがまた、妙にクオリティが高くでよかった
これによって解放されて、本来の活動にちゃんと戻ってほしいと切に願うのである

特に正義の味方でもなければ、
むしろ、人類なのか、地球なのか、なんかわからんが敵なんじゃないかとすら思える
そんなTAROMANの自由さと、子供のような無邪気さ
そこにひそむある種の狂気というのが、実によかったなと
結局全編通じて、結局同じ感想になってしまうんだが、
この企画が予想外に当たったと思っているであろう外部と、
そういうの関係ないのか、あるのか、
わからない狂気にあてられて、制作に取り組んできたであろうスタッフに
感謝というか、拍手を送りたいと思う番組でありました
よかったよかった