CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【映画】アーガイル ARGYLLE

2024-03-19 21:10:37 | ドラマ映画テレビ感想
前作にあたるのかわからんが、キングスマンというスパイ映画シリーズがあって、
その外伝でもないが、別枠みたいなお話だったらしいけども、
私のようにそれを知らなくても、一本のスパイアクション映画として
なんなくみることができるものでありました

ある小説家の新作小説が、本当のスパイ組織のそれとそっくりで、
それがもとになって、本当のスパイ組織に追いかけられると
まぁ、そんなお話ではあるんだが、
そこにさらに仕掛けがあって、なかなか楽しいのでありました

漫画のようでもありといった感じでもあり、
小説家が自分の作品内に登場するアーガイルと、
実在する自分を助けてくれるスパイを同一視してしまうとか、
基本的に漫画っぽいお話なんだが、
このアーガイルがやたらかっこいいので、なんとなく見入ってしまった
かっこいいというのも、だいぶステレオタイプのマッチョな男という像で
今、こういうのは流行らないんじゃないかと思わせるかっこよさなんだが、
そういうのがまっとうにかっこよくふるまっているだけで
なんか、画面に吸い寄せられるように見てしまうのが不思議だった
正直、役者が、本当のスパイに戻ってしまうと、
いかにもスパイで、そこらにいそうな男という風体になってしまって、
アクションの魅力が減ってしまうというなと思っていたわけで、
そこを狙ってもいるだろうし、アクションをむやみやたらにゴージャスにしたかったから
この手法にしたとメタっぽく感じたりもしつつ
とりあえずかっこいいし、面白いからいいやと観ていたのでありました

最終的には、なんじゃそりゃという展開になっていくんだが
そのあたりではもう、スパイ映画というので、かつ、本格スパイ小説という設定も、
そりゃなかろうというくらい、荒唐無稽でただただかっこいいを突き詰めていく展開になるのが
いっそ潔いくらいだったので、あまり考えずに見るのがよいと
ドタバタアクションを見て終わった
そんな映画だったのでありました

しかし、女優さんというのはメイクと演技で
あーも変わるものかと、その点は驚きをもってみていたんだが
いかにもああいう小説家いそうだなと思わせる最適なキャラづくりで
パーフェクトすぎるだろうと思ったのである
もっと、笑うところ多いかと思ったが、そんなことなかったのはちょっと残念だったが
おおむね面白かったのである

【ドラマ】作りたい女と食べたい女

2024-03-12 21:05:06 | ドラマ映画テレビ感想
夜ドラであります
前作が割と短かったよなと思ってたら、
人気あったのか、さらっと第2シーズンも作られて放映
ほのぼのとして楽しく見ていたんだが、
そうか、LGBTQ的な話でもあったのか、と驚いていたら
むしろそっちがメインであったようで、
そういう恋愛というカテゴリでいいのかわからんが、
そこは別にして、ただ、タイトルの通り、料理が作られ食べられるという
そういうものだと思っていたのに今回はだいぶ踏み込んだなと
違うドラマのように見守ったのでありました

描かれている世界観が、ずいぶん優しいとみるべきなのか、
実際に、そういう人たちが存在していることが
これだけ喧伝されるようになったから、
確かに社会の雰囲気変わったよなと思うところも多くて、
さらっと、職場でカムアウトして、ああ、性別考えてなかったですなんていう同僚が
いるような、いないような、恵まれた理想の社会を描いているとも思えるし
実際こんなもんになってるかもなと思いながら見たのである

SNSを通じて、そういう同じ悩みを抱えるもの
そうではないけど、やっぱり悩みのある人というのが繋がるというのは
ありうるというか、昔からそういうもんだよなと、
気づけば、オンライン付き合いというのから離れた身分をはかなんでみてしまったんだが
さておき、ちょっとご都合にすぎるけど、仲良くなる隣人が増えて
それぞれの悩みが柔らかく緩解していくという感じがよかった
優しい気持ちで見ていられるというのが、
この枠に求められているのか、安定しているところだなと思うばかりでありました

食事も相変わらずでてくるものは美味しそうで、いいなと思うんだが
実際作れるだろうかというとそんなことはなさそうで、
そして、結構あれこれ作るけど、そこがほとんどクローズアップされていないというか
料理に変にこじつけられていないのがよいとも思えるし、
いくつかある日常のごたまぜというのがよく表れているとも見えたのである
原作をまったく知らないし、ドラマを見ていて、主題という大層なそれを探すものではないと思いながら見ているんだが、
あまりにも淡い物語だなと、良いことも悪いこともある、そういう毎日と料理
ただそれだけなんだが、なんとなし、見てしまう魅力があったと思うのだった

続きがまた、新天地でありそうだなと思うのだけど
まずはこれまでという、3月らしい転居で終わるというのは
季節感もあって、いい最終回だったと感じたのでありました

【ドラマ】お別れホスピタル

2024-03-05 20:53:54 | ドラマ映画テレビ感想
重い…
思わず呟きながら、でも、ずっと魅入られていたように
食い入るように、見入って、沈むように受け止めていた
いや、一方的に殴られたに近い感じで、ともかく、ずっと受けていた

医療ドラマであるのも間違いないのだけど、
そこの中でも死を扱うばかり、人間ドラマでもあるんだが、
孤独と死と、しがらみとが描かれていくばかりで
本当にほのかに、ささやかに笑いもあるんだが、
それは悲壮を際立たせるスパイスでしかないようでもあって
まぁ、ともかく重く、さりとて、目が離せない作品でありました

人間ドラマなのは間違いないんだけども、
あんまり扱われない部分というか、見たくないものを見せてくるようでもあり
死や、最期というところで目を背けたいところをクローズアップするかのようでもあるが
露悪的ではない、とてもまじめに作られているからこその重さが
なんとも、身に応えるようで面白かった

死を迎える人に、当然のように色々な人生があって、
死の淵の入り口から死まで、その間にみるみる弱っていくというのが
ただ見ている画面ではそうと描写されない、そこではない問題に目を向けているんだが
その間に、明らかに病状なり、症状なりが進んで死んでしまう
この刹那を切り取るばかりで、重い意味をいくつも考えさせられて
いつか自分にも訪れる、看取る側と看取られる側の両方が見えたように思うのでありました

死は誰のものかという問いかけも包含していたようでもあるし、
エピソードとして、とっかかりだからというドラマのメタ的なものも含めて、
古田新太さん演じる患者の死が、本当に強烈で、
死の種類についても考える要素があると知るのでありましたとさ
また、どの編においても、ここぞという場面の絵作りが上手すぎる
わざとらしいまでに、絵として作りこまれていて、画面にくぎ付けとなってしまうのが
本当、好きすぎるわと思った
人物の撮り方、構図、余白、間のすべてが計算されつくしているんだろう
一番演出的にキツいところに照準をあわせているようでもあって素敵すぎる

ゆりかごの時は、まだ救いがあったようにも思うんだが
今回は、その先というか、諦めや受け入れというものについてクローズしているのが
堪える内容であったと書いても書いても、何も追いつかないし
書くほどに深みにはまる分厚いドラマだったとメモっておくのである
死ぬのは怖いし、死なれるのも怖いし、
だけど、その前後はずっつ繋がっていて、
死ぬまで続いたものは、死んでからも続いていくんだと
それは救いではなく、やっぱり諦めというか、仕方ない物というのを学ぶようでもありました

【ドラマ】孤独のグルメ2023大晦日スペシャル 井之頭五郎、南へ逃避行『探さないでください。』

2024-02-27 21:05:20 | ドラマ映画テレビ感想
そういや、見たのに感想メモっておくの忘れていた
というわけで、昨年末にやっていた孤独のグルメスペシャルであります
個人的に大好きな台湾が出てくるということもあって、
かなり楽しみにして見たんだが、まぁ、そう気をはってみるものでもないし
ゆるり楽しんだのでありました

特にこれがということもないのだが、
すっかりドラマとして、一つのスタイルというか、茶番も見ていられるくらいの安心があって
凄いことだなと、改めて長い間やっているドラマのすごみを感じるのでありました
冒頭のテレ東から逃げるシーンとか、そのメタっぽい発言も含めて、
紅白で松重さんが抑えられなかったからできたんだなと伺わせつつ、
しょーもないおっかけっこで、バレバレの逃避行に出発するくだりなんかが
もう、どこが孤独のグルメなんだという感じではあるのだが、
それでいいという強みが、ドラマのオリジナル感といえばいいのか
ともかく作品としてそういうものだと信頼を感じるのであった

さておき、話はまぁいつものスペシャル通りで、すったもんだに巻き込まれて
結局おつかいに次ぐおつかいをしていくだけなんだが、
まぁ、その先々で色々なものを食べて、今回は南へという話だから
沖縄編もよかったし、そこでの川平のまんま演技が非常によろしいなと
もう下手とか、演技してるとか、もうそういう次元ではないけど
それでOKという雰囲気が大したもんだなと、
でもその中で、松重さんがちゃんと五郎の演技をしているというところがいい
心の声とかナレーションで入ってるから違和感なく見てるけど
よくよく考えると凄い演技力というか、ドラマを作る能力だなと感激したのでありました

ま、そのあたりはこのドラマの魅力ではあるがメインでなく
さてかなり強引に台湾に渡る話になってから、
正直もっとやってほしかったんだが、凄い短い時間で
まぁ、そもそも、いきなり飛行機とって、沖縄からだったら結構安いんだろうかとか
色々考えてしまったけど、五郎さん儲かってるからそのあたりはどっちでもいいのか
今回は休暇だしなと納得しつつ
どこ行くんだと眺めていて、どうやら、国父記念館のあたりから松山といったところで、
おつかい先はロケじゃないだろうからよくわからんが、
まぁそのあたりで、松山の空港近くでというプランだったんだろうかと考えたりしつつ
火鍋とか食べたことないから新鮮に見ていたんだが
今回はむこうの五郎さんとのサプライズとかもないままで、
正直物足りないとも思うところだったんだが
しかし、一人であの量の肉食えるのがすげぇなと改めておもうところ
あんだけ食って、豚だなという結論にいたるというのが
非常にナイスな情報ではあるんだが、真似はできないわ

そして、さらっとビーフンで〆というのもいいなと思うのだが
まぁ、このドラマに求める台湾って、つまりこういうことだよなとも感じたりしたのであった
すごい名店紹介とか、ものすごい名物紹介とかではなく、
ぱっといって、目についた店にはいって楽しむ、そのさりげなさと
いつでも食べられそうながら、一度食べてみたい感じ
そのほどよさが、今回はこの二件に凝縮されていたんだろうかと考えたりしつつも
ドラマ作るとき、どうやって選んでるんだろうかとちょっと気になったりしたのである
ほどほどのというのを狙う難しさみたいなのを感じるのであったが
ともあれ、楽しいドラマでありました

【ドラマ】善人長屋

2024-02-20 21:05:04 | ドラマ映画テレビ感想
NHK時代劇でありました
同名タイトルの漫画があったなと、ビックコミックオリジナルのそれを思い出したんだが
どうも、それも含めて、小説が原作だったようで
まったく知らないままだが、まぁ、気の抜けた江戸ものという
非常によろしきジャンルで、大変楽しく見入ったのでありました
なんだかんだ、こういう気の抜けた善人話が好きなんだな

というわけで、裏稼業もちばかり集まった長屋に、
正真正銘の善人がひょいとやってきて、
まぁどたばたするというお話だったわけだが
裏稼業の技を使って、なんだかんだ善行をというくだりのあと、
善人が、善人でなくなるのか?という大仰なテーマかと思ったら
別にそういうわけでもなく、いつも通り
さらっと、あれこれだまして、まぁ大団円といった感じで
よかったねという終わりでありました
次回というか、続きはあまり考えなくてよさそうな感じでもあるが
いくらでも続けられそうなところの落としどころが
ほどよかったなと思ったりしつつ
楽しかったのである

手品みたいなトリックだったり、美人局が男だったりとか
あれこれ面白い仕掛けがいっぱいだったんだが
小説的な文章で読むとうまくいきそうだが
実際に実写になってしまうと、色々無理がありそうよなとも思ったりしてしまう
特に美人局のあたりは、もうちょっとなんとかできたんじゃないか
ぱっと見ただけで、やっぱり骨格が男じゃんとわかっちゃうのは
なかなか難しいことよなと思うのであった
実際、歌舞伎の女形は見事に女なんだから、できそうなもんだが
こういうドラマでそれをやろうとするのは難しいんだなと感じたのである
ただ美形というだけではない魅力というものが必要なんだろう

さておいて、原作からしてそうなんだろうから仕方ないんだが
長屋の住人達のそれぞれの活躍回があって
最後にというくだりは仕方ないにしても、それぞれの異能を生かす展開が
その主役回だけというのがなんとももったいなくて
せっかくだったら、色々みんなの力で最終的に大きな解決とか
見たかったかもと思ったりしながらも
まぁ、なんだかんだ、殺陣がさほど派手でもないのに
時代劇として面白かったからいいかとほのぼの見終えたのでありました

【映画】八つ墓村

2024-02-13 21:05:40 | ドラマ映画テレビ感想
いくつもつくられているにも関わらず、一個も見たことなかったので
先日、Youtubeで無料配信してたので見たのである
おそらく一番有名だと思われる、渥美清版、いや、松竹版というのが正解なのか?
そのあたりもわからんが、若いショーケンが右往左往しているという
当時の女性たちがきゃーきゃー言いながら、
山崎努を見て、ぎゃーぎゃー言ったであろうとしみじみかみしめたのである

原作も読んでないので、はたしてという感じだが
あの有名な、要蔵が駆けてくるシーンを見るだけで
もう、この映画の元を取ったのではないかというくらい
実にすばらしい恐怖映像で、淡々と一言もしゃべらずに殺しまくるのがすげぇと
食い入るように見入ってしまった、
山崎努、セリフ無しなのかとか思ってたが、よくよく考えると
普通の顔して息子役でせき込んで、ちゃんと喋ってたわと
そのギャップに、同じ人だと思えないほどで、非常によかったのである
ショーケンのお母さんを手籠めにするシーンとかも怖すぎる
すげぇ役者だな本当に

話しとして、あるいは、映画、物語としての素直な感想としては、
凄い勢いで殺人が起きてくなと、あっけにとられるのと
そのシーンが、割とたんぱくというか、死の受け入れがそんなに衝撃的でない
むしろ、戸惑いだけみたいな感じになっているのが不思議というか、
今だと凄い違和感を覚えるんだが、当時、あんなもんだったんだろうかと
人が唐突に死ぬということに対して、変に演技が入らない
そういうことなのかなとか思ったり考えたりしたのである

また、最期のシーンというか、展開については、
金田一が一切人を救う気がないんじゃないかというくらい
むしろ、殺人を間接的に手助けしてないかといった感じになってて
まぁ、最期のショーケンのシーンにつなげたいがためのシナリオだろうと
わかっているんだが、そうなっていくその洞窟での惨劇はおいといて、
外で推理披露、というか、調査報告をしているというこの感じが
金田一としての描き方というではなく、
ただただ、ショーケン主役の恐怖パニック映画であったのかなと
思うような出来になってて、凄く面白かったのでありました

有名な祟りじゃーが、出てこないというのは軽いショックだったけども
それは必要なく、田中邦衛とかが、さらっと出てきてさらっと片付けられていたり
だいぶ豪華だと思ったりするんだが、当時はまだ駆け出しみたいな扱いだし
そういうことなのかしらねとも思ったりしつつ
とにもかくにも、要蔵が駆け抜けるそれと、ショーケンがずっと戸惑っている姿
それをただただ鑑賞するものであったといってもよい
そんな映画でありました
なかなか面白く、気づいたら見終わっていたのであった

【映画】哀れなるものたち

2024-02-06 21:02:27 | ドラマ映画テレビ感想
前評判とか調べないで見てきたんだが、
R18指定だったようで、直接的な性描写とかあって驚いたんだが
大変面白い映画だったように思う
映画初心者の自分には、ちょっと難解だったというべきなのかもと思うくらい、
なんかよくわからんが、よさそうな雰囲気と、一言では言い表せない何かだったことで
素晴らしいものを見たと結論づけたのでありました

SF設定、というか、荒唐無稽な内容なんだけども、
根底のテーマには女性が自身の人生を生きるために思想解放される
みたいな感じにも見えたけど、それは表層的なもので
もっと根元的にかっこいいメッセージがありそうな、
それでいて、気負いなく面白い映画だったようなと
そんな風に考えるところ

まず手法からして凝っていて、
序盤は白黒で、まるで古い映画のような雰囲気のまま、
古いロンドンが舞台で始まり、馬車と馬車風の石炭自動車が走っているという
結構クラシカルな雰囲気がいいなというところなんだけども、
主人公の成長につれて、また見ている世界観を顕すようにカラーになってきてと
このあたりの描写が、まだまだファンタジー世界っぽく、
女性が知らない世界に飛び込んで、無我夢中であるという夢見心地を顕しているような
そうともみえる映像になってるのが素晴らしかった
やがて、地に足がつくというか、自身で稼ぐ方法を会得して、
それにより自身をはっきりと自覚したとでもいうべき頃には、
言動も行動も、映像もはっきりとしてきて、見ているこっちもどんどんとのめりこむようになってて
非常に面白かった

ストーリーとしては、ある身投げした女性の遺体を手に入れた外科医が、
その死体の腹に子供がいることに気づき、外科手術で、母親の脳に子供の脳を入れて助ける
というか、このあたりも医学研究の実験として行われているわけだけども
そこに感情の介在や、外科医の生い立ちとか、色々あわさって仕方ないというか
そこはそういうもんだと、あまり考えないようになっているわけだが
ともかく、救われた胎児の脳が入った女性が主人公である
これが、大人のなりなんだが、頭は完全に子供なので
序盤は白黒映像もあいまって、滑稽というか、ある種グロテスクな障害児のような印象すらあるんだけど
見終わってみれば、子供って、ああいう感じで動くし喋るなと、
それを大人の体でただやっていただけだと気づいて、なんとも驚いたのでありました

で、この子供大人が世界を知りたいと冒険の旅に出るというあたりから
どんどんと本人は成長していくし、社会的通念的なものを理解しないことから
あれこれ悶着があって、結局性風俗で働くようになったりとか
まぁ、なんとも、面白いのでありました
貧困と死生観を取り扱う道徳的内容でもあるし、
鬱屈して窮屈な世間批判でもあるしといった感じが、実に軽やかで
また主人公のありようが、天真爛漫とは異なるが、晴れやかで力強い様が実によくて
知性をはっきりと構築していく様、それによって意見と言動と行動がともなっていく様が
猛烈にかっこいいのがとてもよかった
全体的に男性が物を知ってそうだけど、その程度という扱いなのも面白くて
実際、女性として世間を生きていくと、こんなに滑稽ではないにしても
似たようなことがいっぱいありそうだなんて思わされたりしながら
非常に楽しく見終えたのでありました

終わりも結構鮮烈な感じだったが
まぁ、オチのためのという感じの終わり方でもあり
見所は途中で、哲学を語るおばあさんとの出会いと娼館での働きだなと
シーンのいかがわしさより、それにより成長する姿というのが実によかったと
大変楽しんでみたのでありました

【映画】ゴールデンカムイ

2024-01-30 21:05:07 | ドラマ映画テレビ感想
評判よさそうなので見に行ってきました
非常によかったと思うんだが、原作知らない人も面白いと思うだろうか
ちょっと考えてしまったんだが、アクション映画としても大変よかったと思う
というか、冒頭の旅順攻略の戦場シーンだけで、
大変すばらしいものが見られたように感じて
なかなか満足であります

原作通りだったと思うんだが、
テンポよく、さくさく話も進んでいくし、結構いいなと思っていたんだが
まぁ、原作漫画だからこそというか、盛り上がりをつくるエピソードの流れが、
いわゆる漫画のなんとか編みたいなのが終わったという感じが
一本の映画みてるはずなのに、なんか、新しいのが始まったなというのが見えて
集中が切れるというでもないけど、不思議な感覚になってしまうんだが
これは俺だけなのか、普通の映画でもそういうもんだよという感じなのか
よくわからんが、漫画原作ものにずっと感じている違和感みたいなものを覚えたのである
けど、本作はそのあたりもうまく消化しているように見えて、
まだそういうところもあったようにみえるけど、以前ほど感じなくなってきてて
このあたり、邦画が漫画原作の消化の仕方をわかってきたということだろうかなどと
偉そうなことを思ったのである

話しとしては、金塊探しを始めるというスタートに立つというところまでで、
まぁ、人気でたら続編に、という風にも見えるけど、そもそも原作に続きがあるんだから
こういう作り方になるよなと思ってしまうところながら
いい塩梅で、下手にギャグ入れすぎないという匙加減もよくて
見ていて安心したのでありました
なにより、アクションが要所要所に入ってくるから、
内容とシナリオはまったく別物だけど、
往年の香港映画、カンフー映画見ているみたいな飽きなさがあったと思うのである
しんみりした話というのもいいが、アクションというもので話が進むのが
見ていてずっと新鮮な気分でいられていいなと思うのでありました

必要以上に、ギャグマンガっぽさも出さないようにしつつも、
ちゃんと原作の雰囲気、主に食事シーンにそれをもってきた感じ、
わざとらしいとぼけ方なんだが、それを、そう見せない、
コントになりすぎないというきわめて難しいところを
実にうまく昇華してて、山崎賢人すごいなと感心してしまった
体の作り込みも見事だったし、これに関してはキングダムもあいまって、
いいキャラつかんでるなと思うばかり、漫画原作用の演技というのを体得している
そんな風にすら思ってしまった
漫画だから許せるギャグみたいなのを生身で、アレンジというでなく、演技できるようになっているのが
実に素晴らしいと感じるばかりでありました

とりあえず、アクションがどれもこれもかなり派手でよかったし
はったりがきいているキャラの所作、なにより動物のCGがかなり自然で
違和感なく楽しめたのでありました
キャスティングで、二瓶、キロランケ、インカラマッも準備されているらしいから
さっさと次のを撮ってほしいなと思ったのでありました

ああ、そういや、アシリパさんが、ことあるごとに「殺すなよ」と言ってたし、
殺さないシーンも多いんだけど、それはそれとして、杉元は普通に人殺してたんだなと改めて思った
少年誌連載じゃないからこれでいいんだが、なんというか、そうだとしてもあっけらかんと殺しすぎではと
ちょっと考えてしまった、普通の物語でヒロインが殺すなっていったら殺さないか、殺したら大変なことになるべきだろう
まぁ、ストゥで殴られてたけどもさ

紅白歌合戦 2023

2024-01-19 21:05:09 | ドラマ映画テレビ感想
今更といった時分になってしまったけども、
ちゃんと見ていて、感動したのでメモだけおいておくのである

毎年恒例ながら、今年(2023年)も無事見ることができたと
しみじみしていたわけだけども、
諸々の事情で出演者が右往左往しただの色々と聞いたが
そもそも最近の歌とかほぼ知らないから、いつだって新鮮と思いつつも
今年もやっぱり、石川さゆりが聞けたというだけで
見た甲斐があったとも思うのであります
津軽海峡を歌っていたわけだが、ウクライナの民族楽器による伴奏で、
正直不謹慎ながら、スターリングラード冬景色を想ってしまったんだが、
それはそれとして、本当、伴奏が変わって、
それに合わせているにも関わらず、やっぱり石川さゆりだというのが
本当に素晴らしいと思うのでありました、今年は天城越えか、今から楽しみである

もう一つの見所として、伊藤蘭があったわけだけども、
ここがてっきり、娘含めての朝ドラポジションとなるかなと期待していたけども、
残念ながらNGだったようで、至極残念と思いつつも
まぁ、キャンディーズ聞いてもいいかと思っていたら、
この軽い気持ちで見ていた自分を恥ずかしく思うほどの屈強なファンが出てきて
違う意味で見所たっぷりであった
無論、パフォーマンスもすごかったというか、ああ、これがアイドルかと思わされるそれに
讃える、支える、崇めるファンがいてこそのアイドルという思想が体現されていたと
感動したのでありました
令和の今に、「ランちゃーん!」なんて合いの手が聞けるなんて思いもしなかったわ
余談ながら、50年以上の時を経たファンだから面構えが違うというのが、深く深く理解できたのである

朝ドラシーンについては、司会をしつつも、神木くんが出るだけで
らんまんっぽさが戻ってくるというか、朝ドラの仲の良い夫婦像が
そのまま現出するのが大したもんだなと感心したのである
でも、やっぱりブギウギスペシャルは聞きたかったなと思うんだが、これは次のでもやらないだろうし
惜しいことこの上ないな
そうだ、司会二人(浜辺、橋本)もまたよかったわと思ったんだが、
司会に歌わせたのはかわいそうすぎるだろうと感じたのである
あと、知らないNHKの番組から出たユニットもかわいそうだった
なんだかんだ、歌を聞く番組だから、やっぱりうまい人を期待しているなと自分の心の機微を知ったのである
まぁ個人の感想だから、紅白歌合戦という番組としては成立しているのかもしれん

そして、まぁ、それらを受けてのというか
今回は構成上トリにもってきた方がよかったろうなというのが、
YOASOBIのアイドルで、これまた、ラジオとかで聞いただけだったんだが
流行っていると聞いていたので楽しみにしていたら、
ありとあらゆるアイドルがこぞって踊るというとんでもないステージになって
実に素晴らしかった、あのためにあの長い番組が存在していたといっても過言ではないくらいの
実にすばらしいパフォーマンスだったと感激したのだった
そこまできて、ああ、今年の紅白は誰も何もいってないけど、「アイドル」がテーマだったんだと
気づかされたのでありました、いや強引すぎるか

Adoも無事、名義通りでNHKに出演されて、しかも東本願寺からかよと
色々衝撃的で、理解がおっつかなかったんだが
すげぇ歌唱だなと感動したのである、そりゃライブで聞きたくなるやつだわさ
あの瞬間、東本願寺までいったら聞けたんだろうか、惜しいことをした

と、まぁなんだかんだ楽しんで、演歌の人たちの扱いがちょっとひどくない?と思うんだが
けん玉もドミノも、色々考えたうえでなんだろうなと感じたわけだけど
歌上手いんだから、ちゃんとそれだけで見たかったとも思うのでありましたが
また今年(2024)も見てしまうだろうと思いながらメモっておくのである
テレビ見る最後の方の世代であるなと自分を思うのであった

【映画】ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE

2024-01-16 20:55:09 | ドラマ映画テレビ感想
今更?という感じながら、
正月にレンタルで見たのでせっかくだからメモっておくのである
シリーズがいくつかあるのを知っているものの、
多分見たことあるのは、ジョン・ウーがやったやつだけだなと思いながらも、
トップガンで、まだまだ魅せるなトム・クルーズと鼻息荒く応援したこともあり
代表作の最新作となればと観たのでありました

タイトル見たらまんまというか、一作で終わらないことわかるはずなのに、
こんな展開で最後どうなるんだとか思いながら見て、
続きありきかよ!と衝撃を受けたうえに、続編が延期になっているというのが
もう、なんだろうか、トム・クルーズの体は持つのか、大丈夫なのかと
いらん心配をふんだんにさせられた感じだったわけだけども、
まぁ、その年齢を感じさせないアクションが大変よろしく
スパイ映画の、というか、シリーズのお約束を常に踏襲していく展開が
安心して見ていられるといった感じで
なかなか楽しかったのである

とはいえ、物語を盛り上げるためであろうか、
序盤で部外者というか、ひっかきまわし役のスリの女が出てきて、
こいつの言動と行動がどうしても許容というか、
お前のせいで、このややこしいこと全部起きてんだぞというのが
造詣としてあたりとみるべきか、やりすぎとみるべきかと思っていたら、
まさかのそういう展開かとあっけにとられたのであります
まぁ、そういうこともあろうかと思うが、
大手を振って迎え入れられるはずもなくない?と思ったわけだが、
それはそれとして、最新AIとの闘いというのを見せてくれる手法というか、
最新AIの手法そのものも、なんとなく古き良きスパイ映画のそれっぽくて
これはこれで、見ている分には楽しいと思えたのである
リアリティとか、そういうのはおいといて、
面白いかどうかという点においては、ずっとはらはらさせるから面白いのだ

敵味方がわけわからんようになったり、
どたばたし過ぎとも思ったんだけど、
まぁ、そういう組織とそういう人たちだからなという感じで
流せてしまえるのがいいところだと、物語にどっぷりつかって
あまりあれこれ考えずに娯楽として嗜むのが正解という
お手本のような映画で楽しかったのである

とはいえ、全然完結してないので、とっとと完結編をやってほしいのだが
タイトルのナンバリングが1というのが曲者で、これは、引っ張って3とか4とかも作るつもりなんだろうかと
不安に思ったりしているのでありました
さくさくっとやって、ぱっぱと解決というのが娯楽映画には大切だと思うんだが
とりあえず、次を楽しみにしているのである

【ドラマ】スペシャルドラマ 必殺仕事人

2024-01-12 20:47:43 | ドラマ映画テレビ感想
昨年末に放映されておりました
諸々の事情があって、年明けではなく年末であったろうことが察せられるのですが、
それはそれとして、新メンバーの松下奈緒が抜群によかったので、
是が非でも続編を期待したいと思わされたんだが、
本当、どうなってしまうんだろうか

なんか時事ネタで遊んでくれるのかなと思ってたら、
さほどにそういうところはなくて、
もっぱら、松下奈緒推しといった感じだったので、
ひょっとすると、諸々の事情がなかったら、このスペシャルをかわぎりにして、
連続ドラマをやるつもりがあったんじゃないかとすら思ったんだが、
どうだったんだろうかしら

冒頭で、いつものように有名人枠の人があっさりやられるわけだが、
今回はいつにもましてスピード感満載、一瞬で3人がやられるというのが、
もうちょっと溜めるなり、見せ場を作る余力をもってもよかったんじゃないかと
そう思うほど、あっという間すぎて驚いたのである
掴みとしては完璧なのかもしれない
でも、もうちょっとディモンディとか見たかったんだけど、
本当、何が起きたかわからんレベルでやられてしまったのは
笑ったんだが、もったいない

話しがどうだったとか、そういうことは
意味をなさないと思いつつも、一応推し活めいたものを主題にして
地下アイドルみたいなのが無残にという、
まぁありていな内容がよかった
枕営業を強要されるというのが、そういう事件があったようななかったようなと
そんなレベルだったわけだが、
結構雑に恨みをためて、それを果たす感じだよなと、
今回、作りが荒すぎると感じたのでありました
いくらなんでも、もうちょっと凝った感じができたんじゃないのか、
ファンの男がもうちょっと頑張った末に殺されてその恨みとかなんとか
と、思うのだが、まぁ、それはそれ

安普請の中抜きの話も面白かったけども
松下奈緒が、てっきり刀使う系なのかと思ったら、
唐突に糸を使うようになって、まぁ、仕事人的にはそれで正解だけど
やっぱりここも、脚本が荒すぎるとか感じてしまった次第
もうちょっと、そういう武器のところは解説というか、
せめて辻褄合うようにしておけよと思ったんだが、今更であるな

と、まぁ偉そうにあれこれ文句つけてしまったんだが
そんなことは些細なことといっても構わないくらい
実に松下奈緒の出来栄えがよかったので、なんとか次回作も作ってほしいと思うのである
問題は、八丁堀枠を誰がやるかというところだが
殺陣はそこそこで、もっと時事ネタ扱うような
変わり種ドラマとして、金字塔を打ち立ててほしいと願うのでありました

【アニメ】地球外少年少女

2023-12-31 16:56:50 | ドラマ映画テレビ感想
NHKでひっそり深夜放送していたんだが、
電脳コイルの後釜っぽい雰囲気で、なかなかのSFを見せてくれる
よいアニメでありました
確か、映画でやってたやつだと思うんだが
連続アニメ用に再編成したものと思われる

人工知能の限界というのがキーワードの一つでもあったように思うんだが、
全ては予定されている、あるいは計算できるとするべきかどうか
そんなことを扱っていたようにも思えるけども
それはそれとして、自身の決断というものの尊さというのが、
未来を切り開くそれだという展開で見せるというもので
まぁ、これによって哲学的なものに回答が与えられるはずもないので
各個人で楽しく観たらよかったと
そういう物語だと思うんだが、本当、電脳コイルもそうだけど
終盤に設定というか、色々な事象が畳みかけるようにセリフで襲い掛かってくるのは
子供視聴者置いてけぼりだろうと思ってしまうんだが
深夜放送アニメだからこれが正しいとも思ったりするのである
映画は当たらなかっただろうことがうかがえてしまうが、それはそれ

なんだかんだ大変楽しく観られて、
なるほどなーと思う部分もあったわけだけど、
それ以上にSFの雰囲気が非常に好きで、
ああ宇宙ってこういう感じになろうかしら、現代的なそれこれで宇宙というか、
地球外というものを見るという感覚が、身近のようにも思えるという
わくわく感が大変よろしく、夢のある物語だったと感激したのである

大人たちの思惑とか、そういうのもあるにはあるけども
そこはうっちゃって、さりとて子供たちだけで解決するという
懐かしいバイファムみたいな感じとも異なる
ギャグっぽいテイストで進むというのがとてもよかったと感心したのでありました
まぁ、少年少女が見て、誰に感情移入できるんだというと
どれも子供っぽいように見えてそうではないキャラだったから、
やっぱり視聴層は昔少年少女だった人々である、自分たちくらいなんだろうかしらねと
感じ入ったりしたのである

SFの設定を良質なアニメーションで楽しむことができる
そういう映像作品だったと、勝手にラベリングしたくなるような気持ちだけども
悪い意味ではなく、こういう楽しさは他で味わえないなと思いもしたので、
稀有な作品であったろうと楽しんだのでありました
何かあってもよさそうなテーマを扱っているんだが、
たぶんそれではなく、この設定を見せるということが
制作熱意の根源だったのではないかと思ったりして
ある種の映像研的な事案でもあったのではないかと個人的に落ち着けているのであった

作り手が楽しく、見るほうも楽しかったと思えたので
とてもよかったとメモっておくのである

【映画】翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて

2023-12-30 20:58:06 | ドラマ映画テレビ感想
滋賀県を舞台ということで、
住んでいる以上見に行かないとな、なんて義務感強めで見てきたんだが
噂に、いや、公式宣伝文句通りの茶番劇だった

というか、滋賀県在住者からすると、
これは豪華な平和堂のCMなのでは?という出来栄えで、
見てから気づいたんだが、やたら、平和堂でこの映画推してたなと、
滋賀県だからそうなのか程度で思ってたけど、
強力なスポンサーとしてがっつりだったと伺い知れて
なんというか、滋賀県的にはそれでいいんだが、宣伝効果として
平和堂に利点があるのか?と思ったりしてしまったのである
そもそも、平和堂に金払って出てもらわないといけなかったレベルじゃないのかむしろ
いや、払ったというかバーターくらいにしたんだろうか県内の宣伝全部引き受けます的な感じで
と、まぁそれくらい平和堂とは一言もでてこないけども、
みんな知ってる平和堂のあれこれがいっぱいでてきて
大変満足だったのである
HOPカードを無意味に主張させて、一切使うシーンが出てこないのがある意味面白かった
なんか役目か役割があると思ったのに、出オチかよ

とび太が大活躍だったり、琵琶湖周航の歌を哀惜まぶして歌ったりと
面白いんだけども、大笑いまでいかない感じだったのが
個人的には残念で、やっぱり、滋賀県だけで推すことができるはずもなく
関西他府県を交えての薄い県民あるある祭りみたいになったのが残念で、
しかも、当然のごとく埼玉ネタも入るから、
焦点がぼけてしまって、笑うところよりも、戸惑うところの方が多いと
そんな印象になってしまったのであった

とはいえ、俳優さんについては、杏ちゃんがともかく頑張ってたというか、
まぁ、普通にやってたんだろうけど、茶番に対して真面目に取り組んでいるという、
変にウケようとかもない感じがよくて、
あとは、愛之助さんが怪演を楽しんでやっているであろうことが伝わってきて
大変よかったと思うばかりでありました
しかし、二階堂ふみもそうだけど、二人とも普通に女の人だよな

見世物小屋で、滋賀県人に信楽焼を割らせるというのがあったが、
字面だけだと凄い尊厳破壊に見えるけど、実際のところ
割れといわれたら割るよなと冷めてみてしまったんだが、
絵面的に面白かったのでよかったと思うのである

【ドラマ】大奥 第2シーズン

2023-12-28 20:54:16 | ドラマ映画テレビ感想
NHKがかなり気合入れて作っていたドラマ「大奥」の
第2シーズンが見事完了しました
原作知らないけど、凄い面白く見られた
性別逆転ものというので、トンデモではないかと
勝手なことを思っていた自分が恥ずかしいと
そう思うような、重厚なif歴史物として楽しめたのであります

大きく、医療編と幕末編に分かれていたわけだが、
とりわけ、医療編がよかったと思うところ
出てる役者も怪演ばかりで見ごたえも多くて、
源内が一等としても、仲間由紀恵の悪役を初めて見たんだが、
あの迫力たるやと、感動すら覚えるほどであった
キンキン怒ってるという感じで、常に厳しい怖さがあると見せた安達祐実からの、
本性を出した仲間由紀恵の恐ろしさが、まぁ本当にもう
すばらしく怖かった
女性が男のようというと、色々とややこしい糾弾を受けそうだけども、
役割的にも、物語的にも、歴史で男がやっていたことを女がやる
そこに性別はあろうが、人間というもの、その立場のものという生き方
その性格性質というのが色濃く出ていて、
それでいて女性ならではといっても相違ない恐ろしさがまぶされているのが
まぁ、面白くて仕方なかったのでありました
しかし、毒というアイテムについて、気のせいか女性作家はやたら思い入れがあるんじゃないか
そう思わされたりするのでありました

男性俳優も、村雨さんをはじめ、人間ドラマに軸を置いた演技が素晴らしく
話しの面白さもさることながら、情愛の見せ方が秀逸で
特に幕末編においての夫婦の在り方を篤姫で見せつつも、
宮様を女性にしてというのもまた、愛情の在り方がよくよく出ていて
そして、すべて悲劇というのが、あの時代のあの交代劇にそれがあったかと
錯覚してしまうような内容がまたまたよかったと思うのである

また医療編に戻ってしまうが、
一等は、やっぱり源内の鈴木杏さんで
ここ数年、NHKで見るたびにいい役といい演技で見ごたえあるドラマを作ってくれていて
大変ありがたいと仰いでみるような気持ちだったのでありました
気風の良さをさばさば出しつつも、その裏に様々あってというのもよく
このあたり、明るいだけではない演技というのが、
前向きだけど裏に何かある、けど、それを乗り越えている、あるいは、乗り越えようとしている
そういう表情、仕草が見てとれるようでよかったのでありました

幕末編では、その少し前、やはり阿部伊勢守が抜群によかったんだが、
これも、ややもすると源内とかぶりそうな役どころだけど
違うように見せるというのが難しいだろうに
実によく演じられていて、感心したのでありました

まぁ、つらつら散文的な感想になってしまって
まとまってないんだけども、凄い楽しんだ
そして幕末編にもかなりいいところがあったんだが、
通してみたとき、医療編の方がより強く印象に残った
そうメモっておくのである

【ドラマ】お登勢

2023-12-24 20:55:29 | ドラマ映画テレビ感想
NHK金曜時代劇、でかつて放映されていた時代劇であります
日曜早朝にやってたのを録画してなんとなし見ていたんだが
まさか史実を扱っていると知らず、
タイトルと幕末テーマというあたりで、てっきり寺田屋お登勢の話かと思ってたんだが、
まったく異なる展開で、まさか蜂須賀家のすったもんだが、
幕末にとんでもない事件になっていたなんてと
勉強になりつつ、そして、沢口靖子という女優の力を見る機会ともなった
ステキなドラマでありました

全体的に、出ている役者が若いという印象は、当たり前ではあるものの、
さりとて、沢口靖子に関しては、変わらないといってしまってもいいような、
これは、その、容姿というのもさることながら、
演技という点においても、まったく今と一緒じゃんというのが
衝撃的だったわけだけども、それはそれ、
不思議とそこにものすごい魅力があるなと感じたのでありました
多分これは、可愛いという感想が当てはまるのであろう
実際、田舎娘役として見事に、あざといまでの粗相をやり散らかす役だけど、
それがさっぱり嫌味じゃなく、なんだったら面白いと思わせるような
これはもう、演技がどうこうというよりも、魅力があふれているという
ただその一点につきるそれだなと、感心したのでありました
他の誰でも、こうはいかないんじゃないか

そんなコメディかと見せかけて、話の方はだいぶ難しいうえに血なまぐさい
旦那が、橋爪さんじゃなかったら、より一層暗いものになったろうと
憂えてしまうような内容だったわけだが、
実際に、佐幕と勤皇でのいざこざやら、浅葱足袋なる差別やら、
この頃に存在した階級闘争もしっかりと見せているのが面白いのに加えて、
お嬢さんが、その階級闘争志士の間をいったりきたりと
泳いでいくというのもまた、生々しいというか、
ただの悪女ではない、さりとて定見があるのかといえば、
このあたりは賢いという言葉であたるが、当世風、いやさ、当時のそれでは軽薄ともいえると
キャラ付けが素晴らしいなと感心したのでありました
そういうお嬢さんが、結局のところ、自分の恋心なのか、そうではないのか、
わからない淡いものを、お登勢に託したようにも見えるし、
お登勢をただ気に入ってそうしていたようにも見えるし
そのすべてであったかとも思う、そんな揺れるものが見られて
物語としても、かなり面白かったのでありました

まぁ、今でも見る俳優さん、あるいは、
すでに鬼籍に入られた俳優さんも含め、その若い時分を見られたというだけでも
非常によかったと感じたんだが、
こういう時代劇を、また新作で見たいなと思うと同時に
同じような過去作があるなら、それの再放送でも全然かまわないと
NHK時代劇の底力を見たようで、大変楽しかったのでありました