CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

東京物語

2013-03-13 20:33:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
東京物語 作:滝沢聖峰

下巻が手に入ったので、喜び勇んで
感想でもしたためようと思ったのでありますが、
予想していたけども、やっぱりそうかという
このなんというか、喪失感めいたものに
ちょっとテンション下げてしまっている次第
ああ、そうなんだ、こういう話を読みたかった気がするんだが
本当に読んだら、なんというか、むなしい

上巻が出てから、作者の滝沢さんに何かしら事件があったようで
下巻までやきもきさせられたというか、
いっそのこと上巻だけの幸せなそれでよかったんじゃないか、
掲載誌だった、コミック大河と同じく、
誰も何にもならず、ただただ飛行機がかっこいいという
それだけでもよかったんじゃないかなどと
思ったりしてしまう脆弱なわたしでありますが、
しっかりと完結したのでありました

以前にコミック大河休刊の話題かなんかで
あれこれと触れたような気がしますが、
待望の単行本化というわけで、
本屋を探し回ってようやっと見つけてきたのであります
二次大戦も末期にさしかかったころ、
ビルマを転戦していたパイロットが、
突然内地で試験パイロットになってしまうというお話
いろいろな飛行機が出てきて
それはそれは楽しいというか、
やっぱり滝沢先生の書く飛燕は格別かっこいいななどと
思ったりなんだったりしながら
パイロットの人生を短く太く描いた漫画でありました

既婚者であるため、いろいろと家族なんかを考えさせられるというのも
なかなかステキなことなのでありますが、
やはり戦争、だって戦争というわけで、
非常に哀しい、悲惨な運命も描かれているわけで
なんというか気落ちしてしまうのであります

ただ、割と淡々と人が死ぬというか
人死にが淡々と描かれているという感じで
哀しいんだけど、その一事象にとらわれてというのでなく、
出来事のように過ぎ去っていき、
あまりにもあっけないそれなんだけども、
ふとしたときに、大きさに気づくみたいな
センチメント的な何かしらが、びんびんと発揮されておりまして
私のような独り身には、正直こたえたのでありました
ああ、そんな、なんというか、哀しい

物語はやはりそう落ち着いてしまったのでありますが
内容としては、飛燕を改良しての五式戦に触れられていたのが
なんというか心躍ってしまったのでありまして、
飛ばなかったから神格化されているといわれても
仕方ないのかもだよと思いつつも、
大好きな飛燕の後継(と呼んだら怒られるな)が、
なんか強かったらしいという話は
やっぱり楽しく読めたのでありました

あとは、ちょっとエロゲみたいな展開だなと思いつつ
そういうの大好きでありますというか、
まぁ、夫婦がラブラブすぎてステキすぎるだろう
まばゆすぎて、身体が解ける、目がくらむといった
ちょっとした禁忌を覗いたような気分になれる
ステキなシーンも、下巻では要所に盛り込まれておりまして
これがまた、なんというか、最期にきいてくるわけでありました

というわけで、凄く哀しくて仕方なかったのですが
大変面白く読めたのでよかったと
大満足の感想メモを残しておきつつ
今夜中に、あと二回くらい読もうと思うのでありました