CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】エクストリーム・エコノミー 大変革の時代に生きる経済、死ぬ経済

2021-03-16 20:43:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
エクストリーム・エコノミー 大変革の時代に生きる経済、死ぬ経済  
著:リチャード デイヴィス

極地における経済活動を調査した本でした
大災害の後、刑務所の中、超高齢化が進む村、かつて反映した町…
そういった、様々な場所で、実際に行われている経済活動を
詳細に調べた内容であります
著書内に何回も出てきたけども、人間というのは
基本的に経済を行う種族なんだと
改めて思い知らされたのでありました
経済活動というものが、通貨のようなものを利用して、
何かを流動させていくことになるわけなんだが、
当たり前に組み込まれているこの生き方が、
どんな場所でも開花するし、
また、それが正常に機能する場合と、そうではない場合、
それぞれで、どれほど差が生まれるか、
何がいけないのかが、考察もされているが、実例で示されているというのが
一番凄いところだと感じるのであります

面白かったのは、刑務所の中の経済で、
需要と供給が合致したとき、そこには様々な経済が発生すると
通貨の替わりになるものは、なんだってあるし、
その利ざやを稼ぐという行為を
実にうまく利用する人たちが、常に発生し続けているというのが
衝撃的でありました
賄賂というものでもあるんだが、刑務所の外から持ち込まれるというものが、
看守の、これまた、刑務所外の経済状況とリンクして、
その行為が行われている、これもまた、経済活動なんだと思い知らされて興味深い
あるものの価値が、刑務所の外と中で違うから、
その利益が発生しているというのは、考えてみれば
ごく当たり前なんだけども、それが生々しく蠢いていくというか
活動として、活性しているのが本当に不思議に思えたのでありました

こうした地下経済といったものが、災害によって滅びかけた町でも活躍していたり、
また、経済というそれこれは、或る程度古くなってきたら
一度崩壊して、最初から作り直したほうがよいということも
多分にあろうということがわかる内容ばかりで面白かった
経済もまた、疲弊というか、鈍化するし、
決してほっといて最適化されていくものではない、
何か恣意的なものが折り重なっていくようでもあるのが
これまた興味深い、神の見えざる手なるものは
本当は存在しないんじゃないかと思わされるほどでありましたとさ

日本からは秋田県の寒村がレポートされていて、
高齢化社会に向う現状、それが世界の未来、ある種の最先端だというのも
なんというか、考えさせられるところでありました
生きていくことと、経済をすることが同意義である
そして、物質資産もさることながら、
重要なのは社会的資産でもあるということを
突きつけられたようでありました
社会に組み込まれていないと、結局滅んでしまうのかもしれんと
思わされるばかりである