CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】逆・タイムマシン経営論

2021-12-15 21:11:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
逆・タイムマシン経営論  著:楠木建

過去にさかのぼって、経営論を考える本でした
究極の後出しじゃんけんといった感じで、
当時もてはやされた、様々な経営指標や、言葉、サービス等々を
今から振り返ってみるとと検証して、
その実がどうであったか、そこから学ぶべきものは何かを記した本
いわれてみれば、そりゃそうだと、
まさに後出しじゃんけんなので、そういう感想になってしまうのだが
今を生きる上で、未来から振り返った時に
そうならないようにするには、どうしたらいいか、
そのいくつかのヒントがあったように思うのである

ごく当たり前というか、
今でも、やれAIだ、ダイバーシティだ、ソサエティ2.0だとか
そういうのが、いかにもそのロジックに当てはまりそうなそれとして
警戒を強めるべきだと思わされる内容が盛りだくさんで
とても楽しいと思えたのでありました
こういった、「飛び道具」的なものに、なぜ経営者は飛びついてしまうのか、
また、経済、経営の雑誌各誌がこぞって特集を組み、
そしてサプライヤーが山盛りでてきてと
この罠が、どのようにして作られるか、
そしてはまってしまうかというあたりが、
きわめて当たり前だけど、実際に自分が体験すると
そうは気づけなかったり、
もう後戻りできないようになっていたりと、
狂騒の強さというものを考えさせられるのでありました

いずれのロジックも、もともと目指すものがあって、
それを叶えるものが、たまたまそれだったと、
そういうサービスが選ばれていた論理があるのに、
それをすっ飛ばして、そのサービスがあれば、うまくいくと
知らないうちにミスリードしてしまう
あるいは、そう信じたくなってしまうというのが
諸悪の根元であろうというお話でもありまして、
納得なのでした

また、先駆的経営者として華々しく紹介された人が、
その経営においては、さほどでもなかったということは
あまり語られることがなく、ただただプロパガンダ的に、
経営とは別のロジック、女性であるとか、黒人であるとか、本業の人ではないとか
そういうところにフォーカスがあたってしまい、
その文脈でしか語られなくなるという
不可解なことが、世の中山のようにあるから気を付けようと
まぁ、そんなお話なのだけども、
なるほどなと思いつつ、さりとて、どうしたらいいかといえば、
よく考えてみると、ただ、それだけになってしまうのが
悲しいところである
しかし、50年間崩壊し続けている日本式経営というのに、笑ってしまった
崩壊してほしいんだなぁ