CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった

2022-03-09 20:55:50 | 読書感想文とか読み物レビウー
コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった  著:マルク・レビンソン

増補改訂版ということで、
新しい内容も含まれた本なんだそうだが、かなり面白かった
ノンフィクション本というジャンルでいいのか、
ある種の産業史ものでもあったようなと
そんな感じなんだけど、コンテナの発明と躍進、
その間にあった物語を記したものだったんだが
大半が、マルコム・マクリーンという起業家の物語だったと思う
それがまた、魅力的で面白かったわけだが

コンテナという発想が、どういう状況から生まれたか、
また、それの繁栄が、様々なしがらみや、運不運ともいえるような結果の末、
このとても不思議な物語が、本当に面白くて仕方ない本でありました
改めて驚愕したんだが、仕事のしがらみというもの、
組合という存在と、その厄介さというのが、
アメリカの産業史に根深い闇としてあるんだろうなと
それを知る機会ともなったのである

港湾労働という特殊なものが、労使形態も含めて、
法律、国、市政、そういったすべてのことがしがらみとなりながら、
そこを超越する起業家精神による打破というのが
物語として面白くて仕方なかったんだが
今の世の中、どこにでもある問題が、様々に阻んでいて
そういうのがまるでない、全然異なる場所がきっかけで、
例えば、この物語でいえば、
コンテナ船を入れる港を作ることができるか、
この作るというのも、ただ土地があればという問題ではなくて、
もともと港があると、そこで旧態組織が存在することによって
コンテナを受け入れられなくなるということも起きていたりして
いや、利益に群がる人間の強さというのもさることながら、
こういうのをどうなくしたらいいかわからんが、
なければ、人類の進歩はもっと早いんだろうと思わされることばかりで
なんというか、あっけにとられるほどでありました

この大輸送をかなえることができた、東アジアの様々な港が
今や大きな発展を遂げた結果の恩恵を受けているというのも興味深いし
日本が、まさにそのど真ん中にいたというのも面白かったのでありました
ある意味、日本を育てたのもコンテナだったといえるほどでもないか
いや、その割に、そこまで大きな港がないから違うのかな
ともあれ、経済、とりわけ、流通という概念が大きく覆ったトリガーになったというのも面白くて
これはすごいことだなと
この一連の歴史を読める本として、非常に有益というか、
ただただ面白い本だったと思ったのでありました
読んでよかった