CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】 羽生善治の将棋の教科書

2020-12-12 21:15:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
羽生善治の将棋の教科書  著:羽生善治

羽生先生監修の初心者向け将棋の本でした
凄い面白かった、これで俺も初段だ(なれない)

そんな風に思ったりしながら、じっくりと読んだのだけども、
基本の詰め将棋練習から始まり、
個人的にはっと思わされたのが、3手必至問題でありまして、
これが詰め将棋とはまったく別物なので
かなり頭の体操になったというか、こういうのが重要なんだと
なんか、将棋が強くなった気がしてならなかったのである

序盤、中盤の基本戦法の定跡も解説されていて
これがまた、先後両者からの解説になっているので、
ちょっと読んだだけだと、さっぱり理解できなかったけど
落ち着いて、一手ずつ書いてあることを読み解きながら
駒を動かしていくと、なるほどと感心しきりというか
基本定跡が、なんとなくわかったような気分になれて
これまた、凄いよかったのでありました

初心者なので、先手後手のあれこれよりも、
はっきりと、対振り飛車、そして反転したら、対居飛車といった感じが
読んでいてなるほどなぁと思うところが多々あってよかった
矢倉戦、横歩取りの初歩が解説されていて
いずれも当たり前のところまで進む手順が丁寧で、
これを覚えたら強くなるんだろうなと
結局覚えられないまま、図書館に返してしまったのが悔やまれるのだが
とてもよかったのでありました

初心者向け将棋本を結構読んできたおかげで、
詰め将棋だけじゃなく、次の一手本とか
そういうものにも興味が出てきたんだが
そろそろ、真面目に定跡を一から覚えたほうがいいんじゃないかとも
思ったりするのであった

【ドラマ】こもりびと

2020-12-09 21:12:21 | ドラマ映画テレビ感想
NHKスペシャルで珍しくドラマやってると思ったら、
なかなか重いテーマを扱った内容でありました
松山ケンイチがよかった、上手いなと相変わらず思うんだが、
役に恵まれてないような気がしてならんな

さておいて、
80,50問題よりは、ちょっと若いと思われる主人公が、
ひきこもりから、復帰に踏み出すといったところまでで、
まぁ、実際はこういかんだろうと思わされるんだが
そこはドラマなのでというか、
こういうパターンのひきこもりもあるんじゃないかなと
思わされるような、自然さでもないが、
ひきこもりと十把ひとからげにできないんじゃないかと
反省させられるようでもありました

理由あってのひきこもりだったわけだが、
完全に部屋から出ないわけではなくて、
夜にはコンビニに出ることはできるし、
ネットなんかは使ってあれこれするということもできる
親と時折口を利くこともあるしという感じで
ちょっとした行き違いでもないが、
社会との接点を、唐突にロストして、そのまま戻れないといった
些細なきっかけからの転落事故めいた人が
結構いそうだなぁと思わされたりしたのであります

というか、明日はわが身ではないか、
こういう思考はわからんでもないのではないかと
身につまされるところもあったように感じるのでありました

まぁ、ひきこもりでずっといるのはよくないと
なんとなし解っていて、あれこれ資格だとか、
何かやってみようという焦りはあるというか、
でも、そういう方向に思いがいかないで
その日をただ続けていくという人と、
どっちがリアルなんだろうかなと考えてしまったのである
さっぱり、言葉がまとまってこないな

年齢的にはひきこもるほうに近いわけなんだが、
その親の気持ちというのの描写がよくて、
その困惑と、反省が、日記の形で出てくるのがよくて
こういうベタな展開ながらも、あれこれよいドラマだったと
思ったのでありました

御都合がいろいろあったけども、
挫折からの変化というのは、物語として、テーマはさておき
面白く見られるんだなと改めて思い知ったのでありました

と、まぁ、そんな翌週に、ドキュメンタリのほうをみて
やっぱドラマとは違うな、現実は凄まじいなと
またまた考えを改めるというか
考えさせられまくるのでありました、これは凄い問題だが
独居老人の死と同じ結末というか、何か、
似たものを感じて、そこにとらわれそうな自分に
一番慄いているのである

【読書】悪魔は優しい顔で今日も微笑む

2020-12-08 21:19:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
悪魔は優しい顔で今日も微笑む  著:ブラック0号室

ダメ男にはまる女子たちの生態を語る本だと思ったら、
もうちょっとふわっとした感じの
実録インタビューをさらっとまとめた本でした
今じゃ、こういうのがSNSでまとめられたりするんだなと、
おっさんが若い頃は、女性誌と呼ばれる雑誌か週刊誌に
あれこれ特集されてたんじゃないか
そんな内容であります

目的としては、出てくるクズ男、ダメ男
どちらかに自分が何かしら当てはまるところがないかと
それを確認するために読んだといったところなんだが、
よかったのか、悪かったのか、
とりあえず、当てはまるとしあら、ダメ男のほうだなと安心するのである
というか、男という生き物は、クズ男とダメ男しかいないんじゃないかな
そうであってほしいと、そんな聖人君子めいた男も、
女性に対しては、どちらかのそれになってんじゃないかと
思ったり感じたりしたのであります

完全に女性向けというところもあってか、
なかなか、男性に対して辛辣というか、
女に浮気をされるのは、その人を満足させられてない男が悪い論が
基本といった感じで書かれていて、ショックを受けたのでありました
そんな、なんで…

まぁ、それはそれとして読み物として片付けつつ
世の中、色々な男女がいるんだろうけど、
こういう相互関係というか、互助的なものは
人間の相性という点で、なくなったりしないんじゃないかしらと
思わされたりもするのであります
個人にとって悪いということでもあるんだろうが、
なんか、どうしようもないところもあろうと
思ってしまったのである

さておいて、果たして自分がダメ男で、
少なからず迷惑をかけたことがあったんではないかと
なんとなし、反省してしまったり
寂しい気持ちになってしまったんだが
お金たかったりするようなことだけは絶対しないと
改めて思うのでありました
それだけはせんなぁと、胸を張って言い続けていこう
と、思っていたんだが、
自分の父親に聞いたら、割と、母に対してそういう感じだったような話を聞いて
どうということもないのではないかと
思ったりするのである

まぁ、いずれにせよ、40過ぎたおっさんが読む本ではなかったのではなかろうか

【読書】一人称単数

2020-12-07 21:30:02 | 読書感想文とか読み物レビウー
一人称単数  作:村上春樹

短編集でした
相変わらずふわっとしたというか、村上春樹らしい
そういう文章だったと思うところ
大変個人的な感想だけども、あまりにもふわっとしてて
読んでいて滑っていくというか、頭に入ってこないことがあって
なかなか難儀したのでありました
よくよく思い返してみると、氏の作品はすべてそうだな
私には合わないということなのかもしれない

と、そんなネガティブなことを書いておきつつも、
しっかりと読んで、面白かったと思うところは多々ありまして、
SFめいた謎の展開が多かったり、私小説なのか?といった内容だったり
あれこれが楽しいのであります
特に、中心が多数あり周の存在しない円の話、
元ガールフレンドの兄との顛末、品川猿という名前を奪うものの物語、
これらが印象的で面白かったのでありました
どの短編も、このシーンだけはと、いきなり鮮烈に思い描けるようなところがあって、
そんなのがとても楽しいと思えるのだが
そこにいたるまで、ないしは、その物語全体の印象がぼんやりしてて
結局なんだったかわからないというのが多いと思うのであります

実際先にあげたよかった点も、タイトルはまったく覚えてないんだが、
そのシーンだけ、ガールフレンドの兄に朗読をしてあげたという不思議なシーンやら、
概念でもないけど、言葉遊びめいた不可思議が描かれているところが
結構好きだと思えてならないんだが、物語全体で何があったかというと
よくわからんという具合でありました

表題作もそんな按配で、物語としてはそういうこと
たまにある気がするなとも思ったり、考えたりするんだけども、
その悪意のようなものの発露はまざまざ読み取れるんだが
その物語全体で何があったか
それはつかめないのでありました

短編集なのに、しっかり読まないと感想を浮かべられない
面白くないわけじゃなくて、ただ、自分が理解できてないと
改めて思わされたりする小説ばかりでありました

麒麟がくる  義昭、まよいの中で

2020-12-06 21:07:14 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
今回も面白かったというか、久しぶりに殺陣を大きく展開して
凄く楽しかったのでありました
色々、そんなわけあるかと思わなくもないところだが
実際、あの頃の暗殺と呼ばれる行為って
あんな感じだったんだろうか
光秀の一人行が凄すぎて笑ってしまったんだが
とりあえず将軍の間にたどり着いたらセーフというのが
この物語全体にわたる、RPGのクエスト感強いところであります
まったく気にならないというか、
面白いなと気に入っている演出であります

将軍説得のシーンの迫力というか、
将軍の弱さがありあり出ていて、凄いよかったなと
今回は全編にわたって、将軍の挙動というか
心の揺れみたいなのが、物凄く伝わってきて
好きな展開でありました
結局流されて、実際、味方を失ったといえるのではないだろうかしら
さらっと、三淵が暗躍しているのも面白いというか
このあたりの細かい政治闘争がステキだと思うのである

すっかり政治劇といった様相になってきて
俄然面白いわけでありますけども、
帝が想像以上に出張ってくる、
ここも、正親町帝の手になるのかと
光秀が翻弄されるであろう未来が見えて、
また黒幕候補が一人増えてしまったと
つくづく思うところでありました

今回の、帝を中心とした戦国という見え方が
凄く斬新に思えて、楽しくて仕方ないのでありました
このまま、そういう手のひらの上での争いとして
本能寺に繋がっていくんだろうか
楽しみでしかないわ

【読書】コロナの時代の僕ら

2020-12-05 21:16:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
コロナの時代の僕ら  著:パオロ・ジョルダーノ

イタリアの物理学者による
コロナ下における様々な思いというか、徒然を綴った本でした
エッセーと呼べるかもしれないし、詩集と読んでもよいのかもしれない
そんな風に思うような、氏が思うところを綴った内容でありました
成り立ちがわからんが、ツイッターとか、ブログとか
そういうのをまとめたのかしら
そんな風に思う、短い言葉を編んだものでありました

コロナ初期に、どのようになっていくか、
その時、どう振舞うべきかを数学的に説明するというか、
寓話のように話していた内容だけども、
次第に悪化していく状況にともなって、そういうところをとうに越えて
自分がどうしたらいいか、どうしてしまったかを
悔いるようでもあるし、仕方ないと笑うようでもありと
そんな風に綴られていて、赤裸々というか、
人間らしさを感じる内容でもありました

立場というか、本当に心の底から、こうするべきだと、
感染リスクについて、数学的に(科学的とは違うのがよいな)理解して、
だから、最善はこれだと示しつつも、
それができない、そうではないことが、物凄い勢いで広まる
どうしようもない現実というものを
冷静に綴っている、諦めているのとは違うし
罵倒なんて、意味のないことをしているわけでもない
ある種の愚痴なのかもしれない

ともかく、今どういう状況であるか、
先のことはわからないし、過去にもあった可能性も考えつつ、
ただ、無責任な噂に振り回されたり、やりどころのないそれを
怒りとして昇華してしまう仕方なさ、
これらを諦めとは異なりつつも、認めている姿というのが
今という世界を切り取って見えて
とても興味深かったのでありました

一人の天才が、どうとできるわけではない現実というのが
客観的に見えるような文章だと
そう感じて読んだのでありました

この本が書かれてから、かなりの時間が経過した現在
また、違うステージなのか、同じテンションで
同じようなムードを抱えているのか
そのあたりが気になると思いつつも
世界は、ただ進んでいくということをまざまざ読まされた

【ドラマ】エール

2020-12-02 20:50:55 | ドラマ映画テレビ感想
朝の連続テレビ小説「エール」
途中休止を挟みながらも、半年とちょっと
楽しませてもらいました
こんな状況じゃなかったら、もっと違うドラマだったんだろうかな
そう思ってしまうところもあるんだが、
後半のあたふたしながらあっという間に過ぎていくあたりも
なんだかんだ楽しめたのでよいドラマだったと思うのであります

最終回のイヨマンテの迫力で
結構な部分を持っていかれたといった感じもしてしまうけど、
二階堂ふみさんのコメディ演技を楽しみながら
全体的に柔らかくて、優しい物語を楽しめて
朝ドラっぽわと満足なのであります
私の認識がふわっとしてたこともあり、
朝ドラで昭和っぽい感じなのに、戦争やらないんだなとか
序盤の苦難を描いているところで、
戦争が終わったもんだとか勝手に勘違いしていたんだが、
実際そのシーンの突入した
あの一週間は見事というか、ぐっと捉えて離さない
特に従軍したあたりは、別ドラマじゃないかというくらいで
非常に面白かったのであります

戦争後からの復活、そして、新たな道のりの部分が
かなり駆け足に見えてしまったけども、
このあたりがコロナの影響もあったのかなと思ってしまうところなんだが、
要所要所で歌が入り、その姿がよくてといった感じ
福島の弟との確執が解けるところとか、
あれこれ見ていて、はらはらしながらも、
最終的に気持ちよく終わるところが非常によいなと
改めて、朝ドラの効能ではないが、
こういう感じを楽しめたと思うのであります

キャラクタもそれぞれみんなよかったけども、
バンブーのマスターとその奥さんのキャラ付けだけ
強引すぎるだろうと、衝撃的だったんだが
なんだかんだ、あの二人も好きで、
最近の朝ドラは、必ず近所に喫茶店があって、そこのマスターとなんかあるなと
思い起こされたりするのでありました
昭和の象徴なんだろうか喫茶店

スピンオフだったのか、意欲的な試験だったのか、
音のお父さんがあの世から帰ってくる話とか
結構冒険的な内容も多くて、
飽きることなく見られてよかった
コテコテではない、新しいタイプのドラマになってたんじゃないかと
随分気に入ってみていたとメモっておこうと思う

【読書】半沢直樹 アルルカンと道化師

2020-12-01 21:01:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
半沢直樹 アルルカンと道化師  作:池井戸潤

面白く読めたのだけども、
このシリーズって、こんな話だったっけと
ドラマに随分寄っていった内容に驚いたのでありました
これはこれで面白いんだけど、
いかにもドラマシリーズの原作といった感じに思えて
以前に感じていた、経済小説というそれから
エンタメに随分舵を切った作品だったと思うのでありました
まぁ、もともと人情話だったしなぁと思うんだが
サラリーマンのむかつく上司に反抗といったシリーズ構成は
また、違うなと思ってしまったんだけども
面白いからいいやと、納得してしまうのである

上司にたてついたことで、地方にとばされた半沢直樹が
妙なM&A事案にかかわって、その裏にある話やら、
銀行の腐敗やらを炙りだして、めっためたにするという
痛快小説であります
流石にそこまで、あしざまなことはないだろうと、
でも、ひょっとしたら大手銀行はこんなもんなのか?なんて、
思わされてしまうあたり、毒されてしまっているようでもあるんだが
ちょっと小悪党というか、小ずるい話で、穴だらけの罠を看破して、
ぼっこぼこにするのは楽しいんだが、
実際のところ、こんな派手に立ち回ったら、そりゃ左遷されるわと
想ったりしてしまうのである
いや、そこが魅力のドラマだったから、そういう小説になって
大いに結構なんだけど、なんだろうか、
小説で読むときは、もう少しおとなしい立ち回りで読みたいとか思ってしまった
想像に任せられると、自分の能力ではチープな光景が浮かんでしまうからだろうかな

ともかく、美術系のちょっと凝った事案が発生して、
そこに個人的にはいい話だと思えた、人情話も絡みつつ
無能を絵にかいた上司たちとのげんなりするやりとり、
現場がなんとかとりなしているというぎりぎりの状況なんかが
楽しくもあり、ちょっと物語すぎるなと思ったりしながら
わくわくと楽しんで読んでいたのでありました

物語に登場した絵がどんなだったのか
それが、ちょっとだけ気になったんだけども、
面白いお話でありました
そして、今回ふっきったように逆転劇を書いているわけで、
それもまた、凄く楽しめてしまって
すっかりやられているというお話である
楽しいものは楽しい、それでいいのだ