CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる

2021-03-08 20:48:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる  著:デイビッド・エプスタイン

副題の通りの内容でありました
ブレイクスルーや、イノベーションを産むのに
知識の幅というものが、大きな貢献を行うと
そういうお話でありました
アンチ専門職というほどでもないが、
専門性が高まりすぎる弊害と、ゼネラリストの存在について
また光を当てたという感じでありましょうか

たとえとして、タイガー・ウッズのゴルフへの習熟が上げられていまして、
子供の、それも、相当に早いうちから専門的な訓練を行うことで、
類まれな成功を収めた、ある一定の年齢までに
一万時間の修練を行うのがよい
といった、お話なんだが、これのアンチテーゼでもないが
割と違う方向の話から開幕するのであります
余談だが、これ読んでいる最中に、そのタイガーが事故にあったと聞いて
結構ショックを受けているんだが、無事であってほしい

さておき、対抗として、フェデラーという、これまた
テニスの天才が上げられていて
彼の場合は、はじめるのは遅かった、結構あれこれ
違うことをやっていて、最終的に自分で選んだのがテニスだったと
そういうお話でありました、
これをきっかけに色々調べてみると、
一概に早いこと始めたから成功するわけではない
むしろ、成功者は、あれもこれもと試していった中で
最適なものにたどり着いているといった具合になっていまして
その、探索の間に培ったものが、専門性を開花させたところの
原動力のひとつになっているというお話でありました

ほかにも、色々な技術や、チャレンジャー号の悪夢といった内容まで
幅広い部分で、専門性の危険な部分を上げつつ、
色々とつまみ食いしているほうが最終的に大きな成功にといった内容になっていて
これもまた、ほどほどが重要なんだろうなと思える内容でありますが
おおむね、あれこれ知っているほうが、
なんだかんだ得をするというのは直感的にも理解できるところでありました
日本における、営業職と専門職の溝は
まさにこれが体現しているところなんじゃないかと
ちょっと思ったりしたんだが、それもまた違うんだろうか
専門職という枠組みで、専門分野をかえていくというのが正解だから
違うかしらね

と、そんなわけで、とにかく、集中しすぎると視野が狭くなるのは間違いないので、
なんらか、違うことにも取り組んでいくことが全体を豊かにするのは正解だと
そういうお話でありました
読んでいて、とりあえず、あれこれ読んでいる自分はよいのかと
納得しかけたんだが、
多分、積極的に語られていないけども、あれこれつまむというのは、
それぞれで、ちゃんと能動的な研究をする、あるいは、目的をもって過ごす
という経験が重要であって、
のべつまくなし、なんとなく、新しいことをやっているだけでは
身につかないというか、多分、よろしくない影響が出るんじゃないかなと
思ったり考えたりしたのでありました

そう、あれこれするのはよいが
どれも、全力で学ぶという意識が大切なんだと
そこは、結構難しいよなと思うのである

青天を衝け  栄一、怒る

2021-03-07 21:09:45 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了でありました、今日のサブタイは「いかる」と読むんだろうな
変換しながら、「おこる」と書いていたんだが、
締まらない音だなと思っていたのである、どうでもよいな

さて、序盤から、あのお役人は腹立つなぁと思ってたら、
とうとう、それが炸裂する日がきたといった感じで
序盤の番付騒動で和気藹々としていたところに
パワハラの極致みたいな展開だったわけだが、
まぁ、なかなか見ごたえというか、その当時の理不尽を
わかりやすくしていたように思うのでありました
こういうのって見せ方難しいよなと
栄一が怒る理由がわかるようにするため、
驚くほど役人を無能で理解のないように描くわけだけど、
あれが真実だったのか、物語上の設定なのか
それが、今となっては確かめようがないというのが
なんというか、見ていてすんなりと楽しめないところであったりするのだった

とはいえ、その理不尽が引き金になって、
ある種の革命とも呼べる維新が起こるわけだから
これはこれで、やはり正しいのかしらとも感じたりしつつ
さらっと、ペリーとの通商交渉が終わっていたりして
当時の阿部老中の苦悩もわからんでもないと
今更に感じる次第であったとさ

序盤の番付騒ぎについて、
あれが競争をうまく操作して
よい方向になったという感じだけど
なかなか危険なことだよなとも思ったり
成果主義の毒ではないが、
やる気以上に恐怖心が出たりせんだろうかと
余計なお世話ながら心配になったりしたのであった
まぁ、物語だからそんなわけないんだけどもな

経済という戦いになる
そんな見せ方になると思うと楽しみだが
さてと、また見守っていくのであります
しかし今年はいつまでやる感じになるんだろう

【ドラマ】六畳間のピアノマン

2021-03-03 21:23:57 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの土曜ドラマでした
ちょっと今回のは合わなかったと
正直に書いておくのであります
というか、なんか、よくわからん話だったなと
そんな感想を抱いている次第
社労士の話かと思った出だしから、まったく関係なく、
ピアノマンの動画で繋がる不思議な物語といった感じなんだが
あんな狭い中で、あんだけ繋がるのは
ドラマとしては、確かにそういうもんだろうが、
無理があるだろうとか
そんな風に見てしまって、なかなか没入できなかったのであります

とはいえ、見所というのはしっかりありまして、
原田泰造の演技が抜群によかった
パワハラの限りを尽くしているところもよかったけど、
その後の、心細そうに記憶を失ったあたりも凄いよかった
あのギャップをさらっと演じているのが
いやー、段田さんとのやりとりとかすげぇよかった

というわけで、大半をその部分に見出してしまっていたんだが
話としては、二話と最終話がよかったと思うところ
息子の復讐にかられつつ、その生き様というか
その姿を追いかける父親の姿というのがいいなぁというのと
アイドルがふわっとした感じから
あれこれ怪しげな仕事させられてという
リアルなのかどうなのか、あの世界観は本当にあるんだろうかと
そのあたりが楽しかったというか、面白かったと思うのである

ピアノマンの動画によって、
色々な人が救われたという話だったわけだけど
そんなすげぇ動画とも思えないのに、
あんな近所でみんな見てるとか
どうかしてるとやっぱり思ってしまって
なかなかどうして、ギミックの使い方が難しいんだなと
思わされたのでした

絶妙に素人の歌っぽさが見事だったんだが
変に癖になるというか、なんかやたら耳に残って
シングアソーングとかリフレインしてしまうのである

【読書】NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX

2021-03-02 20:50:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX  著:リード・ヘイスティングス

世界的に有名なNETFLIXという企業について、
その社風、そして快調であるリード氏の考えについて書いた本でした
会社風土を培ううえで、その根幹にあるもの、
また、それにいたる経緯といったものが書かれていて
非常に面白かった

冒頭有名なんて書いてみたものの、
正直、NETFLIXを使っていないのでよくわからんのだが、
ともかく、社風はなかなかとんがっていて面白い
優秀な人間のみが必要だといってはばからない
その字面だけだと傲岸なそれだけども、
優秀な人が集まることで、その集団のレベルがさらにアップするという理論、
不要な人材が、チーム全体のパフォーマンスを下げるという理論、
このあたりが興味深くて、
なるほど、さて、自分はどっちだ、無論下げるほうだなと
悲しくなったりもしたんだが、
実際のところ、悪影響を与える人というものは存在して
それにより全体パフォーマンスが低下するのは
由々しきものだが、人間社会、そういうのも仕方ないのではというところを
できるだけ精鋭のみ集めようと、そのための仕組みつくりをしているのが
凄いところだと感じるのであります

人材を集めるということについて、
金に糸目をつけないという感じを地でいっていて、
また、IT技術者というか、PGという人種は、
精鋭と凡人の間には100倍くらいの生産差が出るというのは
深く納得するところもあって、怖いくらいでありました
こうやって優秀な人たちという
人種とは別の断絶が行われていくのだろうかと思ってしまう

また、人材を優秀にしておくだけではなく、
風通しをよくするために、いかに秘密や嘘をなくすかということ、
評価を透明にすること、フィードバックという批評を常に行うことと
ともかく会社の利益に通じるという理念のものと
割とタブー視されそうなところにも
ずかずか入っていくという社風が凄いと思うのでありました

日本語訳本だからかとも思ったけども、
こういうところは日本という社会風土にはさっぱり合わなくて
当初、日本でのNETFLIX事業において、フィードバックが
さっぱりうまいこといかなかったらしいんだが
これもまた、凄腕のリーダーがそれをよい方向へと導くことに成功したらしく
つくづく、日本という国にはリーダーが存在しないんだな、
個々の何かは高いような気がするのにと
もったいないとは違う、変化しない国民性を見たようにも思うのでありました

常に変化というか、向上するために
かなりのプレッシャーと、そして働きやすい環境というのを
両立させることを常に意識している
なかなか興味深い会社だと思われたのでありましたとさ
自由とは何か、各自それにより、責任が芽生えるというのが
興味深いが、真理だなと思わされるのである

【読書】チェリー

2021-03-01 20:50:04 | 読書感想文とか読み物レビウー
チェリー  作:ニコ・ウォーカー

つかみどころがないという印象を受けてしまった
ちゃんと没入して読めなかったというところかもしれない
未だ刑務所の中にいるらしい、元イラク派兵の身分を得て、
PTSDをわずらった挙句、薬に溺れてとんでもないことになっている
その著者の自伝的な小説であります

特に不自由のない生活をしていた学生が、
ふわっとした感じで薬に溺れつつ、
だけども、完全なドロップアウトすることはなく、
なんとなく軍隊に入って、イラクに派遣されて
その先で、本当に酷い目にあったというか、
酷いものを見てきたことで、なんとも心が弱弱しいことになって
より薬に溺れてと
まぁ、そんな挙句、薬を手に入れるために銀行強盗を繰り返すようになると
なかなかの転落人生というか、
もともと大して高くもなかったところを、低く低くとんでいくというか
転がっていく人生の途中を描いたものでした

あとがきにもあったけど、
軍というものへの批判だったり、薬物の蔓延についてどうのこうのでもない、
ふわっとした若者が、あんまりものを考えずに生きている
ただその様子を語り言葉に近い台詞や、文章で描いているというのが
面白いような、なんともいえない感じを覚える内容でありました
なんだろう、誰でもないんだが、知り合いの話なんだけどさ
みたいな感じの気安さみたいなのを感じる
読んですげぇ面白いわけでもなければ、
教訓なんてひとつも出てこないし、
感動的な場面もないというのに、なんとなく、読んでしまう
山も谷も落ちもないのに、ただただ
読んでしまえる本でありました

感想を抱くのが難しいという印象なんだけども、
そういうことがあるんだなと
これまた、ふわっとした感触だけが残る不思議な小説でありました