CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

鎌倉殿の13人 全成の確率

2022-08-07 22:47:58 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
視聴完了しました
色々あって、録画で今見終わった
まぁ、そうだろなと思いつつ、全成の最期を見届けたけども
なんか死んだら発動する呪いだったみたいな展開が
ある意味今っぽいなと思ったりしたのである
しかし、死ぬときに、とんでもなくいい人になるというこのテンプレ
辞めてほしいと常々思うんだが
今後も続くのであろう、つらい

もうちょっと後かと思ったけど、
もう13人制になった最初から、ずっと比企と北条の争いが続いていると
ただそれだけなんだが、それだけのために、だんだんと関係のある人が
少しずつ減っていきといった感じで
いよいよ本丸をと思ったら、違うところがと
とかく忙しいものでありますな
とはいえ、いよいよ小四郎も本気になった感じで、
それがなんせ悪い方向というか、タイミングでしか発揮されないのが
なかなか大変だというか、ひどい話だなと思うのである

姉妹のわだかまりは、一応解消したというあたりが
またなんとも悲しい限り、それがもっと早ければ
そのそもこんなことにならなそうなのになと思ったりしつつ、
とりあえず、まったく悪びれることもないりくさんの働きっぷりが
実に素晴らしいというか、ああいう身内がいるというのも
なかなか大変だなと、小四郎を思うと辛みが強いのである

さておいて、見せ場といってよかったのか、
最終的には、ちゃんと修行の成果がでて
嵐は呼べるわ、風も吹くわと、いつかのことをちゃんと取り返したけども
それが何かの救いになるわけでもなく、
むしろ、そうやって死んだ後に、呪詛が発動したみたいな終わり方で
来週どうなるやら、また、それからとばっちりになるのか
なかなか楽しみなのでありますが

〆シーンは、いくらなんでも、現代劇すぎるだろうというか
自供を聞かせるという仕掛けは、
なんというか、探偵ものの強引なクライマックスの一幕みたいで
面白かったけど、ちょっと違うんじゃとか思ってしまったのである
じゃぁ、どうしたらよかったかというと
そういう話でもないんだが、ともあれ、小四郎が策を弄して
ひとつも成功していないという
その実績がまた、積みあがったそういう芝居だったとも思うのであった
結構すごいペースで殺しまくりな気がするけど
まだまだ、こんなもんじゃないんだろうな

【読書】朝日新聞政治部

2022-08-06 21:28:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
朝日新聞政治部  著:鮫島浩

ドキュメンタリとか、ノンフィクションといったジャンルなんだろうと思うが、
ある意味私小説のような本だった
恥ずかしながら、年齢の割に新聞を大して読んだことがなかったので、
書かれているほどのインパクトというのを覚えられなかった上に、
メインである事件のこともよく知らない有様だったんだが、
読んでいて、ジャーナリズムというものと、どうしてもその枠を狭めてしまう会社という組織、
その悲喜こもごもはかなり面白いと思えた内容だった

今更ながら、新聞記者という職業人は、
基本的に高学歴で頭の良い人が多いんだなという印象を強めたわけだが、
それらが、ジャーナリズムというものをどうとらえているか、
このあたりが、反省もしていた、市井からの乖離という原点なんだろうかと
考えさせられるところもあった
やってることは、結局、そこらのサラリーマンが自分の会社でやっているとこと
なんら変わりないというか、極論すれば、自分の担当の実績を上げるという
それを目的に走っていく、それが仕事になるといったことなんだが、
こと、ジャーナリズムというものに、何かしらの感情というのか、
本当の職業人は、自分の仕事に矜持や信念があるから、
むしろ、こういう感じになるんだろうかと思うような
どうしても、理解できない偏屈さみたいなのを感じるところがあって
そういう言葉に、憧れという幻をあてこんで、そこに突き進む
それが夢を追うということでもあろうけど、なんか、正義という一人歩きしがちなそれに
偶像化を求めているような感じが、わからんとなってしまったのである

と、まぁ、そんなジャーナリストのありかたというのが
そもそもこの本で語られる一番ではなくて、
朝日新聞という組織の中で、どのように扱われ、どのように過ごしてきたか
その半生が面白くて、純粋に新聞記者として、政治部にて政治家付をやっていたり、
その取材体制というものを細かに説明していたりが面白くて
なるほどなぁと興味深く読むことができた
権力を監視するという大目的について、それも、いつかどこかのタイミングで
清算するように、大きなものを取り上げられていたりと
結局それって癒着と違うのかと思わなくもないようなところだと思ってしまうんだが
その時々に、その主流を批判するものというのが、新聞という組織には必要なんだろうと思わされた
著者がそうであった時期もあろうし、そうでなくなった時期もあっただろうことが
そのあとの転戦でわかっていくんだけども、実業家とは違うけど
行動をもって、あれこれ新しい企画を動かしていたというのは
素直にすごい社会人だなと思ったのであった

新聞社というのは長続きしない可能性はあるが、
報道と呼ばれるなにがしかの情報伝達、操作創作めいたものというのはなくなることはないだろうと
人間社会というものに組み込まれた、時事報道というものに思い至るのであった

【読書】爆弾

2022-08-03 21:03:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
爆弾  作:呉勝浩

連続爆破事件を描いた作品
個人的には、受け入れがたいというか、そうなってしまってはいけないだろうと
ある種のパニック映画的なものを感じたんだが、これまたそのスリルというか
こんな物語的な、劇場事件が起きてしまうなんてと、
当然小説だからそれでいいんだが、現実だったらたまらんなと思いつつ
その面白さに引き込まれて読んでしまったのでありました
妙な謎解きと、様々に見え隠れ、いや、隠れていないが
立ち上るかのような傲慢さというものが、
敵味方というか、誰彼かまわずにじみでてくるのが
最高にいやらしくて、すごく神経を逆なでしてきて面白かった
嫌すぎるのにやめられない
私にとっては、これがイヤミスだと思ったりしたのである
多分、イヤミスってこういうのじゃないんだろうけどもな

警察を小ばかにした容疑者が、
担当刑事と言葉遊びをして、その言葉遊びの中に爆弾の謎が仕掛けられていてと
そういう謎解きをさせられる、ちょっとしたゲームみたいな話なんだが、
そのゲームをしかけるということの傲慢さ、
そしてそれをやる男の周りを見下しているという様子
それにイライラしながら、それに翻弄されたり、そうではなかったりという刑事、
なによりも、そこにふざけるなと怒りや感情を向けてしまうこと
それが、ある種の敗北のような感じにというやるせなさというか
無敵のそれに対峙するむなしさみたいなのを感じるんだが
事件をなんとか解かなくては
なんなら、それによって、このむかつく男をへこましてくれと
そういう歪んだ願望をもってしまう、持たされてしまうというのがまた
なんとも、言葉遊びの極致というか
それで勝ち負けとなる、実にくだらないそれが
面白くて仕方なかったのでありました

事件の概要もかなり面白くて、
その本当が、なるほどとわかるあたりもかなり楽しいし
虚しさとか、色々とごたまぜになっていく、
結局犯人の目的、その本質的な傲慢さと憎しみみたいなものが
ある種報われてしまったのか、そうではなかったのか
そのあたりに決着をつけていないまま
誰も彼もが、結局、自分のための嘘だったりつくろいだったり、
そして善悪なんて、その範囲が手近なそれでしかないという
露骨な描き方を強烈に叩き込んでくるんだが
それもまた、露悪をグロテスクに見せているだけのようでもあって、
色々と、考えたことを陳腐化しようという強い意志でもないが、
なにか、誰が正しいとかそういうことじゃないといっているような
それではなく、そういうこともあれば、こういうこともあるといった
一つの答え的なものを見せないものだったと思うんだが
どうなんだろうか
かなり面白かったので、よかったと書き残しておく

【映画】トップガン マーヴェリック

2022-08-02 21:28:05 | ドラマ映画テレビ感想
話題作なのでさすがに見てきたのでありました
恥ずかしながら、前作をおそらく未見(あるいは覚えていない)なので
全貌を楽しめたのかというと判断できないのでありますが
ただただ面白かった、その一言につきる
いいエンタメだと感心というか、感動に近いものすら覚えたのであります

知らないと思いつつも、のっけから、デンジャーゾーンが流れてきて
ああ、そうかこれってトップガンのテーマソングだったのかと軽くショックを受けたんだが
そのあたりの映像のつくりとかが、なんというか、
往年のハリウッド映画、いや、その当時80から90年代くらいの映画という
自分にとって「クラシカル」なオープニング映像にくぎ付けになってというか、
子供の頃に見ていた、金曜ロードショーあるいは、日曜洋画劇場って
全部こんな感じだったなというところをくすぐってきたんだが
ただただ、それが超絶かっこいいとほれぼれしたのでありました

序盤から手に汗握る展開というか、基本的にはらはらさせられる内容というか映像で
危険がダイレクトに理解できる、死ぬか死なないかを突き付けてくるというか、
飛行機で飛んでて、それが落ちるか落ちないかと
それが何度も繰り返されるのが、なんか、ワンパターンなはずなのに、
そして、多分これはこんだけハラハラさせておいて、なんもないんだろうなと思うのに、
すごいどきどきして、心臓に悪い感じがとてもよかったのでありました
噂にきく、4DXとかいうので見たら、より一層面白いんだろうなと
そういう施設が近所にないのが悔やまれる内容でありました

前作を見てないと、出てくるちょっと古めのマシンたちの意味が
よくわからないということなのかしらとも思ったんだが、
今となっては古風なポルシェや、カワサキなんかが走り回るという
なんでもないシーンが、やたらめっぽうかっこよくて
このあたりは世代直撃というやつなのかもなと思ったんだが
そういう、小物というか、映像、そのつくりがともかく
なんかしらんがむやみにかっこいいと思わされるところばかりで
とてもよかったのでありました

内容があったかというと、さほどのものは存在しなかったし、
かなりご都合で、上述の通り、多分、かっこいいシーンと展開を見せたいがための展開という
もう、それはそれで仕方ないと脱帽してしまう感じなのが潔くて
徹底して、マーヴェリックがかっこいい、結局お前が飛ぶんかい!とか
もう、そういう感じばっかりなのに面白いというのが
いや、かっこいいだろうという押しつけが強すぎて、負けたという感じでありました
確かにかっこいい、そして、男子たるもの意味はわからんでも、
おそらくF-14が古い戦闘機で、それで最新鋭の戦闘機とドッグファイトで勝つ=パイロットが強いという
単純明快なそこにもっていかれるのがよかったと思うのでありました

また、往年のハリウッド大作よろしく、とりあえずヒロインとの唐突な濡れ場シーンも挟み込まれるわけだけど、
この誘い方とかが、いかにもというか、いやー面白すぎる、いや、かっこよすぎる
「洒落てる」「かっこいい」「強く正しい」といった
みんなが大好きなものを、これでもかと映像化したそういう映画だったと思うのでありました
あんまりあれこれ考えず、ただただ圧倒されるためだけに見ていてもよい
そんな映画だったと満足なのであった

【読書】ラブカは静かに弓を持つ

2022-08-01 20:55:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
ラブカは静かに弓を持つ  作:安壇美緒

音曲の著作権について、その使用料を管轄するあの組織が、
その使用者である音楽教室に対して潜入スパイを送り込むという話なんだが
企業スパイ的なお話とはだいぶ趣が違って
手近といってはなんだけども、割と規模が小さいというか、
意図をもって、音楽教室に潜り込んで、ただ、チェロを習い続けると
そういう地味な話なんだが、それがかなりよくてというか、
音楽教室というそこでの生徒のある姿といったものが
とても面白くて、かなり読まされてしまったのである

感想を書いてしまうと、なんか、物語を矮小化してしまいそうで怖いけども、
すごくわかる、といってしまいたくなるような
心の動きと、その姿というか、過ごし方がとてもよくて、
あまりどうだと思うことのない仕事の中、
音楽によって心を取り戻していくように、その習い事に没頭して、
でも、その姿の裏面には、音楽教室への裏切りともいえるスパイ行為があってと
そんなことを考えないようにしようと、そう思うまでもなく、
自分の心の平衡をチェロを弾くことで手に入れて、
また、その仲間たちと出会って、とても楽しいという描写が
まぁ、本当にもう、すごくよくて
だからこそ、そのあとに控えているのであろう破綻というか、
自らが引き金となるであろう破滅の姿がカゲロウのように立ち上ってきて
すごく読んでいて、面白いのに切ないというか
どうなってしまうんだ、どうにもならんでくれと願いながら読むと
まぁ、これを感動と呼ぶのだろうという読書体験になったのでありました
すごいよかった

最終的には、色々とあってと、ああ、そういうオチどころにいくんだと
安堵にも似た何か、落ち着いたそれに満足して
とても楽しく読み終えたのでありました
ビターとはいわないけども、こういうこともあって、
でも、という人生のそれを見られるようで
大変楽しいというか、すごくよい小説だったなと思うのでありました
音楽やってみたくなるんだが、これはまた、
音楽じゃなくてもいいのかもしれない
そういう、何かがある生活によって、救われるという経験は
渇望するものだなと思わされたのであった