先日から分解整備をしていた変速機 カンパ ヌーボレコード
今回の組立でこの作業も終わります この整備では私が知る限りの
最良の方法で整備をしたつもりです その作業風景を沢山の写真と
共にご紹介します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/7d/1dec4ec3c36ddc07c24b4e5f740f0ae6.jpg)
1968年発売の CAMPAGNOLO NUOVO RECORD カンパニョーロ初の
軽合金のリアディレーラー PAT73 1973年製造の構成部品です
駆動部はマイクロロン メタルトリートメントで事前処理を済ませています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/6e/3ad0be5ff5af82cfa1d17f9d11518f33.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c2/2981f55343ce95135bcc63965e442e1d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/1d/c817791ab76a7f3ba9b4403d3cc606d0.jpg)
組み付ける際 油脂類はその場所に依り適切な物を
使い分けるつもりです
ではでは組んで行きましょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/2b/b2850601d3ea245679595e5af65f609f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/8f/9b6c195ca79efcd6dc810043e3089812.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/e0/4522e8bccb3e1aacde175a2140be53f0.jpg)
まずは テンションスプリングから ここは分解した時に
次はもう少しグリスを多く入れて! なんて部品が訴えていました
実際にここはグリスは多目が良いと思います カンパのグリスを使います
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/33/0f99fffcbb5c19602c108931d06aea9b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/a6/d65ca8a35dda5d2c67757728b3976a30.jpg)
ピポットボルトを入れ スプリングケースを差し込みます
ピポットボルトの細くなった所に グリスをてんこ盛りにする
方も居ますが それはあまり意味の無い事だと思いますよ
ここは非接触部ですから・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e0/89f52b9a04966df6a6a86f2d57721242.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/d4/caabcb6fdc1cc7238fa9ee02b9bef54b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/d4/3398c07b0b2554497833bf065e6a2e78.jpg)
外側のテンションゲージを取り付けます
ここで注意する事は スプリングケースとテンションゲージには
スプリングを差し込む穴がそれぞれ 2つ開いています
これでスプリングの強弱の調整をするのですが 整備前に不満が
なければ 分解する時にこの位置を覚えておきましょう
ピポットボルトをしっかり締め付けます 使う工具はカンパの
T 型レンチ 6mmのアーレンキーです
余談ですが 1968年発売当初のヌーボはこのスプリングの取り付け
方法が違い 一度分解するとスプリングの組み付けに苦労しました
ここで 2時間程格闘した事があります(笑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/30/224fdedcaf6da57a796f42f42f8778b7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/5a/883150326d847c35fb792dc96b7b724f.jpg)
パンタスプリングを入れます ここはグリスを錆止め程度に
塗っておくと良いでしょう それ以上は汚れを呼ぶだけです
ピポットボルトにも少量のグリスを塗り 本体に差し込みます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/9a/d947716c84908691ceafe759720ad83f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/86/9b5a3d1bfdfc8d2286bcdb34db672f46.jpg)
ボルトを少し締め込んでから パンタスプリングを本体に納めます
ここは力技です 使う工具は 8mmのボックスレンチ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/49/99063f2cce9977756702cdd43b6ef394.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ad/70cd5faf7bd79aa61923c983129c20c2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/33/a2a98684cf31ae810c32d894a6376bc2.jpg)
スプリングケースに回り止めのネジを取り付けます
マイナスドライバーでねじ込むだけです 普段は全く
触る事が無い部分ですね でもこれが無ければ後輪を
外した時には大変困ります
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/64/17525862474b814f32131ca6288de806.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cf/1e4ede8cedbadeed64ea7a3ed4f34a96.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/7d/cbd4dabb2bb3a1d7dacda786963a83bd.jpg)
次はテンションプーリーとガイドプーリーを組付けます
ここもカンパのグリスでも良いですが 少しでも回転摩擦を
軽減したいので Microlon マイクロロンのルブリカントを
使いました 即座にその違いを実感出来ませんが耐久性を
伸ばす意味ではこの方が良いでしょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/91/1d6fee8d343deaf9ad2ed26bd84ac254.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/39/f42dcff74a79657574f2c556f0d3044f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/b5/507dc2ec89d5a8b08f03c86d0e0ae6cc.jpg)
トップ・ローの位置調整 アジャストボルトを取り付けます
ここに使うスプリングの長さが違います ロー側が短い方です
このスプリングも 1970年以前の物は同じ長さでした
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/b8/38eff462c17642a9b9254a5b4e260c56.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/1a/02d642fb99957a25de7e9b1f81388d1f.jpg)
最後にフレームに取り付け用ピポットボルトを入れます
ここは取り付け時にグリスを入れますので 今回は錆止め程度に
しておきます これで本体は組み上がりました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/3a/6ff70f93e2cc75cee36c6b540134d84a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/1d/96092e56a06e6ab8e9200cbb3fd5090e.jpg)
最後の仕上げに各駆動部にオイルを差します
パンタ部は洗浄時 完全に油脂分が除去されています
初回は粘度が低く浸透性が凄く良い Tomity Racing Oil
を使います
このオイルは知人が興和と共同開発した マイクロロン配合の
大変優れたオイルで 50ml 3500円と少々お高いですが
チェーンに使うと凄い性能を発揮します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/11/628a8b4bd2afd255aadcbd888c5345cd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/9c/eb9810e3a3a40f8729b0dc9b762b8843.jpg)
変速機本体とパンタスプリングの接触部です
ここは以外に抵抗の大きな場所で 今回の変速機も
かなり本体が磨耗していました
この部分にはグリスでは汚れを多く呼びますので
粘度がやや高いオイル Super Lube Oil スーパールブを
使いました このオイルもフッ素樹脂が添加されています
このやや粘度が高いオイルは 頻繁に注油しなくても
持ちが良いので練習用のチェーンなどに使うのは良いですね
先程のトミティオイルと使い分けると良いでしょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/15/e2b4c61d4ba8c2dd7ca1e1cf876a4102.jpg)
これで全ての分解整備が完了しました 分解前と比べると
凄く良い状態になりましたよ
発売後 40年を過ぎたこのディレーラー 凄くしっかり感が有り
大変優れた変速機だと思います カンパの乳白色の甘い香りの
グリスが凄く似合います カンパ好きにはたまりません(笑)
今回のシリーズ 長く引っ張ってしまいました
過去日記 今後メンテナンスをされる方の参考になれば幸いです
【 カンパ ヌーボレコード 分解 】
【 カンパ ヌーボレコード 洗浄 脱脂 】
また今回使用したケミカル品 Microlon, Tomity Racing Oil
Super Lube Oil などは 私はこちらでお世話になっています
現在も Nippo コルナゴのメカニックとして多数の試合に参戦
神の腕を持つ一流メカニック 【 カツリーズ サイクル さん 】
ではお化粧が済んだ変速機を見てみましょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/de/8d970e482a1b04a7e6fd27932b5737ff.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/dc/eb41c3b46972a5c69bd8b6bee549eb33.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/2a/182ab38bb96e08e08d58363f9f6f6a59.jpg)
う~ん この機能美に痺れてしまいます
私なんかこの写真だけで美味しくお酒が飲めてしまいます
カンパ愛好者の皆さんはいかがですか(笑)
今回の組立でこの作業も終わります この整備では私が知る限りの
最良の方法で整備をしたつもりです その作業風景を沢山の写真と
共にご紹介します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/7d/1dec4ec3c36ddc07c24b4e5f740f0ae6.jpg)
1968年発売の CAMPAGNOLO NUOVO RECORD カンパニョーロ初の
軽合金のリアディレーラー PAT73 1973年製造の構成部品です
駆動部はマイクロロン メタルトリートメントで事前処理を済ませています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/6e/3ad0be5ff5af82cfa1d17f9d11518f33.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c2/2981f55343ce95135bcc63965e442e1d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/1d/c817791ab76a7f3ba9b4403d3cc606d0.jpg)
組み付ける際 油脂類はその場所に依り適切な物を
使い分けるつもりです
ではでは組んで行きましょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/2b/b2850601d3ea245679595e5af65f609f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/8f/9b6c195ca79efcd6dc810043e3089812.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/e0/4522e8bccb3e1aacde175a2140be53f0.jpg)
まずは テンションスプリングから ここは分解した時に
次はもう少しグリスを多く入れて! なんて部品が訴えていました
実際にここはグリスは多目が良いと思います カンパのグリスを使います
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/33/0f99fffcbb5c19602c108931d06aea9b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/a6/d65ca8a35dda5d2c67757728b3976a30.jpg)
ピポットボルトを入れ スプリングケースを差し込みます
ピポットボルトの細くなった所に グリスをてんこ盛りにする
方も居ますが それはあまり意味の無い事だと思いますよ
ここは非接触部ですから・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e0/89f52b9a04966df6a6a86f2d57721242.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/d4/caabcb6fdc1cc7238fa9ee02b9bef54b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/d4/3398c07b0b2554497833bf065e6a2e78.jpg)
外側のテンションゲージを取り付けます
ここで注意する事は スプリングケースとテンションゲージには
スプリングを差し込む穴がそれぞれ 2つ開いています
これでスプリングの強弱の調整をするのですが 整備前に不満が
なければ 分解する時にこの位置を覚えておきましょう
ピポットボルトをしっかり締め付けます 使う工具はカンパの
T 型レンチ 6mmのアーレンキーです
余談ですが 1968年発売当初のヌーボはこのスプリングの取り付け
方法が違い 一度分解するとスプリングの組み付けに苦労しました
ここで 2時間程格闘した事があります(笑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/30/224fdedcaf6da57a796f42f42f8778b7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/5a/883150326d847c35fb792dc96b7b724f.jpg)
パンタスプリングを入れます ここはグリスを錆止め程度に
塗っておくと良いでしょう それ以上は汚れを呼ぶだけです
ピポットボルトにも少量のグリスを塗り 本体に差し込みます
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/9a/d947716c84908691ceafe759720ad83f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/86/9b5a3d1bfdfc8d2286bcdb34db672f46.jpg)
ボルトを少し締め込んでから パンタスプリングを本体に納めます
ここは力技です 使う工具は 8mmのボックスレンチ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/49/99063f2cce9977756702cdd43b6ef394.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ad/70cd5faf7bd79aa61923c983129c20c2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/33/a2a98684cf31ae810c32d894a6376bc2.jpg)
スプリングケースに回り止めのネジを取り付けます
マイナスドライバーでねじ込むだけです 普段は全く
触る事が無い部分ですね でもこれが無ければ後輪を
外した時には大変困ります
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/64/17525862474b814f32131ca6288de806.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cf/1e4ede8cedbadeed64ea7a3ed4f34a96.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/7d/cbd4dabb2bb3a1d7dacda786963a83bd.jpg)
次はテンションプーリーとガイドプーリーを組付けます
ここもカンパのグリスでも良いですが 少しでも回転摩擦を
軽減したいので Microlon マイクロロンのルブリカントを
使いました 即座にその違いを実感出来ませんが耐久性を
伸ばす意味ではこの方が良いでしょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/91/1d6fee8d343deaf9ad2ed26bd84ac254.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/39/f42dcff74a79657574f2c556f0d3044f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/b5/507dc2ec89d5a8b08f03c86d0e0ae6cc.jpg)
トップ・ローの位置調整 アジャストボルトを取り付けます
ここに使うスプリングの長さが違います ロー側が短い方です
このスプリングも 1970年以前の物は同じ長さでした
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/b8/38eff462c17642a9b9254a5b4e260c56.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/1a/02d642fb99957a25de7e9b1f81388d1f.jpg)
最後にフレームに取り付け用ピポットボルトを入れます
ここは取り付け時にグリスを入れますので 今回は錆止め程度に
しておきます これで本体は組み上がりました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/3a/6ff70f93e2cc75cee36c6b540134d84a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/1d/96092e56a06e6ab8e9200cbb3fd5090e.jpg)
最後の仕上げに各駆動部にオイルを差します
パンタ部は洗浄時 完全に油脂分が除去されています
初回は粘度が低く浸透性が凄く良い Tomity Racing Oil
を使います
このオイルは知人が興和と共同開発した マイクロロン配合の
大変優れたオイルで 50ml 3500円と少々お高いですが
チェーンに使うと凄い性能を発揮します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/11/628a8b4bd2afd255aadcbd888c5345cd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/9c/eb9810e3a3a40f8729b0dc9b762b8843.jpg)
変速機本体とパンタスプリングの接触部です
ここは以外に抵抗の大きな場所で 今回の変速機も
かなり本体が磨耗していました
この部分にはグリスでは汚れを多く呼びますので
粘度がやや高いオイル Super Lube Oil スーパールブを
使いました このオイルもフッ素樹脂が添加されています
このやや粘度が高いオイルは 頻繁に注油しなくても
持ちが良いので練習用のチェーンなどに使うのは良いですね
先程のトミティオイルと使い分けると良いでしょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/15/e2b4c61d4ba8c2dd7ca1e1cf876a4102.jpg)
これで全ての分解整備が完了しました 分解前と比べると
凄く良い状態になりましたよ
発売後 40年を過ぎたこのディレーラー 凄くしっかり感が有り
大変優れた変速機だと思います カンパの乳白色の甘い香りの
グリスが凄く似合います カンパ好きにはたまりません(笑)
今回のシリーズ 長く引っ張ってしまいました
過去日記 今後メンテナンスをされる方の参考になれば幸いです
【 カンパ ヌーボレコード 分解 】
【 カンパ ヌーボレコード 洗浄 脱脂 】
また今回使用したケミカル品 Microlon, Tomity Racing Oil
Super Lube Oil などは 私はこちらでお世話になっています
現在も Nippo コルナゴのメカニックとして多数の試合に参戦
神の腕を持つ一流メカニック 【 カツリーズ サイクル さん 】
ではお化粧が済んだ変速機を見てみましょう
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/de/8d970e482a1b04a7e6fd27932b5737ff.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/dc/eb41c3b46972a5c69bd8b6bee549eb33.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/2a/182ab38bb96e08e08d58363f9f6f6a59.jpg)
う~ん この機能美に痺れてしまいます
私なんかこの写真だけで美味しくお酒が飲めてしまいます
カンパ愛好者の皆さんはいかがですか(笑)