Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

カンパ ヌーボレコード 組立

2009-08-01 20:16:48 | 自転車整備 ディレーラー
先日から分解整備をしていた変速機 カンパ ヌーボレコード
今回の組立でこの作業も終わります この整備では私が知る限りの
最良の方法で整備をしたつもりです その作業風景を沢山の写真と
共にご紹介します




1968年発売の CAMPAGNOLO NUOVO RECORD カンパニョーロ初の
軽合金のリアディレーラー PAT73 1973年製造の構成部品です
駆動部はマイクロロン メタルトリートメントで事前処理を済ませています








組み付ける際 油脂類はその場所に依り適切な物を
使い分けるつもりです




ではでは組んで行きましょう





まずは テンションスプリングから ここは分解した時に
次はもう少しグリスを多く入れて! なんて部品が訴えていました
実際にここはグリスは多目が良いと思います カンパのグリスを使います






ピポットボルトを入れ スプリングケースを差し込みます
ピポットボルトの細くなった所に グリスをてんこ盛りにする
方も居ますが それはあまり意味の無い事だと思いますよ
ここは非接触部ですから・・








外側のテンションゲージを取り付けます
ここで注意する事は スプリングケースとテンションゲージには
スプリングを差し込む穴がそれぞれ 2つ開いています 
これでスプリングの強弱の調整をするのですが 整備前に不満が
なければ 分解する時にこの位置を覚えておきましょう

ピポットボルトをしっかり締め付けます 使う工具はカンパの
T 型レンチ 6mmのアーレンキーです

余談ですが 1968年発売当初のヌーボはこのスプリングの取り付け
方法が違い 一度分解するとスプリングの組み付けに苦労しました
ここで 2時間程格闘した事があります(笑)






パンタスプリングを入れます ここはグリスを錆止め程度に
塗っておくと良いでしょう それ以上は汚れを呼ぶだけです
ピポットボルトにも少量のグリスを塗り 本体に差し込みます






ボルトを少し締め込んでから パンタスプリングを本体に納めます
ここは力技です 使う工具は 8mmのボックスレンチ








スプリングケースに回り止めのネジを取り付けます
マイナスドライバーでねじ込むだけです 普段は全く
触る事が無い部分ですね でもこれが無ければ後輪を
外した時には大変困ります








次はテンションプーリーとガイドプーリーを組付けます
ここもカンパのグリスでも良いですが 少しでも回転摩擦を
軽減したいので Microlon マイクロロンのルブリカントを
使いました 即座にその違いを実感出来ませんが耐久性を
伸ばす意味ではこの方が良いでしょう








トップ・ローの位置調整 アジャストボルトを取り付けます
ここに使うスプリングの長さが違います ロー側が短い方です
このスプリングも 1970年以前の物は同じ長さでした






最後にフレームに取り付け用ピポットボルトを入れます
ここは取り付け時にグリスを入れますので 今回は錆止め程度に
しておきます これで本体は組み上がりました






最後の仕上げに各駆動部にオイルを差します
パンタ部は洗浄時 完全に油脂分が除去されています
初回は粘度が低く浸透性が凄く良い Tomity Racing Oil
を使います

このオイルは知人が興和と共同開発した マイクロロン配合の
大変優れたオイルで 50ml 3500円と少々お高いですが
チェーンに使うと凄い性能を発揮します






変速機本体とパンタスプリングの接触部です
ここは以外に抵抗の大きな場所で 今回の変速機も
かなり本体が磨耗していました

この部分にはグリスでは汚れを多く呼びますので
粘度がやや高いオイル Super Lube Oil スーパールブを
使いました このオイルもフッ素樹脂が添加されています

このやや粘度が高いオイルは 頻繁に注油しなくても
持ちが良いので練習用のチェーンなどに使うのは良いですね
先程のトミティオイルと使い分けると良いでしょう




これで全ての分解整備が完了しました 分解前と比べると
凄く良い状態になりましたよ

発売後 40年を過ぎたこのディレーラー 凄くしっかり感が有り
大変優れた変速機だと思います カンパの乳白色の甘い香りの
グリスが凄く似合います カンパ好きにはたまりません(笑)

今回のシリーズ 長く引っ張ってしまいました
過去日記 今後メンテナンスをされる方の参考になれば幸いです
【 カンパ ヌーボレコード 分解 】
【 カンパ ヌーボレコード 洗浄 脱脂 】

また今回使用したケミカル品 Microlon, Tomity Racing Oil
Super Lube Oil などは 私はこちらでお世話になっています
現在も Nippo コルナゴのメカニックとして多数の試合に参戦
神の腕を持つ一流メカニック 【 カツリーズ サイクル さん 】




ではお化粧が済んだ変速機を見てみましょう





う~ん この機能美に痺れてしまいます 
私なんかこの写真だけで美味しくお酒が飲めてしまいます
カンパ愛好者の皆さんはいかがですか(笑)

コメント (6)
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