ピストレーサーを分解 B.B小物の取り外し

前回フレームから全ての部品を取り外した IRIBE イリベのトラックレーサー
今回は B.B小物を取り外します　B.B とはボトム・ブラケットの略でこの部分は
ハンガーとも呼びます






カップ&コーンのハンガー小物は左側から取り外します
この小物は JIS規格ですが　ハンガーには他の規格も有ります

B.B小物の規格をおさらいしておきましょう

B.B小物の規格には
JIS　　　　　 左 正ネジ　右 逆ネジ　巾68mm　
ITA （イタリアン）　左右共　正ネジ　巾70mm
FRE （フレンチ）　　左右共　正ネジ　巾68mm 　が有ります

ワンの規格もそれぞれ異なり
JIS 1.37X24TPI
ITA M36X24TPI
FRE M35X1　　　となっています




最初に使う工具は　S型フックレンチ
HOZAN ホーザンからは C-205 S形ヘッド回しの
商品名で発売されています　お値段は 2000円程






この工具をハンガー小物左側のロックリングに掛けます
そして緩めますが　ここは工具が良く滑るので注意して
下さい　ロックリングが外れました　ネジは正ネジです






次は左わんを外しますが　使う工具はピンスパナ
カニ目レンチとも言います Park Tool パークツールなら
SPA-1C　SPA-2C の品番です　お値段は 1500円程






左わんが外れました　ここのネジは全ての規格で正ネジです
内側にはスチールボールやリテーナーが入っています






ハンガーシャフトを引き抜きます　クランクシャフト
B.Bアクスルなどと呼ぶ事も有ります






ウォーターシーフを抜き右のリテーナーも外します
ウォーターシーフは　好みで使わない人も多く居ます






左側の小物と内部の部品を外したので　次は右わんを
外します




右わんはかなり固く締まっている物が多く　今回は
確実に作業が出来る専用工具を使います　HOZAN ホーザン
C-358 右ハンガーワン回しです　お値段は一万円程




この右わんの工具は　最初にペダルを外した時に使った工具
CAMPAGNOLO カンパのこの様な工具も使えます（左端）　
カンパは UT-BB030 の品番で 4千円程　パークツールなら
HCW-11 で 2500円程ですが　この右ワンの脱着には必ず
いずれかの工具が必要です　代用が出来る物は思い浮かびません








ホーザンの工具をハンガーにセットします






しっかりと右ワンを銜えた工具で右ワンを緩めます
JIS 規格の右ワンは逆ネジです
固い！　体重を掛けただけでは緩みません




その時の状況にも依りますが　今回はタオルを巻いて
工具を拳で殴りました　これでも言う事を聞かない時など
もう一度ホイールを装着し　大きな頭のハンマーで殴る事も
有ります








今回はまだ可愛いものでした　拳で殴っただけで外れました
全て分解した　ハンガー小物 SUGINO スギノの 75が使われて
いました






さて三回に渡りお付き合い頂きましたが　これで全ての部品を
取り外し　フレームがストリップの状態になりました

この自転車、組み立ては私では有りませんでしたが　凄く優しい
組み方がしてありました　具体的に表現するのは難しいのですが
組み手により自転車の感覚は変るだろうなと思わせる組み方でした






裸になった IRIBE イリベのフレームをもう一度見てみましょう





やはりこのヘッドラグは IRIBE の特徴を一番良く表しているかな　小さく削り込まれた
綺麗な工作です





色々な所は以前に紹介していますがここはハンガー裏　チェンステーのブリッジですが鼓型の
特徴有る物が使われています





バックエンド　123mm巾の正爪ですが綺麗に肉抜きされてシャープさを感じます





IRIBE TRACK FRAME のGEOMETRIES　このジオメトリーはオーダーした本人から聞いた物で実測はしていません

ハンガー裏に 00'2 28 の刻印が有るので製作後 10年かな　特に特殊な寸法ではなく使い易いフレームの印象
を受けます　あえて言うならシートがやや立ち気味でしょうか　さて友人が使っていたこのフレーム　サイズも
私にぴったり　でも又自転車が増えて部屋が駐輪場状態　困った・・・（笑）

今回のピストレーサーの分解作業　一連の作業風景はこちら
【 ピストレーサーを分解する　ペダル ホイール 】
【 ピストレーサーを分解　クランク ハンドル 】