Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

シールドベアリング 洗浄とグリスアップ MAVIC HELIUM

2022-11-24 20:20:45 | 自転車整備 ハブ
MAVIC マビックの完組みホイール ハブのメンテナンスをしています シールドベアリングを洗浄し
グリスアップを行います その作業風景をご覧下さい





MAVIC の完組みホイール HELIUM です 1996年頃のホイールですが フロントハブの
メンテナンスを行っています 今回は取り外したシールドベアリングを洗浄しグリスの
交換を行います






前回までにシャフトとベアリングは外しています






ベアリングを見てみましょう 玉軸受けベアリングと呼ばれる物で
これは両側シールドタイプですが、表と裏でその材質が違います
黒い方がゴムシールド 片方が鋼板シールドです 残念ながら
品番は読み取れ無かったです




内部を洗浄する為にシールを外します 先の薄い道具を
用意します 上手く使えばカッターでも良いですがゴムに
傷が付かない様に注意が必要です






ベアリングの内輪とシールの間に道具を差し込み
ゆっくりとシールをめくります あまり無理は
しない方が賢明です






外れたシールは 薄い金属板にゴムがコーティングされています
無理をするとこの金属が歪みます






回転は凄く滑らかです 内部の汚れも余りありません
片側の鋼板は外せないので ここから洗浄に掛ります






どの様なグリスなのか 少し取ってみました






あまり伸びない結構固いグリスです ベアリングを回すと
かなり軽いのは このグリスがボールに回っていないのかも
分りません




ベアリングの洗浄をします 新たに使う潤滑剤に依っては
完全に脱脂をする必要が有りますが 今回はそこまで行いません






ベアリングをステンレス容器に入れ パーツクリーナーを
スプレーします 噴射圧にも助けてもらいます






スプレーするだけで多くのグリスが溶解されています
それをさらに ブラシで擦ります




エアーブロワで洗浄液を吹き飛ばします 写真はここで
写していますが外での作業です






汚れた洗浄液は捨ててから同じ事を繰り返します




容器の底には不純物が沈殿します 金属粉らしい物も
混ざっています




パーツクリーナーが濁らなくなるまで繰り返し
洗浄液が透明になれば完了とします






残った洗浄液で他のパーツも綺麗にします




ハブ本体のボールレース ハウジングも綺麗にしておきましょう






洗浄が終わったベアリングです 実はこの状態が一番軽く回ります
水でも掛ければもっと回るでしょう ただ負荷が掛かっていなければの
話しです 
優秀な潤滑剤を使い根拠が有れば別ですが 空転させての軽さはあまり
追い求めなくて良いと思います




ベアリングの外輪には色々な情報が印字されています
今回は FRANCE 程度しか読めませんでした




ベアリングに新しいグリスを入れます




今回は Super Lube の多目的グリスを使います フッ素系で耐久性も
有ります むしろ少し使ってからの状態が凄く良い事に気付きました
先程言った 優秀な潤滑剤を使おうかとも思ったのですが、スペアの
ホイールにそこまで必要は無いと思いこちらを選択しました




シールドベアリングのボールとケースの隙間に 効率的に
グリスを入れる為に シリンジを使います






筒の中に必要量グリスを入れました ただこの様な形状の物は
試合会場などには持って行かない方が良いでしょうね
誤解を生む様な物は 整備場所だけで使う物です






ベアリングの隙間を狙ってグリスを入れて行きます




指で押し込んだり 回転させながら奥の鋼板側にも
入る様にします






グリスが奥に入り嵩が減ると同じ事を繰り返します
ボールを押えている保持器の表面には必要が無いですが
これは仕方が無いですね 多目に入れておきます






これで落ち着きました シールを用意し蓋をします






シール材の金属側にもグリスを塗っておきます






ベアリングにそっと当て シールを元の様にはめ込みます
それ程、難しい作業では有りません




シールが上手く復旧出来ました 回転も問題は有りません






もう一個も同じ手順で済ませました





今回のグリスアップ 密閉された物を開封するのは多少のドキドキ感は有りますが
これだけ自転車にシールドベアリングが使われると これからも避けられない整備ですね

回転の状態は整備前よりはるかに重くなりました これは内部にしっかりとグリスが
行き渡っている証しです 特別な事はしていないのに 空転させて妙に軽い回転部は
点検した方が良いかも分りません さて次はシャフトを組み立てます


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