森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

なつとなかよし その3 【有明の月】

2017-07-15 23:30:27 | success summer

清少納言の枕草子、かの有名な「春はあけぼの」。あの段に書き連ねられている季節の感じ方がたまらなく好きです。

「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」

今のような異常気象によるような激しい雨ではなく、それでも夏の雨は突然に大粒の雨を降らす通り雨が多かったと思います。

それまでの暑さが、嘘のようにさっと静まってちょっとだけ空気がひんやりするのも良いですよね。

でも清少納言が言っているのは、そのような夕立の雨ではなくて、そのまま夜降る雨の事だと思います。

やはり空気を冷やしてくれる雨を歓迎しているのだと思うのですが、部屋の中で手紙などをしたためていると、いつの間にか雨の音が開け放された部屋の向こうから聞こえてきていて、その雨の音に耳を澄まし、そして濡れる事のない場所で雨を楽しんでいたのでしょう。

 

だけどちょっと単なる古文の感想を書くにしても、今は、やはり「雨を楽しむ」などと書くと、心が痛みます。

世界中で起きている異常気象の元なるものの解決策はないのでしょうか。

地球温暖化・・・・

ちょっとエアコンを止めてみる?

って言っても、今日はヤバイ。

ああ、この「ヤバイ」はGOODの「ヤバイ」ではなく非常に「BAD」と言う意味です。

言葉と言うものは、生きて動いていくからかなりヤバイ存在ですね。軽い言葉は特に。

 

ヤバヤバヤバ、もう死んじゃうわ~って、既にみんながエアコンを止められない状態になっていて、そしてさらに気温上昇は続く。

転がる坂道状態。

もう人類の滅亡の銃弾ってどっから飛んで来るか分からないね。

などと、言葉が砕けてきたところで本題です。

 

10日の月曜日は炎天下を歩いて教育懇談会なるものに行くために学校往復をしたものだから、夜になったらやたら眠くなってしまい、珍しくサッサと寝てしまいました。だけど睡眠時間を短く取る習慣があるものですから、真夜中の3時半に起きてしまったのです。しかもスッキリ爽やかに。もう起きちゃえばいいでしょうと言う事で起きました。

するとリビングの部屋の真ん中で体を伸ばして寝ていたあんずさん(猫)が
「ニャンダ?」と言って、飛び起きたのです。

ワンコORニャンコを飼っている方には分かっていただけると思うのですが、この時猫がなんか言うじゃないですか。これは本当にそう言っているのですよね。←きっぱり。

 

私のうちはマンションで早朝に起きても近所迷惑になるので、朝家事なんかは6時ぐらいまではやりません。早起きしたら本を読んだりパソコンで遊ぶとか、自由時間に使える楽しさがありますよね。ところがあんずさんは、私が起きたのが一日が始まる合図と思ったのか

「ママしゃん、ご飯はまだですか。」

「ママしゃん、ベランダにはいつ出してくれるんですか。」

「ママしゃん、私と遊んでくれるんじゃないんですか。」とニャンコラニャンコラと煩いのです。

 

連れ合い殿はまだ深い眠りの中ですから、猫の鳴き声で起こすわけにもいかず、抱いたり撫ぜたり大変です。

「あのね、あんずさん。私はね、あなたの子守をするために起きたわけではないのよね。」

 

一方ももちゃんは、自分の行動は自分の腹時計…じゃなかった体内時計で決めるとばかりに、微動だにもせず眠っていました。

 

1時間ほど、私はあんずさんの妨害にもめげずに、密林サイトが大バーゲンをしていましたので飲料水などを買い求めたりしていましたが、しつこい彼女の「朝が来たよ攻撃」に耐え切れなくなって、または可哀想になって来て、そうっと一緒にベランダに出る事にしました。

おうち猫のあんずさんは、このベランダタイムが大好きなのです。

外はかなり明るくなっていて、静かな美しい朝の風景が広がっていました。

 

 

公園の向こうの道を、早くも犬の散歩をしている人も見え、夏の朝は皆スタートが早いのかもしれないと思いました。

だけどやはり早朝は、まるで鳥たちがこの世の中心であると歌っているような気がしました。

林の中から聞こえてくる鳥たちの大合唱。聞いたこともないような鳥の声もします。大きく羽ばたいて公園を横切っていくカラスたち。

見た事のないような風景に、ちょっと興奮したのはあんずさんだけではなかったのです。

 

そして何よりも美しい、空が。

 

あんずさん、ありがとう。

 

見て。

月があんなにはっきりと見える。

真昼の月とは、また違う明け方の月でした。

 

もしもこの月を清少納言が見上げたら、彼女はなんて言ったかしら…などと思うのもまた楽しいものですね。

 

 

ああ、だけど今思ったのですが、いにしえ人がこの月を見るのは、断然恋人の元から帰る男たちの方が多かったのですよね。

ロマンチックな事を考えながら、この月を見上げていた人もいたでしょうね。

 

じゃあ、その時女たちは・・・・

「ああ、帰った、帰った。ずっと奥ゆかしい振りをしていたものだから、疲れちゃったなあ。今日は一日中グータラしよ。」なんて考えながら二度寝なうってもんかしら。

 

あっ、今、私、結構斬新な解釈しましたね。

でも人間なんからららららら~♪

その本質なんかは、そうそう変わらないものでしょう。

恋に命を燃やして、世界のすべてが一色に染まってしまう人もいれば、暮らしの中での切り替えが上手でうまく立ち回れる人もいたことでしょう。

結構アリな解釈なんじゃないかなと思います。

 

もちろん、こんなことはあの透明な月を見ながらは考えられませんけれど。

 

 

 

 

 

 


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