森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

ガッチョーン!!

2010-09-12 01:30:12 | 同じ時代の船に乗る
今日(もう昨日でした)、多くの人が心の中で、又は声に出して言いませんでしたか?
「ガッチョーン」って。
だから、タイトルもそれ。

9月11日の今日、2時半ごろお昼寝から目覚めて、珈琲タイム。そんな時は、私はツイッターです。そこで見つけた「谷啓さん、亡くなったんだ。」と言う呟き。
―エー、本当?入院とかしていたんだ・・・
でも、それは違いました。
検索したら、こちらがありました。→△△

10日の夕方躓いて転び、顔面や頭部を強打し、入院先の病院で11日の午前5時ごろ亡くなったとありました。
ある意味、事故死。
あまりに突然で、ご家族の方も気の毒だと思いました。

谷啓さんと聞くと、なぜかお葬式のシーンばかりが思い出されてしまいます。

青島幸雄さんのお葬式の弔辞は涙を誘いました。
「青ちゃん、谷だぁ。あおちゃん、たにだぁ。返ってきませんね。寂しいです。」
と言って、青島さんを見送った谷啓さん。
そして、植木等さんも見送って・・・・

変な言い方ですが、子供時代にかっこいい大人たちと見上げてきた人たちが、そうやって儚くなっていっても、何か谷さんの存在がクッションになっていて、まだその時代は終わっていないのだと言う気持ちになっていたのです。
例えば、クレージーキャッツと言うバンドはハナ肇さんが亡くなった時に解散してしまった訳ですが、それでもその仲間の一人でもいる限り、そのバンドは消えないと思うのです。

先に逝ってしまった者の事を覚えている。覚えている人が存在している。それは悲しみのクッション。
だからその谷さんが逝ってしまったのは、また違ったショックを感じたのでした。

だけどもちろん、そういった意味では犬塚弘・桜井センリさんがいらっしゃる訳ですが、谷さんはお二人よりも少々若かった訳で、このお二人の気持ちを思うと、凄く寂しいのではないかと推察してしまいます。


存在している、それが自然体。そんな人っているんですね。だから凄く正直に自分の気持ちを言ってしまうと、「悲しみ」と言う言葉はないのです。ぜんぜんピーンとこないんです。だけどある時、やはり突然に、「そうか、彼はもういないのか。」としみじみとしてしまう予感がします。その時、私は凄く寂しいなと思い、やはりひとつの時代は終わってしまったなと、クッションなき今は思ってしまうのでしょう。


想い出を語れば
釣りバカの佐々木課長よりも、私は「カメレオン」に出てきた、詐欺グループのお年寄りの一人かな。最後まで現役。素敵でしたね。

ご冥福をお祈りしています

そうそう、ちょっと思い出しました。谷さんは1932年2月22日生まれ。ピンクの林家さんじゃなくても覚えやすい誕生日ですね。そして、亡くなられた日も9月11日。だから・・・って、その先は言わずもがなですね。


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こんな事もあろうかと

2010-09-11 02:35:28 | 家族スナップ
<チャレンジひとり旅番外編>
なにげに家事やらお仕事やらをまじめにやり、合間にストレス発散でツイッターで呟いていたら、気がついたら間が空いてしまいました。急に空が秋めいて、嵐の後にはちょっとだけ気温も下がり、そんな今頃はかえって夏の疲れが出る頃なんですよね。
時々ゴロゴロしていますが、私は元気です。皆様もお元気でいらっしゃいますか?

さて、間が空いてしまっても、まだ旅行記の続きです。だけど今回は、家族スナップ、番外編です。

私がホテルに帰り、夕食を食べ終わってマッタリし始めると、ふと家族は何を食べているのだろうかと気になった。
『ひとり気ままに出掛けてきていても、それでも家族の事は気にかけてはいるんですよ、一応』と言う演出は忘れてはいけない。
―演出かい!
と叱られそうだけど、女は母であっても女優じゃなくちゃね。だけど、その舞台の流れは、心配する母の電話にうっとおしいと思う家族と言う流れ。それでも良いのだ。何にも連絡もなくて糸の切れたようなお母さんのイメージだけは作ってはいけないのだ。

電話をしたら、周りが煩くて何も聞こえない。たぶん、ファミレスにいるんだ。
わかった、わかった。もういいや。美味しいハンバーグ屋さんを見つけたから、今度はみんなでそこに行こうと夫が行っていたから、きっとそこにでも行ったのね。

だけど、時間を置いてラッタ君から電話が掛かってきた。
えっ、さっき、電話がまともじゃなかったから、かけ直してきた?
うそぉ~、そんな可愛いキャラじゃなないよね・・・と怪しみながら電話に出ると、まあ最初は先ほどの電話のフォロー、
「一応、飯はちゃんと食ってるぞと伝わったから良いかという事になって、切ってしまったんだ。」
大丈夫さ。ちゃんと分かっていた。
「ところでさ」
やっぱり・・・きたな・・・
「前に真夜中にゼッケンを付けてくれたじゃん。あの布は何処にあるんだい?」

ああ、ありましたね、そんな事が。

以前、もう寝ようかなと思った真夜中1時頃
「お針箱道具はどこかい?」「白い布はあるかい?」と彼が言ってきた事が。
「普通はないよ、こんな白い布。あるかと言われて出てくる家はないのよ。」とあれだけ言ったのに。
しかも、ラッタ君のお裁縫なんか心配で、真夜中にチクチクシクシクとゼッケンを付けてやったのさ。
ちなみにそのときの私の不安は、針に糸を通す事。ちょうど糸通しが壊れてしまって、代わりを買ってなかったから。だけど、真夜中に奇跡が起きて、糸がなんと一回でスッと通った時には、心の中のシャンデリアがぱああっと点いたような気分になったけれど、実際は薄暗い部屋で、
「何で、あたしゃ、真夜中にこんな事をやらされているんだろう。」と
チクチク・・
シクシク・・

って、だからさ!! 

私は、こいつは危ないやつだから事前に言っておいたのだよ。優しい顔をしてね。
「ねえ、お母さんは土日にはいないのよ。」
「はいはい、行ってらっしゃい。」
「嫌、そうじゃなくてさ、今のうちに、私にやって欲しいことはないの?今なら何でもやって差し上げますから。」
「ないよ、別に。」
「ふーん」
って、会話があっただろ、まったく。

「あれはたまたま、棚の上に捨てようと思ったパパのワイシャツがあったから、それを切って使ったのよ。普通は出てくる訳ないじゃない、真夜中に。なあに、またゼッケンを付けるとかあるわけ。」
「だから、そんな布はその棚の上にあるのかと思ったらないからさ~。じゃ、ないわけ?」
「それがだね、あるのだよ。こ、」
こんなこともあろうかと!
「ま、まあね。この前、パパさんが大量にワイシャツの処分をした時に、背中の綺麗なやつは全部洗濯してしまっておいたのだよ。じゃあ、誘導するから・・・」

実は私もそんなワイシャツの存在を忘れていたわけ。だってすぐに使う事もないし、使い道だってはっきりしていない。かろうじて遠い将来、またパッチワークなんかをやりたくなったら裏布に使おうかなと思ったぐらいなのだ。だから、ビニール袋に入れて押入れの奥に放り込んでおいたのだった。だけど、旅行の準備をしていて、押入れのバッグを出そうとしていた時に、このビニールなんだっけと確認したばかり。

「あった、ワイシャツ?」
「あった、あった。ところでもうひとつ、油性ペンってどこにあるんだろう。」
「ああ、それはね。先日パパが朝香典袋がいると言うので出してあげたんだけど、その時ペンも貸してというので渡したら時間がないから会社でゆっくり名前を書くと持っていってしまったのよ。」
と、私の話はいつも遠いところから始まる。
「じゃあ、ないわけ。」
「いや、ある。こん、」
こんなこともあろうかと!
「そ、そうだけど。ちょっとテーブルのところに行ってみな。その端にクスリとかハンカチとかお菓子とかごちゃごちゃ置いてあるところに未開封で置いてあるから。」
「おっ、なるほどこれか。」

本当だと近頃めっきり使わない油性ペン。その場にいれば、どこにあると聞かれたら、確かこの辺にと使えるかどうかも確認して渡せるけれど、いないとちょっと自身がない。だけど出掛ける前日に、除菌ペーパーを安く手に入れようと百均に寄った時に、ふと思いついて油性ペンも買っておいたのだった。帰ってきてから片付ければいいやとテーブルの脇において出掛けたので、所在が明らかだったというわけなのだ。

「ちょっとさ~、君ね、私に感謝しなさい。」
「じゃあお礼に、今日の事なんか聞いて差し上げよう。今日は何があったんだい。」
と言う訳で、→「山形の夜は更けて」に続く。

まったくね~。
主婦たるものは、家を空ける際にはシックスセンスを働かせて、これから起きる事も予想しておかなくてはならぬと言うお話でした。
「こんなこともあろうかと!!」・・・いやいや、アレには遠く遠く及びませんがね・・・

えっ、元ネタ知らない?
では→こちらで







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今週の「龍馬伝」のおまけ

2010-09-06 02:26:11 | ドラマ (大河)
ドラマの感想はこちら→『龍馬伝・寺田屋騒動


若村麻由美 土佐鶴CM〔寺田屋騒動〕

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龍馬伝36回「寺田屋騒動」

2010-09-06 02:25:25 | ドラマ (大河)
<チャレンジひとり旅>、実はまだ続きます。
その前に日曜日が来てしまったので、『龍馬伝』のメモ的感想を、またも時間に挑戦して書いておこうと思います。

寺田屋騒動
今日のつぼは、三吉という男とおりょうさんでしょうか。

龍馬は三吉に対して、生涯の友と言います。三吉は感激して、命の代えても龍馬を守ると誓うのです。
なんて言うか、龍馬という人は作為なく人を取り込む天才だったと思ってしまいました。

そして寺田屋に京都奉行所の手の者が多勢でやってきます。
入浴中のおりょう。
肌着で、龍馬たちのところに駆け込むおりょう。ここからは緊迫感がありましたね。

おりょうさんのドスの聞いた声が生きました。でも心臓漠々のはず。まずは、おりょうさん自体がこの多勢の者たちのてから逃れなければならないわけです。冷静を装い、堂々と表面から出て行くおりょう。ここ、ポイントだったと思います。
そして、上手く交わして外に出ると一目散で薩摩藩邸に走っていくおりょう。その距離はおよそ10kmぐらいで50分ぐらいらしいですが、そこをあの出で立ちで夜の真っ暗な中を走りに走っていくわけです。

凄いですよね。
ドラマだと、明かりは十分あるわけですが。実際の昔の夜は凄く暗かったと思います。そこを・・・・・走りに走る
うーん、感動しちゃいますよ。もう。

そして、三吉慎蔵の立ち回り。それもかっこ良かったですね。
龍馬の鉄砲も、実際には脅しのみなんて事はなかったと思います。だから深手を負っても逃げおおせたのではないかしら。

緊迫の夜でしたね。

ただ、私、ちょっと残念だったのが、薩摩藩の龍馬救出シーンがあっさりしていた事。あんなに奉行所の連中がウロウロしていたのに、どうやって龍馬を連れてくるんだろうって、ちょっとワクワクして見ていたもので。

まあ、いないときを見計らって・・と言うのが正解なんでしょうね、きっと。そういう事にしておこう。

ところでかっこいい三吉を演じた筧さん、まだ出番アリだそうですよ。45話もたっぷり出るそうです。

で、今週の弥太郎。
龍馬の話をしみじみ思い出しながら帰る道すがら・・・
あっ、こけました!!
凄いですよ、何であそこでこけるかな。やっぱり弥太郎♪


本当はもっと早く書き終えることが出来たのですが、ちょっと面白いものを見つけちゃったので、次におまけとしてのせておきましね。凄くいい雰囲気なんだけど真木さんのイメージを壊したくない人は見ないでね。




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山形の夜は更けて

2010-09-04 18:12:05 | お出掛け日記
<チャレンジひとり旅その3>
副題をつけるならば、夜の話題は「こんな事もあろうかと」「何しているの」「それは何か許されぬ」と言うところ。だけど、一つ前の記事は、ブログ記事としては長いよね~。
まあ、午後のひと時珈琲のお供にお読みください。

でも、ちょっと今回は頑張って短めに。(頑張る事か?)


私が泊まったのは一人でもお気軽なビジネスホテルだったのですが、朝食付きだけど夕食はついていません。でも夕食を別に食べるのも意外と面白いのです。それは名古屋で経験しました。
ホテルについて、シャワーを浴び、誰が一緒と言う訳でもないのにお着替えをして化粧をし直してお出かけしました。

山形なんだからお肉なんか食べたいよな~・・・・

だけど・・・、
ああ・・・

なんですか、また何か?
って、思いましたか。

うーん、まあね。
だって、居酒屋ばっかりよ。山形の駅前って。

「おひとり様」はなんだって経験してみようって言ってもねえ、まだ「一人焼肉」は未経験。ましてや「一人居酒屋」なんて、お酒を普段から嗜まない私には、棒高跳び並みのハードルの高さなのでした。

そうだ、駅ビル!

普通はありますよね。洒落たレストランとか・・・
いや、あったかもしれないけれど、接客悪そうだったり、ピーンとこなかったりで、イマイチ・・・
もっとウロウロすれば良かったのかも知れないけれど、実は、私、あんまりグルメじゃないの。もっとはっきり言っちゃうと、家族がいなければ、食事なんかどうだって良いわけ。

コンビニで調達しちゃおうかな・・・。

と、駅ビルの一階を歩いていたら、鮭といくらの親子弁当が550円が3割引。あらっ、これでいいじゃない。春雨サラダも買って、更にコンビニでウメッシュとプリンも買ったりして。

もうこれで、o.kよ。
まあ、何が惜しいと言えば、どこかのお店に入ろうとお洒落して街に出てきたのになあなんてところかな。

写真でも撮るか・・・
だけど、そのとき私を呼ぶ声が・・・・




―ねえねえ、そこで何してるのかニャー・・

―えっ、どこ?
―ここに、いるニャー






振り向くと、茂みの横に夜の街に同化して、ニャンコが私に「ニャーニャー」と呼びかけてきたのです。
―そこにいたのか。でも、私、何も持っていないよ(嘘。鮭とイクラのお弁当を持っていた。)
―何もいらにゃいにゃ。

よく見ると茂みの中にちゃんとカリカリご飯が置いてありました。
ニャンコも暑い夏に耐えていて、少しだけ涼しくなった夜の風を楽しんでいたのでした。


―あっ、写真撮るのね、止めて・・


―だめ~、撮っちゃうもんね。





―しょうがにゃいにゃー
だけど、今日も暑かったのにゃ。ここ、涼しいから座って休んでいくのにゃ。

とニャンコは言ってくれたけれど、写真も撮ったし、ご飯もまだだし、ホテルに帰るわ、私。

―そうかにゃ、ばいばいにゃ。

と、猫好きにはたまらないひと時でした。


ホテルに帰って、夕食を食べレンタルしてきたパソコンでツイッターをしながら、「ハリーポッター」の映画を見ていました。なんとなくいつもの夜と変わりません。非日常を求めて旅をする。そんな願望も人にはあるのかと思うのですが、初めてのひとり旅、そこまでの欲は持っていません。
若い頃は、良く旅先で金縛りにあったり、悪夢にうなされたりしました。そんな事も、私にひとり旅を躊躇させる理由だったのです。夜は普通が良いのです。
エアコンを入れたら、天井が、パッキーンパッキーンと煩くて、もしも私がもっと若かったら、ラップ音とか思って震えちゃうけれど、もう大人です。壁が冷やされて音を立てて収縮しているのですよ、たぶん。
あんまり煩いので、「煩いよ!」と言ったら、鳴り止みました。

と、そこにラッタ君から電話が掛かってきました。
「こんなこともあろうかと」と言う内容の電話。その電話が終わると、
「じゃあお礼に、今日の事なんか聞いて差し上げよう。今日は何があったんだい。」と偉そうに聞いてきました。
それで、私は「シベールアリーナへの道」に書いたようなことを言いました。
「危ない事やっているなあ。あなたこそ、ipadとか必要なんじゃ。」
そうかも知れませんが、使いこなすには訓練がいるんじゃないの、それ。
「それで、今日の夜は何を食べたんだい。」
「550円の3割引のお弁当。」
「ちょっと待てィ!!!それって、家にいるときより酷いじゃん。」
「いやぁ、別に。」
「なんか許せん。」
「だから、別に平気だって。」
「いや、旅行に行ってそんなものを食うとは、人として何か許せん。よし待ちたまえ。今検索してしんぜよう。」

と言う訳で、翌日はラッタ君が検索したところでランチだったのでした。

一人の部屋でも一人じゃない。
本当にいつもと同じで寂しくもなく、快適な山形の夜は更けていくのでした。






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シベールアリーナへの道

2010-09-02 11:34:16 | お出掛け日記
<チャレンジひとり旅その2>
「黙阿弥オペラ」の感想ではありません。感想は→こちら
画像は、シベールアリーナから見た空です。


なんとなくクールな話じゃない。
じゃ、書かなければいいじゃんと思うけれど、話が次に繋がっていかないのでやっぱり書こう。
結構、かっこ悪い。

ああ、やっぱりかっこ悪いのか、ここでも「真っ直ぐたどり着けない女」をやってしまったのかと思っている諸君、それは半分は当たっているけれど半分は違う。

シベールアリーナにはちゃんと余裕を持ってたどり着いたのだよ、エヘン。
おいおい、威張るところじゃないぞ。
あっ、今気が着いた。「シベールアリーナへの道」ではなく、正しくは「シベールアリーナからの道」だった。

だってかみのやま温泉では、お城見学を諦めたら時間に余裕があって、調べておいたバスの時間よりも早く駅で待機。
予定のバスで行くと、表蔵王口には12時15分に着いて、そのバス停から徒歩10分らしい。

計算では間に合うけれど、それって、私には危険な感じ。それこそたどり着けない女を地でやってしまいそう。

なので
「へい、タクシー」と言う事に。

私はここで、自分が如何に年齢を重ねて大人になったのだと、ちょっと思う事がありました。(書き辛かったのでいきなり文体変わります。)
昔、私は美容院でベラベラしゃべる美容師さんが苦手で、黙っててくれないかなと思っていた事があって、でもあのおしゃべりってサービスのようなのですよね。だけどふと気がつくと私が気を使いまくり、彼女の悩みなんかを聞いていたりしていたのです。昔は美容院ってちっとも癒しの空間じゃなかったのでした。でもそれは美容師が友人と言う美容院に変わる事によって、解決したのです。
それと同じように、黙ってて貰いたいのが、タクシーの運ちゃん。お愛想笑いの今日も暑いですねも嫌な感じ。だって、やっぱり私が気を使いまくり疲れちゃって・・・・と思っていたのですよ。

それなのに、なんと目的地のシベールアリーナに着くまでそのタクシーの運転手さんとしゃべりっぱなし。
今年の山形の果物の出来について、よく分かりました。こんなに暑くてはフルーツ王国山形の危機ですよ。でもお米は良いらしいです。期待できますよ。たとえ私が聞き手であっても楽しくおしゃべりできるなんて、大人になったなぁとしみじみ・・。

それはともかくですが、私は帰りが不安になりました。その事を言うと、タクシーがたくさん待機しているから大丈夫だと言うのです。ホッとしました。行きがタクシーなら、バス停の場所も分からないからです。でも、目的地に近づいて、ふと何気なく運転手さんに聞きました。
「ちなみにバス停はどこですか。」
「ちょっと遠いんですよね。しかも土日は本数少ないし。」

実はバスの時間をちょっと調べてきました。この「ちょっと」は結構曲者です。

「バス停はあすこに見える信号の、そのまた先の信号を左に曲がってまた少し行くとありますよ。」

ふーん、そう。

でも私はその時はタクシーで帰ることに決めてしまいましたから、あまり真剣に聞くでもなく・・。
だけどもう大判振る舞いですよ。
私は基本的にはしまり屋なので、このタクシー代には結構胸が痛かったのです。なぜなら「かみのやま温泉」から「シベールアリーナ」まで2290円(確か・・?)、シベールアリーナから山形駅周辺まではもう少し掛かると言われたので、低めに見積もって3000円ぐらい、もしくは3500円ぐらいじゃないかと思うのです。でも、大宮から山形まで乗車券のみだと5460円なのですから、高いな~と思ったりもするのが主婦と言うものですよ。
でもいいや、リスクなき旅行と言うものはそう言う物だよ・・・・なんちゃって。

ああ、だけど・・・

やっぱし、何かあったんだなと思いましたか?

あったんだわよ、それが。

お芝居が終わって、階段を下りてきましたら、三台のタクシーが待っていました。そして人が並んでいました。
一台目~、バタン。ハイ、出発~。 二台目~、バタン。ハイ出発~。
そして、私の番です。タクシーが私の前まで進んでこようとしました。と、そこにいきなりタクシーに後ろから追いついてきた若い男性が、後ろのドアをノックしたのです。そしたら、タクシーの運ちゃんは、その人を乗せてビュー。

吃驚したわ~~・・・

もしも私が若き日のメグ・ライアンだったら、
「ちょっと~、あなた何するのよ~。」と怒鳴り、そして恋のひとつでも芽生える場面でもありそうなところだけど、残念ながら若くもなく、メグ・ライアンでもなく気の小さい小市民なので、ポカンとしていただけ。
でも忘れられない、悔しくて。
で、やっと気がついたわけです。ここタクシー乗り場なんてないんです。でも、自分が暮らしている町の運転手さんたちは、こういう時、前の状況を見て、流れに沿って人を拾っていくじゃないですか。

よく、映画とかで都会に出てきた田舎の人に、この砂漠のような都会で生きていけるのかなんてセリフがありますが、ありゃ、違うわ。すでに都会人とはいえないカントリー暮らしをしている私でも、地図的には都会圏に生息している訳で、いろんな場面で「便利」と言うものに保護されて生きている訳です。
そんな私に、サバイバルタクシーに勝てるわけがありません。

じゃあ、ちょっと移動する・・・。トボトボ・・・みんな手前で拾われちゃう・・・・シクシク・・・

何でここルールないの・・・。苦手だよ~、トロいんだから。

じゃあ、呼べば良いんじゃない。
って、これがまた嫌いなんだわ。いろいろ、こちらにも好き好きがあって。それは最終手段と言う事にしようと思いました。でも、こんな事もあろうかと無意識が私に、行きのタクシーのパンフレットをかばんにしまわせていたのです。

仕方がないので、ホテルに連絡して、チェックイン時間に遅れる事を伝えました。

そして、(結構ここからグチグチ)

そして、バス又は、蔵王駅まで歩くと言う選択肢もあるよねと考えを変える事にしました。バス停まで10分、蔵王駅まで20分と言ったら、私の本音では蔵王駅まで歩きたいのです。なぜって、太っていても元は横浜人ですから、歩くのヘッチャラなんです。だけどこの蔵王駅まで歩くと言う選択肢は、暑いので、すでに家に居たときから捨ててしまった選択肢だったので、準備不足。それ、無理だなと思いました。最初から、シーベルアリーナの地図を見てもさっぱり分からないから、ちゃんと調べようと思っていた部分です。そのちゃんと調べた地図は、一度見ただけでプリンアウトトもしていなかったのでした。

私は、思いました。すべての事は繋がって、しかも意味があるのだと。
私がこの夏、新宿で迷ったのも京橋で迷ったのも意味があったのです。それは私の行動パターンの認識の再確認と言うものだったと思います。

-なぜか、地図無く歩き出す。ふと感じたところでクイッと曲がる。-
やりかけちゃった、また。
前を迷いもなく歩く人に付いて行って。アブナ~。
でも、ふと気がつきました。誰もあの人が蔵王駅に行くとか、バス停に行くとか、その先を知らないと言うのに、何故フラフラついて行くのだ。思い留まって、かばんの奥底からシベールアリーナの地図を出しました。
見知らぬ土地の見辛い地図。
そう言えば、今思い出したのですが「話を聞かない男、地図の読めない女」とか言う本がありましたよね。


フン!地図を見るのが不得意ってわけではないんだぞ、私。
でも、それよりも、きっとこの時、もう冷静ではなかったのですよ。

時々言われるのですが、凄いピンチでみんなが焦っている時、一人冷静な顔をしていると。それって良く言いすぎか。つまり一人私は関係ないという顔をしてすましているって。
でも本当はそんな時、実は心の中は嵐です。

今思うと、焦っていたのですよ。あの青年にタクシーを乗られてしまってから。だから前を歩く人に付いていってしまいそうになったりもしたのですよ。本当にそんな事をしたら、私は泣きながら(心の中で)国道の一本道を歩き続けたかもしれません・・・・
でも、ふと気がついて、見づらいその地図と格闘したのです。行きの時にタクシーの運転手になんとなく聞いておいて良かったです。

予想通りバス停は遠かったです。
が、まだ吃驚する事が。「表蔵王口」と言うバス停に着いたら、かみやま温泉方向のバス停しかありません。普通は真向かい、また斜め前にある反対方向のバス停がない・・・・。
おろおろ。聞きたくても人がいない。そこにやって来た小学生男子。聞きました。地元の人に聞くのが一番。
反対側のバス停はどこにと聞くと、はるかかなたを指差してくれました。
離れているんだ・・・・

と、その時、後ろからバスが私を追い越して、はるか先に見えるバス停で止まり、そして去っていってしまいました。

ひ、ひぃえ~。

お芝居の終了が思っていたより遅くて、私が調べておいた時間は過ぎていました。私の記憶によると、その後結構時間があったはずで、しかもその後バスはなかったのです。そんなにオロオロとその辺を歩き回っていたのかと動揺しました。
あそこでバス停がないと、また迷わなければちゃんと間に合ったのに・・・
もう、頭の中に手塚治虫のひょうたんつぎが飛び回ってしまいましたよ。そして、ふと、バス停の名前を見ると、「まんさくの丘」。
ええ!?ここ、「表蔵王口」じゃないわけ?
「対」と言う言葉は、ここでは通用しないの・・・?

「ふーん」と、私はちょっとしみじみとしちゃいました。嫌、それは一瞬よ。だって、心の中は、「あんた、バス行っちゃったのよ、どうするのよ~!!」と言う叫びで満たされているわけですから。
でもやっぱり「へえ~」と思いました。
これは家に帰ってから調べたのですが、やっぱりあの小学生たちが言ったように、私がたどり着いたバス停で良かったわけです。どこかに「表蔵王口」のバス停も合ったのかもしれません。でもこれも迂闊な事も書けませんので、航空写真でもチェックしましたが「対」の場所にはどこにもありませんでした。

私はその時、焦りまくってはいたけれど、実は旅の醍醐味と遭遇していたのです。
もっと心の中から落ち着いていたら良かったのですが・・・

でも、そんな所で「ふーん」としみじみしていたら、
「おやっ?! 」とある事に気がつきました。

ここは複数の路線が走っていたのですよ。何のことはない9分後に来るんじゃない、次のバスが。

ば、ばかーん、あたし・・・

でも、その後の時刻表の下は真っ白。じゃあ、これが最後のバス!!!
い、いやだ~!!!
またも頭の中にひょうたんつぎが飛び回り・・・
いや、悔しいのでキティちゃんにしておこう。

でもね、これも確かに、私が乗ろうとしたバスの路線は最後のバスだったのですが、違う路線のバスはこの後もあったみたいですよ。これも後で調べました。8時台までは一時間に一本はあったみたいです。
でもなんたって、私、頭の中でキティが踊りまくる大パニック状態でしたから

夕日が山際に落ちていくかなあ・・・
ふと、私は思いました。

ーちょっと写真撮る?
私が私に尋ねます。
―駄目に決まりよ。山を見ていて、バスが行ってしまったらどうするのよ。あんたの場合は、それがあり得るから怖いのよ。
あっちの道路を穴が開くほど睨んでいなさいって。
―ハイ、合点だ、親分。
と言う訳で、じいぃっと道路を見つめていました。

バスが来ました。
もちろん、私、なーんにもなかったかのような済ました顔をして、バスに乗っていました。
―ええと、380円よね、確か。
と言う訳で、かなりの節約が出来ました。

フフフ

ちなみに私はもう、シベールアリーナには迷わず行けますよ。公演のチケット代はお安いのですが、少々遠いので二度目があるかは分かりませんが、次回があれば蔵書を読みまくりたいと思います。


チャレンジひとり旅その1・『かみのやま温泉』








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