予算特別委員会に参加して、中央区の課題として感じたことを述べていきたいと思っています。取り上げる順番は、順不同です。
行政は、検討委員会を開催し、報告書を作成します。
秋に作成される『行政評価』もその一つです。
作成された報告書が、作成することが目的ではなく、それが有効に活用されることが大切です。『行政評価』であれば、その内容が、きちんと翌春の予算特別委員会で審議される予算案に生かされることです。
また一つの例として、今後、自立支援協議会の一年間検討の報告書(意見書)が作成され、6月を目途に福祉保健部に提出されます。この報告書が施策に生かされることを待ち望みたいと思います。
(参考)『中央区地域自立支援協議会設置要綱』
第12条 協議会は、毎年6月末日までに、今後の障害福祉サービスのあり方に関する意見書をまとめ、福祉保健部長に提出しなければならない。
2 福祉保健部長は、意見書の提出があった場合は、意見書に記載された内容を検討し、区の今後の障害福祉サービスの方向性を明確にした回答書を協議会に提出されなければならない。
朝日新聞記事にも同様な指摘がありましたので、掲載します。
「教育再生懇談会」のあり方を論じたいために記載するのではありません。報告書を作成することが目的の報告書であってはならないことを述べている文であったため、掲載しましたことを、念のためお断りします。
下線は、小坂による。
****朝日新聞(09/04/01)******
政策ウォッチ 教育再生懇談会 「報告書ありき」の拙速避けよ
政府の教育再生懇談会が新メンバーを加えて再スタートした。麻生首相が新たに設定した「スポーツ立国」などのテーマを4月から本格的に議論する。
文部科学省ではなく、首相官邸に置かれた再生懇には、省庁の枠にとらわれず自由に議論できるメリットがある。安倍元首相が設置した前身の教育再生会議の時代から報告書は次々に出されてきた。
そして、今回は6月をめどに中間報告を目指す。だが、新メンバーが6人増えて16人になり、会合の日程調整が難しく、次の会合は4月中旬になる見通しだ。2ヶ月の間に十分な時間を割けるのだろうか。「教育費負担」「公立学校の再生」「教育委員会改革」「理科教育」など様々なテーマが示され、どれも議論にかなりの時間が必要そうなのに、だ。
結論を急ぐのは秋までに衆院解散・総選挙があるからだが、報告書を出すことが至上目的になっては元も子もない。十分な議論なしに報告書をまとめても、たなざらしの提言が増えるだけだ。政府にも提言をしっかり受け止める努力を期待したい。
(五十嵐誠)
****転載終わり****
なお、今後の有効活用を期待する報告書は、例えば、
*上述の「行政評価(施策評価・事務事業評価)」
*上述の「地域自立支援協議会 意見書」
*09年3月策定された「中央区保健医療福祉計画推進委員会報告書(第三次中央区保健医療福祉計画)」
*今年度策定されるわけであるが、「教育振興基本計画」(計画期間:平成22年度から平成26年度)
などなど
<今までの記載>
中央区の課題(1)検討会・協議会の公開
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/3b42841c6eb018d6bd3216a1fe0fd2f0
日本環境学会が東京都に対し、築地市場移転候補地 豊洲の汚染土壌の地質調査をした際のサンプル土壌を、処分せずに、きちんと開示することをもとめる申し入れを3/30に行ったということです。
申し入れに際しては、都知事本局秘書課で約10分間の趣旨説明を行った上で、提出されたとそうです。
以下、その申入書とその後、都庁記者クラブに出されたお知らせ文です。
下線は、小坂による。
****都知事と中央卸売市場長宛の申入書*****
2009年3月30日
東京都知事 石原 慎太郎 様
東京都中央卸売市場長 比留間 英人 様
日本環境学会会長・畑 明郎
豊洲地区試錐コアの開示ならびに保全に関する申入書
拝 啓
早春の候、貴職にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、先般市場ホームページ上に公開されました、豊洲地区の詳細地質調査報告書につきましては、当学会を含む多くの市民団体や政党が解析を進めてきたところですが、その中で、報告書の記載だけでは到底理解できない数々の問題点が見つかって参りました。
一例としては、同一仕様で発注された各街区の試錐柱状図が、受託各社でそれぞれ表現方法が異なっているため、地層相互間の正確な対比ができなくなっていることが挙げられます。このことは、事前の技術的な基準統一がなされず、かつ、専門家会議が精度監理の責務を怠っていた結果としか思えません。
このため、貴職が主張なさるように、豊洲の汚染土壌の安全な管理が可能であるかどうかは、報告書の文面と添付資料からだけでは判定ができません。是非とも原資料である試錐コアを公開して頂き、その調査・観察乃至分析結果によって、専門家会議・技術会議の結論の当否を吟味することが不可欠であると考えます。
このことはかねてから口頭では要望いたしておりましたが、未だにご見解が伺えませんので、重ねてここに文書を以て、試錐コアの公開と、関連する便宜供与を要請する次第です。さらに、都民の中に根強く意識されている、今回の移転計画に関する不安に対して、当学会は学術面・実務面を含めた公開討論会の開催を強く要望して参りましたが、先般の都議会答弁では、残念ながら否定的なご見解が述べられたに止まりました。この点についても、是非ご再考をお願いしたく存じます。
さらに、洩れ承るところによると、前述の豊洲の試錐コアは、近々、産業廃棄物として処分する予定だそうですが、報告書の記載に大きな疑義がある以上、現物のコアがなければその精粗・当否の判断が全くできなくなります。ぜひコアの管理・保全には、万全を期して頂くように強く申し入れるものです。
以上、ご多用中恐縮ですが、是非ご検討頂いた上で極力早い機会に文書でご返事を賜りたく、ここに改めてお願い申し上げる次第です。
先ずは取り急ぎ要用のみにて失礼いたします。
敬 具
<本件事務連絡先=坂巻 幸雄 当学会土壌汚染問題WG長>
*****以上、申入書*****
*****都庁記者クラブへのお知らせ*****
2009/03/30
東京都庁記者クラブ 各位
日本環境学会会長・大阪市立大学大学院教授
畑 明郎
(公印省略)
件名:豊洲地区の試錐コアの開示ならびに保全に関する申入書の提出について
報道関係者皆様の、日頃のご活躍に敬意を表します。
さて、築地の東京都中央卸売市場の移転問題につきましては、皆様方の絶大なご協力によりまして、『豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する専門家会議報告書』ならびに『同・技術会議報告書』の付属データが、先月以降逐次市場のHP上に公開されるようになりました。しかし、以降、市民団体や政党関係者有志と連繋してデータの解析を進めたところ、その内容・表現に関しては、受注各社間に著しい不統一があることが見いだされて来ています。このため、正確な結果を求めるには文書記録だけでは不可能で、試錐コア試料そのものの直接観察が不可欠になってきたのですが、残念なことに、都はいまだにその公開を固く拒んでいます。この都側の姿勢は、去る3月28日の、中央区議会全員協議会の質疑に於いても、変わることがなかった旨、関係者から洩れ伺いました。
加えて、この試料は、近々廃棄する予定だとも伝えられています。
これらの試料が万一捨てられてしまったとすると、「不透水層によって汚染の下層への浸透・拡散が防止されている」とする、「安全宣言」の根拠となった専門家会議の結論の当否が、全く検証出来なくなってしまいます。そのため本日、別紙申入書(都知事ならびに市場長宛)を知事本局秘書課に提出し、検討方と文書回答を要請いたしました。
なお、本件の細部に関する記者会見は、都側の反応を踏まえた上で、別途4月半ば頃に設定する予定です。詳細確定次第、また改めて御案内を差し上げます。
どうか今後とも、当学会を引き続きよろしくご鞭撻賜りますよう、心からお願い申し上げます。
本件連絡・問い合わせ先:
坂巻 幸雄(日本環境学会土壌汚染問題WG長)
*****以上、都庁記者クラブ****
新宿区の地域別のガイドラインを設け景観を守る試みが東京新聞で取り上げられていました。
中央区でも、街並み・景観を守る発想は、とても大切です。
参考にして行きたいと思います。
下線は、小坂による。
****東京新聞(09/04/01)*****
『新宿区 “72の顔”守れ』
「和の風情を感じる粋な神楽坂」「歩きたくなる楽しい歌舞伎町」-。東京都新宿区は四月から、区全域を七十二地域に分け、それぞれの特色を生かした建物のデザインや色など景観上のガイドラインを設定する。全国的にも珍しい取り組みで、雑多な文化が混じり合う区の特色を街づくりに生かしていこうという狙いだ。
(社会部・比護正史)
区内には神楽坂や歌舞伎町、西新宿の超高層ビル群や大久保のコリアンタウンなど多様な“顔”が存在。区の「エリア別景観形成ガイドライン」は商業地だけでなく、住宅街まで景観の目標を設定しているのが特徴だ。
国土交通省によると駅前など地域限定で景観基準を設ける例はあるが、住宅街まで詳細に決めるのは全国でもほとんど例がない。
例えば、大正時代にモダンな住宅街として誕生した中落合の「目白文化村周辺」は、大谷石を積んだ塀などが残る。ガイドラインは「落ち着きと風格あるまちなみを受け継ぐ」と目標を設定。「敷地際は植栽をめぐらせ、みどりの連続性に配慮」などと求めている。
区は四月から、独自の景観計画を策定し、景観まちづくり条例を全面改正。一定規模の建物に対し、区が景観計画に示された客観的な基準により、デザインの変更命令ができるようになった。
都市・地域景観に詳しい早稲田大の後藤春彦教授は「従来の景観に対する考え方は街並みや建物を構造的に把握することだったが、暮らしのたたずまいそのものが景観だという認識に変化してきている。暮らしからにじみ出る風情に価値を置き、はぐくむことが、街づくりにもつながる」と話した。
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009040190070752.html
******以上転載終わり******