「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

「築地市場廃止、豊洲土壌汚染地での新市場開設」計画案の“終わり”の“始まり”

2009-04-16 23:00:00 | 築地を守る、築地市場現在地再整備
 平成21年今年になって、強く感じ始めたことは、「築地市場廃止、豊洲土壌汚染地での新市場開設」計画案が崩れ始めたということ、すなわち、その案の“終わり(廃案)”の“始まり”に入ったということです。

 水産仲卸の組合「東卸」組合の理事長選挙では、確かに、移転推進派候補と現在地再整備派候補が15対15で譲らず、5度目の選挙の末、14対16で、移転推進派の候補が勝ちました。
 このことにより、外見上、移転推進で市場が動くと思う方がいらっしゃるかもしれません。
 
 しかし、
*「不透水」といっていた有楽町層への汚染の浸潤している事実の発覚
*「連続」といっていた有楽町層の存在しない箇所の存在の発覚
*ベンゾ(a)ピレンという汚染物質の新たに高濃度の存在の発覚
*軟弱地盤であり、地盤沈下が急激に進む事実の発覚
*地盤構造に「埋没谷」があり、地震時に「フォーカシング現象(焦点化)」が生じ、大きな被害が生じる危険性の存在(阪神淡路大震災の高速道路の橋脚の横転の箇所と同様の機所にて発生する)
など、
 いままで、専門家会議、技術会議で検討されなかったこと(少なくとも十分には)が、今頃、情報として出され、東京都の“ボロ”が次から次へと出始めました。
 新事実からわかることは、さらなる汚染の広がりの可能性があり、都のいう土壌汚染対策では、食の安全・安心を確保するためには不十分であるということです。
 また、軟弱地盤や「埋没谷による地震波のフォーカシング現象」を考慮に入れた、土壌汚染対策、液状化対策の必要性が考えられることになります。


 4/15には、今まで築地市場移転問題に真剣に取り組まれてきた、市場内の水産仲卸業者を中心とした団体「市場を考える会」(「市場」は「いちば」と読みます。)が、NPO法人の認証を取得し、初の総会が開催されました。
 これからは、法人格をもって、より幅広く、さらに大きく取り組みが展開されていくことになります。

 医学、小児科学を専門とする私が、許してはならないと思っていることは、「科学的結論を政治がゆがめること」です。そして、「人の健康にとって、一番大事な食の安全・安心がないがしろにされること」です。
 科学的な分析をし、その知識を、専門家とともに国民・都民が共有することで、正しい取るべき道筋がみえてくるものと確信しています。
 知る機会を今後とも、作って行きたいと思います。
 東京都には、知る機会を作ることを求めて行動していきたいと思います。東京都が誤っていることは、重要な事柄を、私たちにきちんと知らせることなく計画を進めていくことです。

 4/14の勉強会の後の、意見交換会は、延々11時半過ぎまで及びました。
 取り組むべき新たな課題が、見えてきました。
 あらたな連携の広がりが生まれました。
 
 なぜ、築地の魚河岸文化、築地のまち、市場内外で働く人の生活を壊し、不十分な土壌汚染対策費に多額の費用を浪費してまで、豊洲土壌汚染地に、生鮮食料品を扱う市場を作らねばならないのでしょうか。
 築地市場の現在地での再整備ができるにもかかわらず。

 私は、この不合理を、多くの人にしっていただくために行動していきます。
 皆様とお約束したとおり、必ず、築地市場、築地の街は、守ります。

 必ずや実現されると思っています。
 なぜなら、築地市場を守るために、真剣に議論する仲間がいるから。党派や会派、その専門領域を超えて集う仲間がいるから。
 築地を守るという同じ目的をもった人たちが、その目的のもとにつながっていけば、その力は、東京都をも動かしえるはずです。

 写真は、延々続いた意見交換会の一こま。
コメント
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